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2022

2022年も残り1ヶ月。
人は歳をとるほど時間の流れは早く感じる。
初めてを経験する数が減るからだそうだ。

2022年はというとあまりにもゆっくりとカレンダーをめくっていた。
歳は確実にとったし、顔は年相応とは誰にも言ってもらえないほど老いた。
30歳だと間違われたこともあったほどだ。
私はそれでも大人っぽくなったと捉えている。
結局、世論や噂はあくまでも一般論。
大切なのはいつも「自分」である。
本田圭佑のW杯解説もその重要さを伝えてくれているのではないだろうか。
時がゆっくり流れていると書いているのは、たくさんの感情に出会えたからであり、決して若さを誇示したいわけではないということはご承知おき願いたい。

「充実」

サッカーを通して感情を上にも下にも揺らされた。
この記憶を記録に残したい。
だからここに書くことにした。自分のために。

「整理」

昨年から東京都1部リーグに所属する社会人チームに所属している。  
そのチームで2年目ながら副キャプテンに就任した。
主力として何年もプレーしている選手がたくさんいる中で
当時は「自分でいいんですか?」って感じだった。
やるからには全うしたいと思った。
週2回ある自由参加の練習にもできる限り参加することにした。

5月
国体の選考会が始まった。
全部書くと年を越ししてしまう。それ位濃い3か月だった。
東京都の選抜メンバーを決める選考会。
毎週水曜日18:30開始。
すべての仕事を翌日に回し、この曜日だけは定時に帰った。
自信があったわけではないが、
目の前に転がっている機会は自分から手放したくない。
高1の合宿で、自分に自信を無くし、自らチャンスを捨てた。
先生たちから完全に見捨てられた。
この経験から「やるだけやってみよ」と考えるようになった。
これは自分のすべての源だ。
1次選考会のプレーは決して通過していいプレーではなかったと思う。
運も縁も恩も実力のうち。
「通過」

2次選考ではその他の1部リーグの選手や大学生も参加するようになった。
徐々に自分の置かれている立場が分かってきた。
メンバーは20数人に絞られ、土日で福島へ合宿に行った。
ゲームキャプテンを任された時には驚いたが、自チームで副キャプテンを任された時のような不安は一切なかった。このチームの責任を背負える嬉しさと、自分への期待感でいっぱいだった。
チームも合宿あたりから一つになり始めた。
ミーティングや自己開示の大切さ、そしてなによりベテランの偉大さを感じることができた。
このチームは徳さんが作ってくれた解いても過言ではないと思う。
待遇や環境はプロフェッショナルで、サッカーに没頭している毎日がとても楽しかった。
プロサッカー選手が心底羨ましくなった。
試合前日も仕事は免除、前泊してプロのトレーナーさんのマッサージを受ける。移動はタクシー。メンタル的にもフィジカル的にも準備は万全だった。

1回戦当日
VS山梨 @駒沢オリンピックスタジアム
家族、彼女、友人、部員、同僚が見守る中
たくさんの人への感謝の気持ちを抱き、チームの先頭を歩いて入場した。
前半 
体は軽い、ボール感覚も悪くない。立ち上がりは順調だった。
右SBにアクシデント。負傷退場、途中交代の選手は・・・?
入ってこない。
10人で10分近く戦った。流れは山梨に。
負傷した選手に代わってようやく11人に。
無理に流れを戻そうとする。
前半ロスタイム 失点
サッカーにおいてこの上ない最悪の形。

HT 
監督の檄が飛ぶ、もう一度士気を高めコートin
このまま終わりたくない強い気持ちが焦りに。
70分ハーフの試合。コンディションは万全。
のはずが体は疲労を蓄積していた。

後半
怒涛の攻撃
全てにおいて圧倒した。
点がけが遠い。
後半30分 決定機
左からのクロスをヘディングシュート。
正直届くと思っていなかったがすべての力を出して飛んだ。
頭はボールを捉えた。両足が限界を迎えた。
ボールはGKの手をかすめた。会場が湧く。
かすめたボールはポストに直撃。ノーゴール。
この日最大のチャンスをものにできず、笛が鳴った。
懐かしい感情が込み上げてきた。自然と拳は芝生をたたいていた。
ここから先はあまり覚えていない。
体に力が入らない。
感謝の気持ちを複雑な感情のまま観客席に感謝を伝え、
取材に応じロッカールームへ。

最後のミーティング

中心メンバーが気持ちを言葉にしていく。
当然自分も言わなければいけない立場。
だが、言葉がない。手が挙がらない。
そのままチームは解散した。
いつもなら着替えは早いほうだ。人を待たせたことなんてない。
しかしこの日だけは最後にロッカールームを出た。
監督との最後の会話は4年生の最終節を思い出す。
また期待してもらったのに応えられなかった。

今でも悔しさを感じるのは、インターハイの全国決定戦とこの試合の2つだけだ。
こんな経験を社会人になってからできた。幸せ者だ。
サッカー選手として県外チームと公式戦をすることが1つの目標にあった。
それが叶った瞬間でもあった。

この経験は自分に自信と可能性を与えてくれた。
負けっぱなしじゃ終われない。と。

挑戦が人を育て、次の挑戦へと導く。
本気が人を引きつけ、本気が人をつなげる。
想いが感情を作り、感情が思い出になる。

言葉で表現するのは難しいけど、人として何段階も成長できた。

「やるだけやってみよ」ありがとう。















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