ハロウィン淵源考

明日はハロウィンです。

ハロウィンが古代ケルト人の信仰であるドルイド教の祭儀に由来し、10月31日を1年最後の大晦日とするケルト人の暦に従い、地上を徘徊する悪霊をすべて動物に移し替えて追い出せる夜と信じられていたことは、広く知られるところです。

また、現在では、ハロウィンは11月1日のカトリック教会の祝日である万聖節の前夜祭として祝われており、古代ケルトの習俗がキリスト教文化に取り入れられ、定着しています。

こうした状況は、クリスマスの誕生の経緯と近しいものです。

すなわち、ローマ皇帝コンスタンティヌス1世がキリスト教を国家の統合の方法として活用しようと考え、、コンスタンティヌス1世はキリスト教徒の礼拝日である「主の日」をローマ帝国全域で信仰されていたミトラス教の「太陽崇拝の日」と結合させ、321年に公式に週1回の休日を決定し、役人の休日とし、325年のニカイア公会議でキリスト論に関する教義が整理され、ミトラス教の祝日であり、12月25日に祝われた「不滅の太陽の生誕日」(Natalis Solis Invicti)がキリストの誕生日として解釈され制度化されました[1]。

ところで、ハロウィンと言えば仮装が特徴的で、近年の日本ではハロウィンが仮装のための機会として捉えられているかの感もあります。

ハロウィンにおいて仮装が行われるのは、追放すべき悪霊たちから身を守るために仮面を被る古俗の名残りで、魔除けの篝火もカブやカボチャをくり抜き、中に蝋燭を立てたジャック・オー・ランタン(Jack-o'-Lantern)として現在に伝わっています。

今や日本においても定着したかのような行事にも、様々な来歴があるものです。

[1]鈴村裕輔, 「クリスマスの誕生」の物語. 2016年12月25日, https://researchmap.jp/blogs/blog_entries/view/76353/6c79f130d93d8f5dee91154a5979b3ef?frame_id=435622 (2020年10月30日閲覧).

<Executive Summary>
A Brief History of Developments of Halloween (Yusuke Suzumura)

The 31st October is Halloween. Today we examine developments of Halloween from the beginning among Ancient Celts.

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