第211回国会の召集に際し国会議員がなすべきことは何かを考える

本日第211回国会が召集されました。会期は今年6月21日(水)までの150日間の予定です。

日本国内だけでなく国際社会も既存の枠組みや秩序が動揺し、あるいはこれまでの知見が通用しなくなる場面が多くなるなど、先行きの見通しに予断を許さない状況が続いているのが現状です。

こうした中で、日本に住む人々の福利を増進し、国家の利益を高めることは国民の選良としての国会議員に課せられた崇高であり、そして最も基本的な責務となります。

この時、政権党に求められるのは、国民の負託に応え、いかにして具体的な政策を通して諸問題を解決するかであり、反対党は、政権党が適切に国政を運営しているかを不断に検討し、必要に応じて政権党に反対し、課題を解決するための異なる政策を提起することです。

それとともに忘れてはならないのは、政権党であるか反対党であるかを問わず、党利党略、個利個略を優先して本来の務めを全うしないようなことがあってはならないという点です。

今年は統一地方選挙が行われ、5月にはG7広島サミットの開催が控えています。

現在衆議院では自民党が定員465議席中260議席を占めており、2025年10月の任期満了まで総選挙を行う必要性は乏しいと言えます。

しかし、過去6回にわたり日本はサミットの議長国を務めており、このうち4回のサミットでは閉幕後に衆議院の解散総選挙が行われています。

このような状況を考えれば、岸田文雄首相がサミット議長国としての自らの実績を誇示する形で衆議院の解散を行い、政権の求心力を高めようとしても不思議ではありません。

もしそうなれば、党派の違いを問わず、各党各会派は選挙という目の前の課題に気を奪われ、果たすべき役割を見失いかねません。

それだけに、今国会において、各党各会派が、あるいは一人ひとりの国会議員がどのように自らの役割を自覚し、適切に行動できるか、われわれ有権者は今後の動向に注視することが求められるのです。

<Executive Summary>
What Is an Important Role for the Diet Members? (Yusuke Suzumura)

The 211th Ordinary Diet Session starts on 23rd January 2023. On this occasion, we examine required attitude and activities for the Diet members as the elite.

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