【必読】亡き父が教えてくれた本当の親孝行 ~大切にすべき3つのポイント~
「親孝行」
「親孝行」と聞くと、あなたは何を想像しますか?
・海外旅行に連れていってあげる
・欲しいものを買ってあげる
・孫の姿を見せてあげる
人それぞれの親孝行のカタチがあると思います。
私も上記のようなことが「親孝行」だと思っていました。
しかしながら
私はある原体験から
「親孝行」についての価値観や考え方が180°変わりました。
私の原体験を元にしてお伝えすることは
恐縮ですが
この記事を読むことで
「後悔のない親孝行ができる人が増えること」を願いを込めて
書き綴っていきます。
よりリアリティを伝えるために、ディープな内容が書かれています。
・個人的なストーリーには興味がない
・「死」や「病」についての内容が苦手だ
・「何を大切にしたらいいか」が簡潔に知りたい方
上記の方は目次の
【▼大切にして欲しい3つのポイント】
から見ていただけたら幸いです。
この記事が少しでもお役に立てることを願っています。
▼悲報は突然に・・・
2015年11月1日。
今から約4年半前の出来事です。
約10数年ぶりに、父方のいとこから入電がありました。
開口一番、全身に稲妻が走ったような衝撃を受けたことを覚えています。
「久しぶり・・・本当に言いにくいけど・・・
お父さん、癌だって。早く会いに行った方がいいよ。」
耳を疑いました。
何度も「どういうこと?どういう状況?」と繰り返し質問していたのを覚えています。
頭の中が真っ白になって、冷や汗が止まりませんでした。
電話を切ってすぐに父に電話をしました。
「いとこから話は聞いた。どういう状況か教えて欲しい。」
と言うと
父はあえて気丈に振る舞った様子で
「大丈夫!大した事がない。癌が見つかっただけだ。」
と口にしました。
肺癌と診断されました。
よくよく聞いてみると
定期検診は受けていたものの
一年前から咳が止まらなかったそうです。
大した事ない。とその病状を放置していたようです。
電話を切った後に、恐ろしいほどの焦りを感じました。
全く頭が回らず、全身から力が抜けてしまいました。
身体のどこにも力が入らない状況が少しばかり続きました。
ただ、報告を聞いた直後に
たまたま妹と会う予定がありました。
「妹にも説明をしないといけない」
兄としての責任感。
それが冷静さを保つことができた、せめてもの救いでした。
できるだけ感情を抑えて、冷静に。
息を大きく吸い込んで
落ち着いた口調で妹に父の状況の説明をしました。
今でもその状況、妹の表情を覚えています。
妹は
溢れる涙を抑えることができず、泣き崩れていました。
私には
励ます言葉なんて、当然見つかりません。
時間が経つまで寄り添うことしかできませんでした。
▼父との背景
「なぜ、父親から直接、連絡がこなかったのか」
「いとこからの連絡だったのか」
と疑問を持たれる方もいると思うので、背景を説明します。
私の両親は、私が小学5年生の時に離婚をしています。
私と妹は母に引き取ってもらい、
女手一つで育ててもらいました。
離婚後は思春期ということもあって、会う事が小っ恥ずかしく。
「会う理由がない!」と言い張っていました。
父に会うことを拒んでいたことを記憶しています。
その結果
父と会って話したのは
離婚後の10年の内に3、4回しかありませんでした。
だからこそ、私と父の間には約10年間の空白の時間がありました。
▼空白の時間を埋めるために
父が癌と診断された直後。
大きな病院に入院しました。
すぐにお見舞いへ。
妹と時間を合わせ病院に行きました。
そしたら
とても元気そうな父親がいました。
父は
「ほんまに大したことがない!すぐに治るで!」
と笑顔で口にするのです。
内心ほっとした自分がいました。
しかしながら
その後何度も入退院を繰り返しました。
日に日に父の病状、体調が悪くなっていくのが、目に見えていました。
父は
子供に心配をかけたくないと
一生懸命無理をしていました。
元気に振る舞っていました。
父が無理をしている姿も
日が経つごとに、気づいていきます。察してしまいます。
最初は歩いて、歓談スペースに移動していました。
自分の足で歩けなくなり、車椅子で移動しました。
ベットから起きるとしんどくなり、ベットに座って話していました。
面会時間も長時間いると、しんどくなります。
できるだけ時間を短縮して、会う頻度を増やしました。
私は父の闘病中の全ての時間を通院に使い
父との空白の時間を埋めることに一生懸命でした。
▼父がもし亡くなるとしたら何を後悔するか?
