新代表となった泉健太氏は立憲民主党をどこへ導くべきか

本日、立憲民主党は枝野幸男代表の辞任を受けた代表選挙を行いました。今回の立候補者は泉健太、逢坂誠二、小川淳也、西村智奈美の4氏で、決選投票の結果泉氏が逢坂氏を破り、新しい代表に選出されました。任期は2024年9月末までです[1]。

2020年9月に行われた前回の代表選挙に立候補して枝野氏に敗れた泉氏だけに、今回の代表選挙に十分な態勢で臨んだことは想像に難くなく、ある意味で順当な結果であったと言えるでしょう。

その一方で、選挙戦を見る限り、泉氏を含む各候補に、代表として立憲民主党が衆議院の過半数を制し、単独で政権を獲得するという意思と意欲があるか不確かであったのも否みがたいところです。

むしろ、「野党共闘の継続か、日本維新の会との連携か」といった点が喧伝され、候補者がそれぞれ党の政策や運営の方針、あるいは目指すべき社会や国家の像を明確に示し、各点について真摯な議論を行わなかったことは、人々の注目の集まる代表選挙という機会を有効に活用しきれなかったと言えるでしょう[2]。

それだけに、泉氏に新たな代表として求められるのは、国政において空白となっている中道勢力の中心となるとともに、民主党や民進党などでは行われていたものの立憲民主党では見送られているいわゆる「影の内閣」を設置することで政策立案能力を高め、政権獲得への意欲を明示することです。

もしこうした点への取り組みを怠れば、泉氏を代表とする立憲民主党が有権者の信頼を獲得して党勢の拡大に転じることは決して容易ではないでしょ。

それだけに、今後、立憲民主党が空論を排し地道な取り組みを行えるか、注目されるところです。

[1]立民、新代表に泉健太氏 決選投票で逢坂氏下す. 日本経済新聞, 2021年11月30日, https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA301CG0Q1A131C2000000/ (2021年11月30日閲覧).
[2]鈴村裕輔, 「立憲民主党の代表選挙」で4人の候補者に求められるのは何か. 2021年11月27日, https://researchmap.jp/blogs/blog_entries/view/76353/f041df94559700984e57ca9ab3b04de7?frame_id=435622 (2021年11月30日閲覧).

<Executive Summary>
What Is Important Points for Mr. Kenta Izumi as the New Leader of the Constitutional Democratic Party of Japan? (Yusuke Suzumura)

Today the Constitutional Democratic Party of Japan (CDPJ) held the Presidential Election and Mr. Kenta Izumi, the Policy Affairs Research Council Chief, won the race and became the new leader. In this occasion we examine important point for Leader Izumi to manage the largest opposition party.

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