TOKYO FM『こどもらじお』について思ったいくつかのこと

昨日は、11時30分から14時55分までエフエム東京で『こどもらじお』を聴取しました。

これは、エフエム東京の「ホリデースペシャル」の一環として放送されたもので、子どもも親も楽しめる番組として企画されたものです。司会はマンボウやしろさんと黒沢かずこさんでした。

番組の中では聴取中の小学生以下の皆さんと電話でやり取りし、「子どもの質問に大人が答える」とともに「大人の質問に子どもが答える」という取り組みなどが紹介されました。

生放送ということもあり、電話に出た小学生の名前の読み違えや性別の取り違えなどはあったものの、一人ひとりと丁寧に向き合い、時に励まし、時に共感する様子は大変に好ましいものでした。

司会者が主たる聴取者である幼児と児童とが対等の間柄で作り上げている良心的な番組であり、さらに幼児と児童だけでなく保護者やそれ以外の者の鑑賞にも耐えうる全世代型の番組であったNHKラジオ第一の『きこえタマゴ!』[1]が終了して以降、残念ながらこのようなラジオ番組は見当たらないのが実情です。

それだけに、番組中にマンボウやしろさんが「大人の理由で説明すると分かった気になるが、子どもが分かるように説明しようとすると難しい。これは、本当はちゃんと理由が分かっていないのではないか」という趣旨の発言をしたことは、実に意義深いものでした。

今回、『こどもらじお』は司会者と聴取者が対等に向かい合う番組であることが示されただけに、少なくとも来年以降もこどもの日の特集番組として放送されるとともに、可能であれば夏休みにも制作されることが願われるところです。

[1]鈴村裕輔, 惜別の『きこえタマゴ!』と期待される「エンジョイ・アゲイン」. 2019年3月30日, https://researchmap.jp/blogs/blog_entries/view/76353/f7198d9d893fb23f64dc4eceef3e16e6?frame_id=435622 (2021年5月6日閲覧).

<Executive Summary>
Miscellaneous Impressions of TOKYO FM's "Kodomo Radio" (Yusuke Suzumura)

TOKYO FM broadcasted a radio programme entitled "Kodomo Radio" (literally Radio for Children) on 5th May 2021. It was a remarkable programme to realise a collaboration between children and adult.

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?