「父が亡くなる」という事実。
縁起でもない。考えたくもないこと。でした。
しかしながら、否が応でも考えてしまっていました。
私は弱い人間です。
希望だけを胸にすること。
絶対治るということを信じて、父と向き合うことができませんでした。
「父がもし亡くなるとしたら何を後悔するか?」
「後悔しないためにどうしたらいいか?」
ずっとこのことばかりを考えていました。
だからこそ父との時間を大切にしました。
「時間は命である。」
父の命から教えてもらいました。
その限りある命を大切にするために
父とたくさんの対話をしました。
きっと聞かないと後悔することを
たくさん聞かせてもらいました。
「どうして優介と言う名前にしたの?」
「産まれてきた時、どんな気持ちだった?」
「母との出会いは?」
「どうして会社を設立したの?」
「会社の名前の由来は?」
「今の仕事のやりがいは?」
日常的にこういった会話はしないと思います。
なかなかできない質問だと思います。
「後悔したくない」
その一心で
恥ずかしくて聞けない話もたくさん聞きました。
もちろん私の話もたくさんしました。
父に聞いておきたいことの全て。
聞かないと後悔することの全てを聞きました。
「10年間の空白を埋めるために必死だった」のです。
ただ一つだけ
どれだけ話しても埋まらない感覚がありました。
心が満たされない感覚
心に何か違和感が残っている感覚
文字通り、「心残り」なことがありました。
それは
何一つ
「親孝行」をできていないということ
でした。
▼本当の親孝行ってなんだろう
私は生まれてから、父と再会するまで
父に対して
「親孝行」ということを一切しておりませんでした。
唯一、とてもとても大きな心残りでした。
このまま親孝行ができなかったとしたら
一生後悔することを確信していました。
だからこそ「親孝行がしたい」
と強く感じていました。
そう感じてしまったら、すぐに行動するしかありません。
父に「親孝行」について対話する機会を作りました。
私は父に
「親孝行がしたいと思っている。欲しいものはないか?」
「行きたい場所はないか?」と聞きました。
父は「一切ない」と答えるのです。
何もないのは困る。率直に親孝行がしたい。
「どうしたら親孝行ができるのか?教えて欲しい!」と懇願しました。
そしたら父は
私の目をじっと、強く見つめ一言こう言いました。
「俺にとっての親孝行とは、お前が幸せに生きることだ」
それが親孝行だ。
付け加えるなら、
「大切な人を大切にし、一緒に幸せに生きること」
「その幸せな姿をずっと見させて欲しい」
とても重たい言葉でした。
言葉をもらった直後
涙が止まりませんでした。
癌と診断されてから、父の前では絶対に涙を見せない。
と決めて、必死に堪えてきました。
しかしながら
一度溢れた涙は止まることなく、流れ続けました。
▼それからの生き方
この父にもらった言葉をきっかけに
私の人生で大切にする価値観は大きく変わりました。
それからの生き方は
いつどんな時でも「親孝行ができている」を基準に生きています。
つまりは
「親孝行ができている状態 」
=
「 胸を張っていれる幸せだと言える状態」
と定義しています。
だからこそ、以下のようなことをひたすらに考えています。
「自分にとっての幸せは何か?」
「何があれば心が満たされるのか?」
「人生をどうしていきたいのか?」
「やり残したことがあったとしても
後悔しない生き方ができているか?」
幸せについて、こだわって生きています。
そのこだわりは3つの根源からきています。
・父に親孝行をしたい気持ち
・人生を大切な人と豊かにする
・命はいつ失くなるかわからない
ちなみに母にも「親孝行」について、話を聞いてみました。
そしたら
「あんたが幸せでいたらそれが一番!」
「ハワイも行きたいなあ〜(笑)」
と言っていました。
母親らしい答えです。(笑)
改めて感じることは
やはり親は、子供の幸せを見るのが一番なんだな〜
と感じました。
今までもらってきた
無性の愛を返す方法は
「自分の幸せな姿を見せることなんだろうな」
と確信しました
▼大切にして欲しい3つのポイント
親孝行について考えている人に伝えたかったことは
以下の3つポイントです。
① 「親孝行」の定義のすり合わせる
② 自分自身が「幸せな姿」を親に見せる
③ 「命はいつ失くなるかわからないこと」を胸に刻む
たくさん伝えたいことがあるのですが
この3つに絞らせていただきました。
① 「親孝行」の定義のすり合わせる
あなたが思っている親孝行と親の思っている親孝行の定義が違うことがたくさんあります。
親孝行をしたいと思っているのであれば、
「親孝行とは何か?」
一度聞いてみてください。
あなたが一生かけて追い求めていた答えと違う可能性があります。
恥ずかしさもあるかもしれませんが、勇気を持って聞いてみてください。
② 自分自身が「幸せな姿」を親に見せる
「あなたは今幸せですか?」
仮に親にこの質問をされたとしたら、心配をかけないように
「幸せだよ!心配しないで!」と言っていませんか?
親はきっとあなたの本心を見抜いていると思います。
腹の底から
胸を張って「幸せ」と言える状態で入れることを願っています。
③ 「命はいつ失くなるかわからないこと」を胸に刻む
命はいつ失くなるかわかりません。
それを身に染みて感じました。
「また次の機会に」と先延ばしにしてしまうと
その次の機会がないこともあります。
大切な人が元気な間に
後悔ない時間を過ごしてもらえたら幸いでございます。
上記が
「親孝行」を考える上で大切にすべき3つのポイントです。
もちろん他の考えがたくさんあることも承知しています。
しかしながら
この3つのポイントを考え、行動していただきたき
後悔のない、より良い時間を過ごしていただければ幸いです。
▼あとがき
今まで書いた記事の中で最も手が進まなかったです。
時には思い出し、涙が溢れ画面が見えなくなりました。
言いたいことが上手く伝わらない。
自分語りをしているようで、何か気持ち悪い。
と何度も諦めそうになりました。
しかしながら
最後まで書き切れたのは
父の死を無駄にしたくない
この経験を活かしてもらえる人を増やしたい
後悔のない親孝行ができる人が増えて欲しい
という強い想いで文章を書き綴りました。
不幸中の幸いにも
父は癌と診断されてから、天国に旅立つまで
7ヶ月の時間がありました。
みなさまが想像できないくらい、たくさんの対話をしました。
こんなにも父と向き合って話せたことを
今となれば有り難く思います。
父の生き様を知れたことを誇りに感じます。
この世に私を誕生させてくれたことに感謝しています。
この記事を読んで
「後悔のない親孝行ができる人が増えること」を
心から願っております。
こんな拙い文章にお付き合いをいただけたことに感謝申し上げます。
これからの皆さまの人生がより良くなることを願っています!
株式会社アイデンティティベース
岡村 優介
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