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最大8プロジェクトを同時にプロジェクト推進してみて見えてきた世界

さて、今年も残すところ一週間を切ったクリスマスの日にこの記事をアップするわけですが、今の会社に転職した年でもあり、あっという間に過ぎた1年間でもあるので、今までを振り返り、複数のプロジェクトを掛け持ちした時にどう進めてきたか、そんなことを振り返りたいと思います。

あ、大前提として、ブラックな働き方をしての世界ではなく、極限までにクリティカルパスを意識した結果であるので、そこだけはご留意ください。そして、今所属している会社で経験したことではないです。

何者や!みたいに思われる方もいらっしゃると思うので、軽く自己紹介をすると、自分は今年の3月にSun*に転職した生井勇祐(なまいゆうすけ)と申します。今までにプロダクト・プロジェクトマネージャーやスクラムマスターとして、今までに樹脂成形品(ベビーマグ、)、第二種医療機器(電動)、ステンレスボトル、IoT、Web・モバイルアプリのようなリアルなものからソフトウェアのプロダクトの開発を、マーケティングリサーチからコンセプト作成、UI・UXデザイン、製品の設計・開発・評価試験、システム要件定義、量産工程までのディレクション、マネジメントと一貫したプロセスを担当し、今までに29商品の上市へ貢献、7件の特許を出願、1件の意匠登録、社内プロジェクトでギネス認定1件しているような、色々と詰め込んだ人生を送っています。

Sun*では、Business Designerとして事業戦略やサービスデザインを進めていたり、プロダクト・プロジェクトマネージャーとしてアプリケーション開発の推進もやっていたりします。

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本題に戻り、なので本記事は、そんな今までの自分の経験と、「誰もが価値創造に夢中になれる世界」をビジョンに掲げているSun*に転職してみて、価値を創り上げて、顧客に届けるためには無駄なプロセスを極限まで省いて進めることが重要だと思った記事の執筆であり、またSun* Advent Calendar 2022 25日目の記事になります。
そう、最後の記事なのです。

オオトリの記事として、何かしら皆さんに得られるものがあると嬉しいです。

なぜこの記事を書こうと思ったのか

自分は今までに事業会社を2社、それもそれぞれ業界最大手の上場企業を経て、現在の会社で働いています。
事業会社で働いているときは社内のプロセスに則って商品開発や事業開発を推進し、今の会社ではスタートアップや有名な企業など様々なクライアント様と共に動いているのですが、プロダクトを創り上げていくプロセスの中で企画書や試作品、要件定義書、設計書、品質規格、QC工程などいろいろなアウトプットを作成しながらプロジェクトを進めていくプロセスの中にはMustなこと、Wantなことがあり、過去の例やプロセスで決まっているからと無駄にやることを増やしていることを目の当たりにしていたので、この師走の年の暮れの忙しい時に、来年はもっと効率的に動けるようにと振り返りも込めて自分のやってきたことをまとめようと思いました。

着眼すべきポイントとして

何かを創り上げるときに着眼すべきポイントは、大きく2つあると考えてます。

  1. 対象プロジェクト
    何を創り上げることを目的するか

  2. プロセス
    どのように創り上げていくか

なぜ、この2つに分けるかというと、リアルなものづくりをしている方は経験していると思いますが、ソフトウェアのように作りながら修正することができず、たとえば、プラスチック成形品を作る場合、試作を作る上で形状を決めて金型を作ってしまうとそこからは微修正しかできず、形状を変える必要がある場合、再度作り直しが発生してしまいます。
そしてその作り直しによって、金型を作成するのに数ヶ月さらにかかってしまいます。

また、プロセスにおいても、社内での報告や予算獲得のために必要な情報や必要な結果を、そこまでにまとめる必要があります。

このようにプロジェクトにおけるコストとスケジュールへの影響の仕方が大きく異なるため、意識する領域を明確にして進めなければ、プロジェクトの進行に影響が出てしまいます。

