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大人数での会話が苦手!賞レースのコメントから僕が気づいた意識すべき3つのポイント。

こんにちは。

すっかり春のような気温になり、街は賑やかさを取り戻しつつあります。
お花見や飲み会などで、人と会う機会もたくさんあるでしょう。

この記事は、「大人数での会話が苦手」「どうやって振る舞っていいかわからない」と思っている方に、面白く読んでいただけるかもしれません。

コミュニケーションに悩んだ私が見つけた、意識していることをまとめました。

大人数になると話すことができない

実は、集団になると、途端に会話ができなくなることがありました。
なにか特別なことを言わなくてはならない、みたいな脅迫観念が生まれるのです。

仕事の会議や打ち合わせで、自分が進行しなくてはならない場合は、特定の役割を与えられていたなら話すことはできるのですが、雑談や飲み会など、大人数で会話をしなくてはならないとき、何を話していいかわからない経験があります。

「いま、発言していいんだっけ?」「今、話題変えるのって変化かな?」など、思考と言葉で頭がいっぱいになっているうちに、話題は川の流れのように、どんどん流れていきます。そして、無理やり言葉を紡いでしまうと、「なんであんなこと言っちゃったんだろう」と、帰り道で後悔するのです。

僕は「話が面白くなれば、仕事がもらえるかもしれない」と思い、テレビ番組の「ひな壇」や「平場」というものを見て、同じようなこと実践していきた過去があります。それによって、話はうまくなりましたが、集団になったときの会話の役割というものに、とても苦しんでいました。

僕は、自分が進行ができる役割にいる場合は、話題を振ったり、誰かの話を聞き出すなど、比較的容易にすることができました。得意だったんだと思います。

しかし、自分より優れた進行役がいる場合や、それを別の人が担っていた場合は自分のポジションがなく、困ってしまうのです。自分は何を発言したらいいんだろう、と。

たとえば、漫才には「ボケ」と「ツッコミ」があります。
「ボケ」とは、見ている側が明らかにわかるような間違いや勘違いをして、笑いをさそう役割のことです。そして、「ツッコミ」とは、その間違いを訂正する役割です。そんな二人の役割が成立しているからこそ、見ている側も楽しく見れると思います。

三人以上の漫才が難しいと言われているのですが、この"三人目"がどういう役割をするのかが難しいと言われています。ボケとツッコミで、既に成立している会話にどういう役割をもって参加するのか。

つまり、僕が得意な進行するという役割を、さらにうまく進行できる人がその集団にいたら、僕は黙っていることしかできなくなる、ということです。

しかし、どうやったら楽しませることができるのかを考えていた僕は、この集団にはいないポジションである、「天然キャラ」や「自虐キャラ」など、空いているポジションを演じつつ、会話に参加して会を盛り上げることはできました。

だけど、その帰り道、「消費させられている」と感じた僕は、何か他に方法がないのか、考えはじめました。

キャラクターの演出ではなく、話の展開の演出

人と会話するときに、どこか演じてしまっているという意見を聞くことがありました。しかし、僕は思うのです。必要なのは、キャラクターの演出ではなく、話の展開の演出です。

昨今、M-1グランプリをはじめ、現在、様々なお笑い賞レースがあります。賞レースが増えるとチャンピオンも増えますが、それと同時に審査として参加する人も増えます。

ある日、ある賞レースの審査員のコメントに目が止まりました。

「設定」は面白いし、「キャラクター」も良い。
だけど、後半に「展開」がなくて、もったいなかった。

「設定」とは、笑いどころのある題材のことです。
たとえば、さらば青春の光のネタで「長年パワースポットの警備員のバイトをしている人が全然幸せになれていない」というネタがあります。

