鬼龍院翔氏が定めたNHK FMの新番組『マイ・フェイバリット・アルバム』の基礎

今年4月1日(月)から、NHK FMの平日夜の時間帯はAM放送の停波を見据え、ラジオ第二放送の語学番組を放送するようになりました。

これを受け、23時台の番組は日本のポップス音楽を中心とする枠となっていたものが変更され、従来の番組は毎週水曜日の『THE ALFEE 終わらない夢』が日曜日の13時に移動したのを除き、全て終了しました。

その代わりに始まったのが22時30分から23時20分まで放送される、各界の著名人が5日間にわたり1日1枚ずつ気に入ったアルバムを紹介するという『マイ・フェイバリット・アルバム』です。

著名人が毎週交替で進行を務めるという点は新味があるものの、同様の趣旨や構成の番組は他局でも放送されているだけに、既存の番組を終了させてまで新番組として始める積極的な意義に乏しいと言えるものでした。

実際、放送開始当初は番組の趣旨が十分に活かされておらず、聴取者の関心を引き付けるには迫力に欠けるものでした。

ようやく武田真治さんが司会を担当した第3週目から各作品が自らの音楽作りや演奏活動に与えた影響が明瞭に示されるようになり、番組としての体裁が整ってきました。

そして、第4週を担当したゴールデンボンバーの鬼龍院翔さんに至り、番組としての水準が高まりました。

それぞれの作品がどのような状況にあった聞き手としての自分に伝わり、その後の創作活動や演奏活動にいかなる影響を与えたのかという点が細やかに紹介されるとともに、時代の雰囲気や音楽の歴史の展開とどのように関わるかを自らの視点に基づいて説明される鬼龍院さんの様子は、番組の特徴を形作ることに大きく貢献するものでした。

特に今日の放送で「洋楽と日本のポップスの違い」とその違いを踏まえた上で「日本の人たちに受け入れられる音楽であれば何も問題ない」という趣旨の内容を話されたことは「自分は自分のことをシンガーソングライターと思っている」という一言をふまえると、大変意義深いものでした。

いかなる番組も放送開始当初から優れた内容というわけではなく、成長のためにはある程度の期間を要するかも知れません。

その意味で、今週の鬼龍院翔さんは、『マイ・フェイバリット・アルバム』という番組の基礎を定める重要な役割を果たしたと言えるでしょう。

<Executive Summary>
Mr Sho Kiryuin and His Great Contribution to Form the Foundation of NHK FM's "My Favorite Album" (Yusuke Suzumura)

The new radio programme "My Favorite Album" started on the NHK FM on 1st April 2024. The disc jockey for the 4th week Mr Sho Kiryuin, a member of the GOLDEN BOMBER, made a great contribution to set the form of the programme.

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