では、プロジェクトの性質とプロセスの性質についてもう少し深掘りをしてみたいと思います。

プロジェクトの性質

ここに挙げているように今まで経験したプロジェクトで特性が違うものを分けると4つに分けられると考えています。

ハードプロダクトという呼称をしていますが、リアルなモノを作る上での総称がなく、ハードウェアという言葉は、

一般には、コンピュータそれ自体や、ディスプレイやプリンタなどの周辺機器、キーボードやマウスといった入力装置など、コンピュータおよびそれにまつわる機器全般をハードウェアと呼ぶ。「ハード」と略される場合もあり、対義語はソフトウェア。広義では、機械や設備、団体などに適用されることもある。

EdTechZine ハードウェア - 用語集より

とあるため、わかりやすい呼称として、造語になってしまいますが、ハードプロダクトと呼ばせていただきます。

  1. ハードプロダクト開発
    ソフトウェアの業界からするとあまり馴染みの方も多くはないかもしれませんが、モノを作ろうとしたときにはものづくりの着手時に、形状や材料、品質の基準を明確にしておかなければ、作り始めることができません。それはたとえば、材料を加工したところからCommand + Z  ボタンで修正することも、履歴を元にバックデートすることもできないからです。
    なので、どんなものをどのように作りたいかを明確にする必要があります

  2. アプリケーション開発
    アプリケーション開発はハードプロダクト開発よりもよりフレキシブルにでき、また言語も様々なものから選定してフルスクラッチで開発するだけでなく、イメージをFigmaなどのデザインツールでの作成や、ShopifyやBubbleのようなSaaSなどを使うことでノーコード、ローコードでユーザーに提供したい体験を提供するアプリケーションを開発することができます。
    ですが、その選定によって、今後成長を目指したときに技術的な負債となることや選んだSaaSでは実現できない体験が発生してしまうので、アーキテクチャ設計やその選定に注意をしなければいけません。
    また、ユーザーの体験ではなく、SaaSであればそのサービスの提供自体が終了するリスクや、運用コスト、オペレーションの負荷などビジネス的な視点での選定も重要になってきます。

  3. IoTプロダクト開発
    IoTプロダクト開発は、ハードウェアとソフトウェア、並びにそれらをユーザーが操作するためのアプリケーション開発になるのですが、上に2つであげたことを組み合わせて考える必要があります。
    IoTプロダクトは、ハードウェアを作ってからでないとソフトウェアを実装することができなく、ソフトウェアを実装したハードウェアがあって初めてアプリケーションによって操作することができるので、段階的に確認しつつ、でも時間を有効活用するために、それぞれを同時並行的に開発を進め、単体での検証をしながら、徐々に結合しての検証を行っていく必要があります。

  4. 社内プロジェクト
    社内のメンバーで会社のメインとなる事業とは別の枠でのプロジェクトとなるため、通常のプロダクト開発のプロジェクトと比べて、メンバーが全員フルコミットではなく兼業で行なっていることや、スキルセットも参加したメンバーに依存し、理想的なスキルのバランスにならない場合もあるので、そこを考慮した上で進めていく必要があります。

以上のような形で意識する領域や、プロジェクトに大きく影響する部分が変わってくるので、そこは明確に意識を持って進めていく必要があります。

それぞれのプロジェクトの具体例やそれぞれどう進めていったかをあげるとキリがないので、興味がある人が多ければ、そこも今後書いてみたいですね。

プロセスの性質


プロジェクトのプロセスも会社としてのルールと開発の進め方として、分けられると考えてます。

社内におけるプロセスは、

  1. デザインレビュー
    デザインレビューは、品質・納期・コストなどの設計開発の条件をちゃんと満たしているのか、設計開発活動を担当する人だけでなく複数の人で判断し、進めるために関係者でレビューすること

  2. ステージゲート(会社によっては呼び名はまちまち)
    技術開発・製品開発を事業として成功させるための検討プロセスであり、ステージ(企画・製品開発)とゲート(判断基準)をもとに、大きな投資を行う前に撤退を決断することで、より採算性の高いテーマを進めていくこと

