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ジャングルの王子さまトート

先日、「手塚治虫全巻チャンネル【某】」さんで紹介されていたniko and…(ニコアンド)のジャングル大帝グッズ。とても気になったので、連休中に足を運んだ。

ちなみにわたしは手塚治虫全巻チャンネルさんのメイン視聴者層である40代後半男性。ニコアンドさんのメインターゲット外。”niko and…”の店名を見ると、いつも頭のなかで「ニコアンド…”3個”?」なんてくだらないことを考えていたりする、どうしようもないオッサンだったりする。

それでも、わたしはニコアンドさんのちょっとレトロでカジュアルな北米テイストが気にいっていて、これまでアパレルやインテリア小物などの雑貨をいくつか買っている。正直にいえば、このブランドのターゲットが20〜30代だということは意識したことがない。ただ感性の琴線に触れるものが目につけば、ふらふらと寄ってゆき、たまに財布の中身と相談する・・という感じのつきあいだ。

古き良きアメリカのダイナーにある合皮の長椅子、棚に置かれた自動車の模型、それから丸みのあるジュークボックス。遅れて来たポップカルチャー感。いっぽうで、最近のブルックリンの飲食店にありそうな都会的で洗練された素朴さ。ニコアンドさんのアイテムには昨今のアメリカ的な肩肘張らない雰囲気が融合しているような気がする。ちょっと手もとに置いておきたくなるものがおおい。

古き良きアメリカの雰囲気は、初期の手塚漫画にもただよっている。手塚氏本人が認めているように、ディズニーの影響をもろに受けた丸みのあるキャラクターとスピーディな展開。当時の丸っこい手塚タッチは、後続の漫画家への影響もとてつもなかった。しかし手塚治虫以上にあのアメリカっぽさを表現できた日本人はいない。映画館のそばに宿をとってバンビを130回以上観賞したという。そんな人物はおそらくほかにはひとりもいないだろう。

アフリカを舞台にした『ジャングル大帝』では、ヒトと動物のあいだにたつレオの葛藤をとおして、伝統維持と近代化、人間の欲深さなど、ふかく考えさせるテーマが描かれている。

『ジャングル大帝』が発表されたのはいまから70年以上も前。執筆当時の手塚治虫はまだ医学生だった。このあと何十年も手塚治虫が描きつづける自然と生命への讃歌を思えば、手塚作品の出発点にちかい傑作だと思う。

昨年の2月に書いたけど、『ガラスの地球を救え』に込められたメッセージの数々は、現代もとても説得力がある。いや、いまだからこその説得力かもしれない。

・・・つい力が入ってしまった。

手塚メッセージにもある自然との共存は、もちろん環境保護活動にリンクしている。これも現代のニューヨーク・スタイルに通じる思想で、ニコアンドのラインナップにも共通している。

そんなニコアンドさんの手塚グッズである。しかもジャングル大帝とのコラボレーション。

ブランドの公式サイトを見ると、4月22日付けでコラボ企画のページがアップロードされている(アースデイにあわせた更新なのは意図的か?!)。

グッズに多用されている英語のJUNGLE EMPERORのロゴ。これがまた先に書いた”古き良きアメリカ感”を醸していて、ブランドとの相性の良さを実感する。

わたしがこのたび購入したのはベージュのトートバッグ。両面にジャングル大帝のページがそのままプリントされたつくりになっている。

人間社会から故郷のアフリカにもどった(船上で生まれたので「もどった」はおかしいのだけど)レオをジャングルの動物たちが歓迎する場面。レオはジャングルの王様パンジャの息子なので、王子さまと呼ばれている。このシーンの群像表現もとっても手塚的で好きだ。

このnoteを書いていて、見出し画像につかうためにトートバッグの写真を撮った。それで気がついたのだけど、商品タグがステッカーになっていた(捨てなくて良かった!)。タグの絵は講談社の手塚治虫漫画全集の表紙のもの。400冊ある全集の、いちばん最初がこのジャングル大帝。キャリアの初期にすでにこの傑作が世に出ていた事実。あらためてその凄さを感じる。

せっかくなので、ジャングル大帝について、手塚治虫全巻チャンネル【某】さんの解説を2本ご紹介。ファンとしての熱量と洞察には敬服するばかりです。

そして手塚治虫公式WEBサイトのほうも。

ニコアンドさんのジャングル大帝グッズ、このプリントトートバッグのとおり、どのグッズもほとんどデフォルメされていない。オリジナルの良さをそのまま活かそうというデザインに、手塚作品への敬意と愛情が感じられて、ファンとしてとても嬉しい。

このコラボグッズ、夏につかえるものがおおい。いつまで売られるのかわからないし、定番商品化されるものがあるかどうかもわからない。もういくつか、買っておこうかな・・・と思いはじめた。

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