「特別定額給付金のおしらせ」で思ったいくつかのこと

昨日、わが家に特別定額給付金の申請書が届きました。

封筒の表面の「特別定額給付金のおしらせ」という一行には振り仮名が付されるとともに英文で"Guide to Special Cash Payments"と記載されていること、裏面には中国語、韓国語、ヴェトナム語、英語など7か国語が記されていることなどは、特別定額給付金が基準日である2020年4月27日時点で、住民基本台帳に記録されている者であれば国籍を問わず受給権者となること[1]に対応した措置と言えるでしょう。

その一方で、申請用紙や説明書に記されているのが日本語のみであり、他の言語による説明等がなかったことは、事業の開始が決定されてから実施に移るまでの期間が十分でなく、多言語化に対応するための日程上のゆとりが不足していたとはいえ、日本語に堪能でない外国人などが申請の際に困難を覚えることが推察されるところです。

ところで、同封されていた「特別定額給付金のご案内」には「他の世帯の給付金の処理を優先しても構わない方は、返信用封筒の裏面にあるチェック欄にご記入をお願いします。」とありました。

すでに調査を行っている方がいるかもしれないものの、こうした措置を取っている自治体がどの程度あるのか、あるいは実際に他の世帯の給付金の処理を優先することに同意すると回答した世帯が実際に給付の申請を行った世帯のうちでどれくらいの割合を占めているかという点を検討すると、地方自治や行政学の上で興味深い知見が得られるのではないかと思われた次第です。

[1]特別定額給付金ポータルサイト. 総務省, 2020年5月1日, https://kyufukin.soumu.go.jp/ja-JP/index.html (2020年6月17日閲覧).

<Executive Summary>
Miscellaneous Impressions of the Guide to Special Cash Payments (Yusuke Suzumura)

The Guide to Special Cash Payments issued by the Municipal Government of the City of Nagoya arrived on 16 June 2020. In this occasoin I express miscellneous impressions on the guide.

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?