魂が磨かれる場所で
“サッカーの基本のところで負けてしまった”
“球際や戦いに負けているんじゃないか”
“本来長崎が持つ良いところを出していかないと”
2019年8月4日 FC岐阜戦に敗れた後、長崎の選手達は、こんな反省を口にした。
Twitterの情報から、今日が故松田直樹氏の命日にあたる日であることを知り、もう8年も経つのかぁ。と朝から思いに耽っていた私にとって、長崎の選手達のコメントを見て、「佐藤由紀彦」を思い出すのは、そんな時間はかからなかった。
佐藤由紀彦について知らない方は、こんなキャプテンがいたんだと軽くネットで検索してもらえたらと思います。
別に過去在籍した選手を引き合いに出して、今の選手達を貶める趣旨でない。ということは申し上げておきます。
佐藤由紀彦という男
私がV・ファーレン長崎というチームを応援し始めた頃、唯一知っている選手は、佐藤由紀彦だけだった。
その佐藤由紀彦は全力で闘っていた。「チームメイトの誰よりも、日本の誰よりも上手くなりたい。」といいながら、ベテランが練習では先頭を走る。
J1優勝、日本代表招集まで経験した男が、JFLという日の目の当たらない舞台で、練習場も無い、試合もガラガラ、自分でユニフォームを洗濯する、ゴールを運んだりする。J2に昇格するという目標がスタジアム問題で頓挫しても、泥臭く、貪欲に、サッカーに対する探究心、情熱、闘争心で必ず這い上がってくる。
そんなメンタリティを持った男だった。
そんな佐藤由紀彦の後ろ姿を見て、前田悠佑や神崎大輔が慕い学ぶようになり、佐藤由紀彦が引退してからは若い選手は前田悠佑を慕い学ぶようになっていった。
その前田悠佑も引退し、佐藤由紀彦が現役の時に在籍した選手は、今の長崎では髙杉亮太と幸野有志人が1年間プレーしたくらいではないだろうか。
長崎の良さとは
岐阜戦後、翁長聖は
“長崎っていうチームの良さを一昨年から在籍している自分がもっと伝えていかないといけない”
とコメントした。
「長崎の良さ」
それはきっと高木監督時代だけで作り、育んだものでなく、このV・ファーレン長崎というチームが出来てから、いつの間にか生まれ、佐藤由紀彦や前田悠佑、在籍した選手達によって紡がれてきた、諦めが悪く、泥臭く、不器用でも全力。そんなメンタリティのことも含むのでななだろうか。
紡いで欲しい想い
チームは以前と比べたら、大きく変わった。特に環境は劇的に良くなった。
昔は良かったとか、今と比べればとか、今の若い奴らは。なんて言う気は毛頭無い。
でも、どれだけチームが変わっても、選手スタッフが替わっても、変わらない物がある。それは凄く素敵なことで、私たちもそういう想いが紡がれたチームだからこそ、魅了されるのでは無いかと思う。
これからクラブがどんな変わっても、長崎の選手達には、長崎の良さを紡いでいって欲しい。
そんなことを考え、駄文にしたためる8月8日であった。
結び~平和に寄せて~
明日8月9日は、長崎に原爆が投下されてから74年。
平和を希求する想いを紡ぎたいという想いがのった平和祈念ユニフォームの重さを感じて闘ってくれる選手達を、今後も微力ながらサポートしていきたいと思う所存でございます。
成績が目標に届いていないとか、今日は負けたとか。チームに怒ったり、スタジアムに行くのを辞めたくなったりすることもあります。
一喜一憂もサッカー観戦の醍醐味の一つです。
でも、サッカーが楽しめる日常に感謝する気持ちで一呼吸置くと、気楽になって見える景色も変わります。これも長崎の人が紡いできた想いの一つかもしれません。
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