🍥春菊ジェノベパスタ🍥
困っている人がいれば手を差し伸べるように、草を目にすればジェノベーゼにしたくなるのが人情というものだ。
スーパーの青果売り場で旬ムンムンと盛りに盛っている春菊を連れて帰り、ジェノベたいだけ思う存分ジェノベませていただいた。
完成したペスト・ジェノベーゼだが、色彩がこう、なんというか、きわめて緑々しい。みどり狂っている。
食事の色合い、というよりは、彼ら緑色人種の肌の色に限りなく近い。
おっと、こういう人種の話に触れると、多様性の武器を振り回すポリコレモンスターがやってくる。自重しておこう。
蛇足だが、「緑々しい」と書いて「あおあおしい」と表現する、げに奥深き日本語だ。奥が深すぎて不条理の域にまで達している。
どれほどの不条理さかというと、ジョン・メイヤーのライブに行ったら広瀬香美が満面の笑みで歌い出す、といった、たちどころに血液の供給が止まって目の前がホワイトアウトしてしまいそうな不条理さだ。
さて、肝心の味だが、男が欲望のままに材料を投入してミキサーで攪拌しただけのことはある。
きわめて濃厚、それでいて濃厚で、あとを引く濃厚さが濃厚を演出し、その濃厚さも相まって、ふたたび濃厚したくなる濃厚さだ。
さては…失敗したな…?
などと思ったあなたは寛容の心が足りない。
一生涯「ピッコロ」と呼ばれる刑に処す。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?