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鎌倉に1年間住んでみて分かったこと

世界の状況変化もあり、会社の勤務形態がフルリモートワークに移行したのに伴って「リモートワークならどこでも住めるじゃん」と思い立ち、人生で一度は住んでみたいと思っていた鎌倉に住んでみることに決めました。

鎌倉はお金持ちが住むところなんて思っていましたが、物件を探してみたら家賃4.9万円のアパートに出会い即決。そんなこんなで住んでみた鎌倉の「住んでみて分かったこと」をまとめてみます。

1. 前提

ざっと私が住んだ時の自身と住んでいたアパートの状況を書いておきます。この条件下だから感じたこともいくつかあるので参考になればと思います。

  • 土日休みの新卒2年目。一人暮らし。

  • 住まいは2階建て賃貸アパートの1階。鎌倉駅から徒歩7分で、家賃は4.9万円。(安さの理由と思われる条件を後半で触れてます。)

2. 自然が豊かな土地

一度は住んでみたいと思った大きな理由は、海をはじめとしたこの自然の豊かさでした。住んでみると想像していた良い部分だけでなく悪い面部分もありました。

海も山も歩いてすぐ行ける距離にある

鎌倉といえば海というイメージがあるかもしれません(私もそうでした)が、実は山方面もとっても自然豊か。観光客は海に行く人の方が多い印象で、山方面の観光スポットは比較的空いていたりもします。

山方面を開拓してみてのおすすめスポットは報国寺。竹林で有名なお寺ですが、周辺も緑豊かでぶらぶらお散歩するのにおすすめです。

あとこれは贅沢な悩みですが、身近になったことで「いつでも行ける」と思ったのか、住む前よりも海に行かなくなりました。人間って贅沢ですね。(人間というより私だけかな。)

豊かな生物環境が日常のすぐそばにある

鎌倉駅からは海よりも山のほうが近い距離にあります。それゆえ駅徒歩7分の立地にある住まいでの日常は想像以上に自然豊かです。

日中はこれまで聞いたことのないような鳥のさえずりが聞こえたり、近所の神社では行くたびにリスを見かけるなど、本当に自然が身近な環境だということを日々の一瞬一瞬に感じることができます。
豊かな自然の音が聞こえてくる何気ない日常というのは、ある意味なかなか贅沢な日々だと思いました。

虫がよく室内に入ってくる

自然が豊かということは毎日のように虫にも遭遇します。家の中で。
「これが家に入ってくる…?」と一人でツッコミを入れてしまうような虫が入ってくる経験もしました。

虫が苦手な方であれば、網戸なしで窓は開けないなどは当たり前のこと、そもそも地面と地続きで虫が入りやすいといわれる1階を避けたり、もし住むのであれば玄関ドアに虫の侵入を防ぐテープを貼るのがおすすめです。
(ドアを閉めていても隙間から虫は入ってきます!)

日常的に湿度が高い

海が近い土地ゆえ湿度が高くなりやすく、風通しや日差しが良い立地でないと常に部屋がジメジメとしたり、洗濯物の乾きがかなり悪くなります

鎌倉の地形でいえば「南方が海に開けていて、残りの三方は山」という地形になっているので、かなり湿気が陸地に溜まりやすいことも大きな要因。
この地形によって「敵の侵入を防ぎやすいから」との理由で鎌倉幕府は開かれましたが、敵に攻め込まれることのない現代においてはデメリットの方が強いです。

特に湿気がたまりやすい1階に住む場合は、乾いた後の衣類でさえもカビに注意が必要です。実体験として、洋服ラックを風通しの良い窓際に置いていたにもかかわらず、夏の湿気の多い時期には全ての服がカビてしまい丸ごとクリーニングに出すことになりました…。湿気取りを置くことで改善できましたが「鎌倉の1階」はなかなか要注意です。

コインランドリーがない

洗濯物の乾きに関してさらに要注意なのですが、鎌倉駅周辺にはコインランドリーが全くありません。いくら調べても存在せず、JRの近隣駅である大船や逗子まで行けばあるといった状況。