このネタは、パワースポットに訪れれば、幸せになるという共通認識がある中で、その近くにずっといる警備員が幸せになっていないというところに、笑いどころがあります。

「キャラクター」とは、笑いどころのある人物のことです。
志村けんが演じていた「バカ殿」や「変なおじさん」などをイメージしていただくといいと思います。

どんな場面であっても、その人がいるだけで笑いになってしまう要素です。ある意味、見ている側の心を掴んでしまえば何をしても笑ってしまう、無敵な要素です。

「展開」とは、変化のことです。

審査員がよく言う「もう少し笑いの初速がほしかった」や、「同じテンションがずっと続いていたので、もっと加速してほしかった」や「違う話題に行くんじゃないかと思ってみてたけど、そのまま持続しちゃったね」などは、展開のことを指しています。

この、「設定」「キャラクター」「展開」の3つの要素のうち「展開」が、集団での会話でも役に立ちます。

「初速」の展開を意識する

先ほどの審査員のコメントの中にあった「初速」「加速」「持続」は、集団での会話の中で意識すると、自分がいますべき話題のふり方がわかるようになります。

ちなみに、「初速」を担うことは、とてもえらいです。車も走り出しに一番エネルギーが必要なのです。しかし、一度走りだしてしまえば、その後の展開もスムーズになります。

少し想像してみてほしいのです。

・カラオケボックスに入っても、誰も歌い出さない
・オフィスに出社しても、誰も挨拶をしない
・講演会で「質問はありますか?」と聞いたとき、誰も手をあげない

そんな地獄みたいな空気を打ち破ってくれるのが、「初速」の役割です。

「私なんて、一番はじめを務めるキャラじゃないんで」という人もいますが、大事なのはキャラクターではなく、展開です。むしろ、その展開を担うことで、キャラクターがついてきます。

「初速」を出すことで、意識してほしいことがあります。
それは、次への展開のハードルを下げることです。

たとえば、カラオケの一曲目って、とても歌いづらいですよね。誰もが嫌がるカラオケの一曲目を素早く歌うことで、「初速」が生まれます。

「私なんて、うまくないのに一曲目歌うなんて・・・」なんて思うかもしれませんが、むしろ、下手なくらいがいいと思っています。なぜなら、ハードルを下げることで、その後に歌う人が歌いやすくなります。

歌うのが苦手だと思う人こそ、一番はじめに歌うだけで、空気をつくることができます。

講演会の質問も同様に、「質問ありますか?」の合図ととも、手をあげてくれる人は、本当に助かります。そして、その一番はじめの質問内容は、それほど難しいものでなくても大丈夫なんです。なぜなら、質問内容のハードルを下げることで、その後に質問する人も、手をあげやすくなります。

普通の会話でも、「なにかうまいこと言わないといけない」なんて考えなくていいです。田中みな実が編み出したワード「したしきなか」をイメージして、簡単な話題からはじめてみましょう。(仕事・旅・趣味・気候・仲間・家族)の頭文字で、したしきなか)
中身がない話題であればあるほど、相手も返しやすく展開がしやすいです。

ちなみ、人がせっかく「初速」を出してくれたのに、それを無下にするようなことを言う人がいます。

「一番はじめに歌う曲はそれじゃないでしょ」とか、「もっといい質問をしてほしかったね」とか、絶対に言ってはいけません。

繰り返しますが、「初速」を担うことは、とてもえらいです。絶対にえらい。空気を作り出してくれた人は、ほんとうにえらいです。

「加速」の展開を意識する

「初速」に成功したら、次は「加速」です。

せっかく動き出した空気を無駄にするのはもったいないです。すかさず、話題を「加速」させましょう。

先ほどのケースで、具体的をあげてみます。

・カラオケで一曲目が終わったら、すかさずに二曲目をいれる。
・誰かが挨拶したら、オフィス内に響くように挨拶を返す。
・講演会で、一人目の質問が終わったら、すかさず手をあげる。

「初速」をつくってくれた人の波に乗っかりましょう。

そして、普通の会話でも、「初速」では、中身がない話題であればあるほど、相手が返しやすくなると説明しましたが、「加速」ではほんの少し踏み込んだ話題を振っていきます。