があり、社内メンバーの関わり方と、プロダクトを作ることのマイルストーンとは別に、社内で共有・承認するために途中経過をまとめる必要のあるマイルストーンとして意識する必要があります。ここも重要なポイントで、これによってメンバーのアサインや、予算の承認なども発生するため、プロジェクトとして把握しておかなければいけません。

開発の進め方は、

  1. ウォータフォール開発
    プロダクト(≒価値)を構想し、マーケットリサーチ等を通じてニーズを確認して設計書や仕様書を作成し、プロダクトを開発・リリースする

  2. アジャイル開発
    仕様が固まっていない段階でより良いプロダクト・ソフトウェアを素早く、効率良く、小さなサイクルで機能単位毎やプロトタイプを開発・リリースし、市場や顧客からのフィードバックを元にブラッシュアップしていくやり方

があり、途中経過の中で仕様を明確にするべきか、機能を最小限に見定めることで決めるべき仕様の量を少なくするなど、何をどのくらいのレベルで用意するのかに影響してきます。
特に、それは顧客にとってMustなのか、Wantなのかを見極めかれば、開発する必要のある機能が膨大に膨らんでしまい、リリースの日がだんだん遠くなってしまうので、スタートアップや予算が少ないプロジェクトにおいてスケジュールの先送りは致命的になりかねないので、そこの見極めは非常に重要になります。

こういったプロセスにおける抑えるべきポイントを明確にすることによって、今何を成し遂げなければいけないかの目的を整理することができます。

マイルストーンが重要

ここが今回のメインで話したい部分なのですが、
多くのプロジェクトを掛け持ちしながら進めていった中で、重要だと感じたのは、今までのプロジェクトとプロセスの性質を知った上で、今何が必要なのか、目的を明確にして、そこにおけるアウトプットを作り、動かしてはいけない重要なスケジュールのポイントであるマイルストーンを把握するということでした。
それが、クリティカルパスを見極め、極限までに必要のないことを排除していった結果です。
スケジュールやコストに影響のあるマイルストーンは常に明確にすることで、細かいスケジュールの柔軟性を保っていました。

マイルストーンを意識した上で、着実に進めていくためにプロセスの中で意識しているアウトプットのポイントは以下の5つです。

  • 目的

  • ステータス

  • クオリティ

  • 期限

  • 不可欠性

ポイント、ポイントにおけるアウトプットは、何を達成したいのか目的を明確にした上で、それがどういった意味合いを持つのか、検討中か確定した情報なのかのステータス、クオリティとしてどんな水準であるべきか、期限としてどれくらいの期間で作り上げる必要があり、それは本当に必要であり、もっと簡易的なやり方や代替手段はないかを考えています。

プロセスの中では、アウトプットされるべきドキュメントなどが名称だけでリスト化されることが多いのですが、アウトプットは作って終わりではなく、それがそれを必要とするメンバーの手に渡って初めて価値を発揮するので、メンバーがその後に仕事や役割を発揮する上で必要なことを見極める必要があります。

それはスキルセットの違うメンバーに渡すものとして、理解でき、価値ある状態にするために何をどこまで見える化し、具体的な言語化をするかに関わってくるので、対話もある程度重要になってきます。そこの動きとしていい形で発揮されるのはアジャイル開発の1つの手法であるスクラム開発があります。
プロジェクト・プロダクトにおける共通認識で全員で持つことを目指しているため、担当者が順にバトンパスするようなウォーターフォールの進め方よりもドキュメントも最小限に抑えられたりします。

情報の管理を最大限効率化するためにツールを使い倒す

ここまではプロジェクトを進めるためにはどういうことを意識すればいいのかの内容でしたが、ただ意識するだけでなく、それを効率的に実行しなければいけません。
その上で、ここに挙げているようなツールを使いこなすことで、途中アウトプットの労力を減らすことができます。

