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【遊山箱の想い出】宝石箱よりも振袖よりも(那賀町)

こんにちは。遊山箱文化保存協会です。

私たちは、徳島県に伝わる遊山箱を守り、伝え、つなげるために活動する遊山箱愛好家団体です。遊山箱文化の伝承を目的とし、遊山箱を使ったテーブルコーディネートの提案、交流イベントの開催など、暮らしの中で楽しみながらその魅力を体験する機会を設けております。

3月3日(日)イベントの告知をさせていただきました。
イベント当日までnoteで遊山箱のお話をしていきたいと思います。

どうぞ、お耳からも遊山箱のお話を聞いてください。

本日の遊山箱の話は、那賀町からです。

お正月よりもお誕生日よりも待ち遠しい日だった

年に1回れんげの咲く頃で、私の育った家はすんごい田舎でな。ほんで3軒しかなくってなあ。ちっちゃい川があって、川の両隣で向こうと話ができるような田舎でな。

妹と三つ違うんやけど、妹とおばあちゃんとな、ほこから子どもの足で30分くらい歩いたら、ほんまに山奥で、なあんも聞こえん、笹の揺れる音しか聞こえんようなところにな、れんげ畑があるんよ。

ほのれんげ畑の真ん中に座ってこれを広げて食べたんよ。 寒天があるでえ。真っ赤とか真緑のな。あれがなあ、ほんまにすんごい印象的でなあ。ほなけどな、木の匂いがうつっとったけん、あんまり好きでなかったんよ。

ほれに中の木も寒天色に染まっとったんよ。 遊山箱は宝石箱よりも振袖よりも大切で楽しみなことだったんじょ。 遊山箱の中身、薄味やったような気がするわ。私らの時代、お菓子ってなかったでえ。ほなけん、ご飯とかお寿司よりもその寒天に卵を流したりとかしよったなあ。

フルーツ入れたり。 ほなけん、ほれがすごい小さい頃に印象的で、もう遊山っていうたら、ああ懐かしいー行きたいーってなるんよ。

お隣さんが家だけで誰も住んでなかったんよ。子どももおらんかったしな。 山田っていうんやけど、山しかないんです。ほこの田んぼがあるところに毎回行ってました。お兄ちゃんと妹とね。まあ、お兄ちゃん男の子やからあんまりねえ。 「子ども二人はいけない」って言うんで、ほんでおばあちゃんがついて行ってくれてな。すごいほんまに懐かしい。

大事にしてもろたって思うわ

今、妹が田舎に住んどんやけどな。妹が孫とかに伝えていったらええと思うんよなあ。ほなけん、もう少し年齢いくと、妹とそういうのやりたいねえって言よんですよ。

ほんでな、あそこのお店は誰と行ったなあとか、遊山したなあとかなあ。こんなん持ってな、お花畑に行こうなーって言うとんです。すごい懐かしいです。

今回は、那賀町の方からの体験談です。
山あいの町の遊山箱の思い出。笹の葉の音やれんげ畑の話は目の前に景色が浮かびます。ああ、早く春になって遊山箱をさげて山を遊びたい!(清)

遊山箱の思い出を語り伝えていきたいと思っています。

【イベントのお知らせ3月3日は遊山の日】

私たち、遊山箱文化保存協会はこれからも遊山箱の文化を伝えていきたいと考えております。どうぞ、遊山箱を懐かしく思い出される方も、遊山箱を初めて知る方も、3月3日は阿波十郎兵衛屋敷イベントにお越しください。

イベントの詳しいご案内はチラシからもご覧いただけます。この日のためにアレンジした遊山箱セット(お茶付き)はご予約が必要です(50名様まで)

予約はこちらから。

https://docs.google.com/forms/d/1gi9VxXmFZYUSUmdLDaMgyftlLzfNPAMT-m7oD290tbo/edit



文責:遊山箱文化保存協会 事務局


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