湿気がたまりやすい土地や1階住居に住む場合は乾燥機や除湿機などは必須、と考えておくと良いかもしれません。

3. 観光地に住むということ

素敵なお店や人々との出会いが多い

鎌倉という土地は魅力的な人々が営むお店がやはり多いと感じます。SNSで話題になっていたり大通り沿いにあるお店はどこに行っても混んでいる、というのはどんなに近くに住んでいても変わりません。しかもいつでも行けるからと断念してしまうこともしばしば。

とはいえ混むのを承知であれば素敵なお店に出会えるのはもちろんですし、逆に混んでいない裏通りを見つけて穴場のお店開拓ができたり、地元の人しか行かないようなローカルな食堂を見つけたりと、住んでいるからこその魅力に出会えうことができます。

常に観光客が多い場所に住む息苦しさ

この点は些細なことかもしれませんが、日常的に観光客が多い場所に住むのは時間が経つにつれ息苦しさを感じるようになりました。
鎌倉駅の近くに住む場合、大手スーパーは駅前周辺にしかないために普段の買い物は駅前まで出ることになるのですが、土日に買い出しともなればもうお察しの通り。駅前は人でごった返しており、観光客の中をかき分けて歩くことになります。

「都会から離れた自然が豊かな静かな場所」と鎌倉への居住を考えつつ、交通の便も求めてもし鎌倉駅の近くに住もうと考えている人は要注意です。

4. 豊かな食生活

新鮮で良質な食が日常になる

自然豊かであるということはやはり食も大変豊かな生活を送ることができます。特に野菜に関しては鎌倉市農協連即売所、通称レンバイにて鎌倉の農家が日替わりで出店していて、毎日新鮮な鎌倉野菜を買うことができます

また健康意識が高い人が多く住むのか、周辺地域と比べてスーパーのオーガニックや無添加商品の品揃えが豊富だと思います。

同じ生活でも生活コストが上昇する

「憧れの鎌倉なら住むだけで QOL 上がるかも?」なんて思っていたら QOL 以上に生活コストが上がりました。

地価の高さゆえ物価は必然的に高くなり、スーパーのあらゆる商品の価格が微妙に高いのです。例として、鎌倉駅前のスーパーにある商品の価格を近隣駅の同一スーパー同一商品と比較してみると、大手メーカーの商品でも50円以上の価格差があったりします。

個人的には先に書いたオーガニックや無添加商品を購入することも多く、積もりに積もって月平均の生活費は高くなりました。

5. 鎌倉でも住環境は大切

日当たりの重要性

家賃の安さに惹かれただけでなく「鎌倉に住むってどんな感じだろう?」という半ば実験思考の好奇心で住もうと考えていたため、物件に対して特に強いこだわりは持たずに決めました。

住む前から少し気がかりであったのは日当たりが悪いこと。そして住めば住むほど日当たりの重要性を感じることが強くなりました。
前提に書いた内容に加えて住居の状況をもう少し補足すると、

  • 1階の住戸のため底冷えする

  • 隣接する住宅との距離が近く、早朝以外は日光が常に遮られてしまっている

という環境でした。(このあたりが家賃安かった理由かなと。)
このような居住環境では、室温と採光の確保のため一年の中で比較的長い間暖房や照明器具が必要になってきます。

これがもし日当たりが良い物件であれば、日中は照明要らずになり太陽光により室温も高くなるので、結果的に暖房や照明器具の使用頻度が減り電気代を抑えることができます。
単純に「日当たりがいい」というだけで年間のコストでいえばかなり変わってくるかと思います。


5. まとめ

以上、鎌倉に住んでみて分かったことを書きました。やはりどんなことにも良い面も悪い面もあるなと感じます。

個人的に鎌倉という土地への期待値が大きかった部分もあってか、日常的に暮らす上では悪い面が見えてきてだんだんと気になってくる、という結果となりました。
元々鎌倉は大好きなのですが、この好きという気持ちは住まなくても満たせると感じたことや、新卒2年目という状況ゆえに生活コストを抑えたいなという思いが強まり、なんだかんだで「自分のライフステージに合わせた住みやすい土地に住むのが一番」と思い、約1年で鎌倉から出ることにしました。

ここまで読んでくださってありがとうございました!この記事が鎌倉に住むことを考えている人の参考になれば幸いです。


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