ここで各ツールをどのように使っているかの説明をしても、それもまた長くなってしまうので、ポイントだけお話しすると、大きく働き方が変わったポイントは「miro」で思考のプロセスを途中経過を見える化しながら進められことは、議事録でまとめるというよりも、言語だけでなく、時にビジュアルも含めて情報をまとめていけるので、議事録をまとめる時間もそんなになく、ミーティングとミーティングの時間が空いても、前回のミーティングの続きのような形で進めることができました。

このやり方はデザイン思考で有名なIDEOの方とプロジェクトを一緒にやった時も同じ感じであり、その時はリアルな環境として、白いボードに付箋やイラストを貼って、思考のプロセスを保ちながらプロジェクトの進行をしていました。

価値とは何か

ここで価値という言葉の定義を改めて見てみると

価値(かち)とは、あるものを他のものよりも上位に位置づける理由となる性質、人間の肉体的、精神的欲求を満たす性質、あるいは真・善・美・愛あるいは仁など人間社会の存続にとってプラスの普遍性をもつと考えられる概念の総称。

殆どの場合、物事の持つ、目的の実現に役に立つ性質、もしくは重要な性質や程度を指す。何に価値があり、何には価値がない、とするひとりひとりのうちにある判断の体系を価値観と言う。

ウィキペディア(Wikipedia)- 価値より

とあります。

価値とは、アウトプットしたものが人の元にたどり着いたときに、役に立たなくてはいけないものであり、役に立たないものを作成するということは、いくら一生懸命作ったとしても、貴重な時間を使ってゴミを作っているということに他なりません。

目的が重要

ということで、プロジェクトを進める中で意識していったことは、途中途中でやらなくてはいけないこと、作らなくてはいけないドキュメントなどの目的を明確にし、必要ないものに時間をかけない、作らないということでした。
よくリーンスタートアップにおいてMVP(Minimum Viable Product)「ユーザーに必要最小限の価値を提供できるプロダクト」を用いられていますが、プロジェクトを進める中で、自分のアウトプットがメンバーやステークホルダーの手に渡る以上、それも1つの自分が生み出す価値のあるものとしてMVPならぬ、MVD(Minimum Viable Document)を作ることを目指していく必要があるのかなと思います。

最後に

自分自身も価値ある存在でありたいと考え始めて、大学から自分としての価値を意識して今までいろいろなワークをしてきたわけですが、今所属しているSun*における、

誰もが価値創造に夢中になれる世界
Create a world where everyone has the freedom to make awesome things that matter.

Sun* Vision

本気で課題に挑む人たちと、事業を通して社会にポジティブなアップデートを仕掛けていくこと
Create radical products and businesses with people who actually care about what they do

Sun* MIssion

この2つの考え方はまさに自分が目指す究極な姿であり、おそらく働く人が意識していく必要のあることなのかなと思います。

今も多くのクライアントの方とご一緒させていただくわけですが、自分がジョインすることの価値とそれによって生み出されるプロダクトの価値はこれからも創り上げていきたいなと思います。

それはSun*メンバー全員が胸に秘めていることだと思うので、一緒に価値創造を進めてくれる方も、一緒に社会にポジティブなアップデートを仕掛けるための事業を進めていきたい方も、興味を持ったらお声がけください!

Sun*が事業戦略やUI・UIデザインだけでなく、アプリケーションの開発まで、さらにはその先のマーケティングの支援もしている理由として、創りたいプロダクトのコンセプトやイメージを作るだけでは、それは価値にならず、人の手に渡って初めて価値となるので、開発そして、創ったプロダクトがより良いものになることを一緒に進めているからですね

Sun*のSun* Advent Calendar 2022の最後を締める記事ということで、最後は宣伝っぽくなってしまいましたが、これからも面白い・楽しいと思える"価値ある"ことをガンガンやっていきたいと思います!

メリークリスマス!
そして
みなさま、良いお年を!

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