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柚木呂高
2022年7月27日 06:47
花布芙蓉は仕事の帰りに友人の璋子と飲みに行った。酔郷譚に倣って珠でも瑤でもなく、ましては霊でもない、待賢門院の璋子と書く。コロコロと鳴るように笑う女で、高校時代から大学まで一緒だった親友である。会社は残念ながら別々になってしまったが、似たような業界だからか、互いに生活のリズムは似ており、こうやって共だって酒を遊びに行くのは珍しいことではなかった。 二人は酒に強いわけではなかったが好きであった