「松山英樹選手のマスターズ優勝」で思ったいくつかのこと

現地時間の4月11日(日)、米国ジョージア州のオーガスタ・インターナショナル・ゴルフクラブで行われた第85回マスターズ・トーナメントで松山英樹選手が通算10アンダーで優勝しました。

日本の選手としては1936年に陳清水、戸田藤一郎の両選手が第3回大会に挑戦してから85年目で初めて優勝したことになるとともに、アジア人選手としても大会を制した最初の選手となりましたから、松山選手の優勝の価値の大きさが分かります。

もちろん、2011年以来毎年マスターズ・トーナメントに出場し、2013年にプロ転向を表明してから2年後の2015年には拠点を米国に移していること、自らにより適したゴルフクラブの利用、さらにこれまでの戦績などから、いずれは主要大会で優勝することが期待されていたのは事実です。

その一方で、これまで多くの日本人選手が米国に拠点を置いて試合に出場しながら撤退を余儀なくされたのは、試合の成績とともに日程の過密さや生活面での苦労も少なからず影響していました。

こうした条件の下で成果を残し続けることがいかに困難であるかは、2008年に5位タイ、2009年に3位と2年連続で全英オープン選手権で健闘したイングランドのクリス・ウッド選手がその後は戦績が振るわずに低迷しているという一事を参照するだけでも容易に推察されるところです。

今回の優勝によって現役選手である限りマスターズ・トーナメントへの終身出場権を獲得した松山選手は、これからは「四大メジャー大会の一つを制した選手」としてより大きな注目を集めることになります。

それだけに、今後の一層の飛躍とともに、息の長い活躍が期待されるところです。

<Executive Summary>
Miscellaneous Impressions for Mr. Hideki Matsuyama's Masters Win (Yusuke Suzumura)

Mr. Hideki Matsuyama won the 85th Masters Tournament on 11th April 2021. In this occasion I express miscellaneous impressions of Mr. Matsuyama.

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