阪神・淡路大震災の発生から27年目にわれわれは何を考えうるか

本日、1995年1月17日(火)に阪神・淡路大震災が発生してから27年目を迎えました。

本欄が繰り返し指摘するように、どれほど鮮明で克明な体験であっても、時間の経過に伴って記憶として堆積するからには風化は避けられず、記憶は風化するという事実から出発することが、阪神・淡路大震災を後世に伝えるための出発点となります[1]。

一方で、どのような出来事であってもわれわれの体験は風化する以上、記憶が薄れるままに任せていては、日本の災害史に残る甚大な被害をもたらした阪神・淡路大震災であっても歴史上の話題の一つとして人々の視野から消え去りかねません。

従って、われわれに求められるのは、風化する記憶の中から事柄を再構成し、あるいは追体験する努力となります[2]。

その意味においても、たとえ1年のうちに1日だけであっても阪神・淡路大震災の犠牲者を悼み、何が起きたかを思い起こすことは、われわれにとって重要な取り組みとなるのです。

[1]鈴村裕輔, 「記憶の風化」は阪神・淡路大震災を後世に伝える出発点である. 2017年1月18日, https://researchmap.jp/blogs/blog_entries/view/76353/67e901b72aa6cc0161f3c07f3492df6e?frame_id=435622 (2022年1月17日閲覧).

[2]鈴村裕輔, 阪神・淡路大震災から24年目に際して改めて考える「想像する力」の重要性. 2019年1月17日, https://researchmap.jp/blogs/blog_entries/view/76353/0d70a1967e33ab463642c7340200c240?frame_id=435622 (2021年1月17日閲覧).

<Executive Summary>

On the Occasion of the 27th Anniversary of the Great Hanshin-Awaji Earthquake (Yusuke Suzumura)

On 17th January 2022 is the 27th Anniversary of the Great Hanshin-Awaji Earthquake of 1995. Such “Memorial Day” is an essential event for us, since no one could not keep all impressions forever.

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