【追悼文】古葉竹識さんについて思い出すいくつかのこと

本日、プロ野球広島東洋カープの監督などを務めた古葉竹識さんが11月12日(金)に逝去していたことが公表されました[1]。享年85歳でした。

古葉さんといえば、1975年のリーグ優勝をはじめとして1979、1980、1984年と3度にわたりカープを日本シリーズ制覇に導き、監督としての手腕の高さは広く知られています。

私も、プロ野球の中継をテレビやラジオで本格的に楽しむようになった1982年頃からダッグアウトで腕組みをしながらグラウンドを眺める古葉さんの姿を目にしており、後継監督であった阿南準郎さんとともに、「強いカープ」を率いる存在として印象的でした。

例えば私が小学校2年生であった1984年に阪急ブレーブスと対決した日本シリーズでは、平日に開催された試合の様子が放課後の職員室で流れており、川口和久投手の勢いのある投球などを目にしたのは、今も思い出深いものです。

特にパリーグの強豪であったブレーブスは、この年に21勝を挙げた今井雄太郎選手や下手投げの山田久志投手を休み時間や学校が終わった後の三角ベースで真似るなど、われわれ野球に興味を持つ小学校2年生には親しいものでした。

それだけに、クラスの中でカープを応援する者とブレーブスを支持する者とが自然と生まれたことは、小学生の頃から野球に親しみ、重要な話題となるのが当然であった時代の名残をとどめるという意味でも、1980年代ならではの出来事であったと言えるでしょう。

晩年は政界への進出を目指しながら所願を果たせなかったとはいえ、古葉さんが球史に残る足跡を残した、偉大な野球人の一人であることは間違いありません。

改めてご冥福をお祈り申し上げます。

[1]広島 古葉竹識元監督死去 85歳 昭和50年に球団初のリーグ優勝. NHK NEWS WEB, 2021年11月16日, https://www3.nhk.or.jp/sports/news/k10013349611000/index.html (2021年11月16日閲覧).

<Executive Summary>
Miscellaneous Memories of Mr. Takeshi Koba (Yusuke Suzumura)

Mr. Takeshi Koba, a Japanese Hall of Famer and a Former Manager of the Hiroshima Toyo Carp, had passed away at the age of 85 on 12th November 2021. In this occasion I remember miscellaneous memories of Mr. Koba.

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