先ほどの「したしきなか」にあった、気候を切り口から話題を展開させていた場合、その単語から、連想できる話題に変化させていきます。

たとえば、Aさんが、「今日、あたたかいですね」 と話題にあげてくれたとします。話題の「初速」をつくってくれたわけです。そのとき、「あたたかいですよね」と、答えるのも、もちろん良いのですが、せっかく「初速」を作ってくれたので、「加速」させましょう。以下、例です。

A「今日、あたたかいですね」
B「何着ていいか迷いませんか?」
 「どこか行きたいところとかあります?」
 「日焼け止めとか使ってますか?」

などなど、会話を展開させていきます。

もし、「加速」フェーズに展開しなかった場合、もう一度、「初速」からやり直しことになります。そうすると、再度、エネルギーを使ってやり直すことになってしまうので、話題の波に乗りましょう。

「持続」の展開を意識する

「加速」に成功したら、次は「持続」です。

しかし、この「持続」が自分ひとりでは難しいです。もし、ひとつの話題から連想して話題を広げた経験のある人はわかるかもしれないのですが、結構しんどいです。息切れしていまいます。

そこで、大人数が参加しているという特性を使い、新しく人に参加してもらうということを意識してみましょう。

先ほどのケースで、具体的をあげてみます。

・カラオケで、「ミスチル歌ってよ」など、人にお願いする。
・「部長が来たから、挨拶してきて」と、人にお願いする。
・質問してほしいことをまとめて人にお願いする

などなど、周りを巻き込んでいきます。

このとき、注意しなくてはならないのは、無茶ぶりをしないことです。
あくまで、お願いする人の能力の範囲内でお願いするのがベストです。

普段歌わない人に歌わせるなど、ハードルを上げるようなことはしてはいけないです。

そして、普通の会話でも、「加速」した話題も、いつかは息切れを起こしてしまいます。そのタイミングで、人に声をかけて、今話していた話題に参加してもらうなどして、人と介して話題を広げつつ、話題を持続させていきます。

もし、近くにいる人が話を聞いてくれなかったときは、遠くの人に話しかけてみましょう。対角線であればあるほど、場全体が盛り上がっているような演出ができます。

自分一人が起こした話題や空気感を維持するために、多くの人に参加してもらい、少しずつ負担をしてもらうイメージです。

これらを続けることで、大人数の中で、孤立している人もすくい上げることができまし、自分もうまく話題のビッグウェーブに乗れていることでしょう。

繰り返しますが、「なにかうまいこと言わないといけない」なんて考えなくていいです。よく、「オチは?」とか「◯◯からの〜」など、相手に負担をかけるコミュニケーションを強いる人が、ときどきいます。

そもそも、そういうコミュニケーションが好きな人は、短期的なつながりを求めている人が多いように思います。自分の大切なものが消耗される前に、離れることをおすすめします。

それでも、もし関わらなければならない場合、「いや、コンビニにオチ売ってなかったんですよ」や「オウム返しする」など返し方を用意しておきましょう。

また、長期的にその人と関わりたいのならば、負担を強いるコミュニケーションを避けましょう。

さいごに

大人数で会話する機会になったとき、知らずに、2人〜4人くらいで話し込んでいる人を多くみかけます。たくさん人がいるのに、見えないボックス席に座らされてるような気分になります。

正直、座る席で、すべてが決まります。

もし、座る位置をコントロールできるのであれば、よく話す人二人は、角の対角線上に座ってもらうと、場が盛り上がっているように感じます。

よく話す人をくっつけると、そこだけ盛り上がってしまい、他の人は、そんな二人を眺めて終わることもあると思います。

自然と会話が回遊するためには、どこに座ってもらったらいいのか、どこに居てもらったらいいのか、など考えることで、すべての人に気持ちよく会話を楽しんでもらえるかもしれません。

おしまい。

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