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2024年度の外苑祭について思ういくつかのこと

去る8月31日(土)、9月1日(日)に行われた東京都立青山高等学校の文化祭である外苑祭の概況については、8月31日の本欄でご紹介した通りです[1]。

そこで、今回はその他の印象的な出来事について、3点を振り返りたいと思います。

最初に挙げるのは、体育館1階の入り口右横に設置された壁画です。

この壁画は美術部の皆さんが制作し、青山高校や国立競技場、あるいはいちょう並木など、明治神宮外苑地域の様子をあしらった内容となっています。

美術部の皆さんが外苑祭に際して何らかの制作を行い校内を装飾するのは2017年の第71回が最初であり、この時は校舎1階の階段に描いた絵を貼り付けました。

その後、2022年まで継続して行われた装飾が2年ぶりに形を変えて再び行われるようになったことは、学校の装飾の対象が増えただけでなく、こうした取り組みが新たな伝統行事として様々な形を取りながら続くことを推察させます。

第2点目が、各クラスの演目の多様化の進展です。

演目については例年通り従来からのいわゆる伝統的な演目が取り上げられる一方、映画や小説などに基づき、今回が初演となる作品も複数上演されていました。

もちろん、毎回新たな演目が取り上げられたり、蘇演されるのですから、今回だけが特殊であるというわけではありません。

しかし、新たに上演される作品の対象が広がりを見せていることは演目を確認するだけで明らかですし、そのような作品が観劇した皆さんから高い評価を受けていることは明らかです。

そして、多様な作品を上演するために在校生の皆さんが不断の努力を重ねるとともに、鑑賞する側もそのような作品を評価するだけの受容力を持っていることが分かると言えるでしょう。

最後の点は、中学生の来場者です。

かねてから外苑祭の主たる鑑賞者は保護者や卒業生だけでなく、中学生も含まれてきました。これは、中学校の進路指導において各校の文化祭を鑑賞することが志望校をよりよく知るための一助になると指導されている結果であるとともに、外苑祭そのものが東京都内の高等学校の文化祭の中で屈指の存在感を発揮しているためでもあります。

さらに、昨年度から招待券制が導入されたことに伴い、中学生とその保護者の鑑賞の枠を設け、申し込み数が定員を超過した場合に抽選とするようになりました。

一方、保護者や卒業生にはそのような措置はとられていないものの、招待券がない場合、各公演の定員に余裕がある場合を除いて券を持たずに鑑賞することはできないこともあり、特に卒業生の来場者数は新制度の導入以前に比べて減少の傾向を示しています。

それとともに、中学生については来場者の数が一定の割合で保証されているため、これまでよりも来場者全体に占める中学生の割合が増加することになりました。

これは、外苑祭が中学生の皆さんにとって青山高校をよりよく知るための重要な手掛かりになっているとともに、青山高校にとってはその魅力を伝える媒体としての価値を一層向上させていることを窺わせます。

もちろん、こうした点だけでなく、他にも様々な印象的な出来事があることは、それだけ外苑祭が青山高校にとって不可欠な催事であることをわれわれに改めて伝えていると言えるでしょう。

[1]鈴村裕輔, 2024年度の外苑祭の開幕を祝す. 2024年8月31日, https://researchmap.jp/blogs/blog_entries/view/76353/1e97ca6f9bf0a92445052fd34ce22fb0?frame_id=435622 (2024年9月4日閲覧).

<Executive Summary>
Miscellaneous Impressions of the Gaien Festival 2024 (Yusuke Suzumura)

The Tokyo Metropolitan Aoyama High School held the Gaien Festival 2024 on 31st August and 1st September 2024. On this occasion, I examine miscellaneous impression of this year's Gaien Festival

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