菅義偉首相は「東京五輪の経験」をどのように東京パラリンピックに活かせるか

今日、国立競技場でパラリンピック東京大会の開会式が行われ、開幕します。

世界161の国、地域、難民選手団を合わせて、過去最多となる4403人の選手が参加する今大会[1]は、新型コロナウイルス感染症の感染の拡大という状況の中で開催される、これまで誰も経験したことのない大会となります。

8月8日(日)に閉幕したオリンピック東京大会は開催都市である東京都が緊急事態宣言の発令される中で挙行され、今回も新型コロナウイルス感染症の感染拡大が続く中での開催となります。

こうした状況の下では、選手や役員、報道関係者やその他の大会関係者に対する感染症対策が徹底されることは、大会を円滑に行うために不可欠となります。

また、大会に対応するために医療関係者や各自治体の保健当局の関係者が日夜最善を尽くそうと尽力していることも、論を待ちません。

一方で、「東京五輪の経験を生かして感染対策やセキュリティー対策を徹底する」という菅義偉首相の発言[2]はもっともながら、「五輪の経験」が何であったかという点を菅首相が自ら国内外に向けて説明したという情報は、寡聞にして知りません。

もし、菅首相の指摘する「東京五輪の経験」の内容が何を意味するのか、あるいはいかなる経験が得られたかが明らかにされなければ、「感染対策やセキュリティー対策を徹底する」という言葉は単なる政治上の宣伝に終わりかねないと危惧されるところです。

それだけに、政府の新型コロナウイルス感染症対策本部の本部長である菅首相を筆頭として、新型コロナウイルス感染症対策の基本的な方針を決める当局者には、言葉を飾ることなく適切な対応の実現に励むことが求められるのです。

[1]東京パラリンピック 過去最多の4403選手が参加. NHK NEWS WEB, 2021年8月24日, https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210824/k10013220161000.html (2021年8月24日閲覧).
[2]首相「共生社会の実現を世界に」 パラ開会式を前に. 日本経済新聞, 2021年8月24日, https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA243SI0U1A820C2000000/ (2021年8月24日閲覧).

<Executive Summary>
What Is an Important Way for Prime Minister Yoshihide Suga to Realise His Speech of the Preservation Measures of the COVID-19? (Yusuke Suzumura)

The Opening Ceremony of the Tokyo Paralympics holds today. In this occasion we require the government authorities to do their best for the preservation measures of the COVID-19.

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