WBC日本代表の優勝を讃え全参加選手の健闘を称賛する

本日、第5回ワールド・ベースボール・クラシックの決勝戦が行われ、日本が3対2で米国に勝利し、3大会ぶり3度目の優勝を達成しました。

日本代表は1次ラウンドを全勝し、準々決勝のイタリア戦まで終始優勢に試合を進めた様子は、過去最高の顔触れを擁するという事前の評価に違わないものでした。

また準決勝のメキシコ戦では、7回裏から本来の持ち味である打線の繋がりの良さが十分に発揮され、村上宗隆選手(東京ヤクルトスワローズ)の本塁打で逆転の勝利を収めるなど、実力の高さが緊迫した試合で十分に発揮されました。

今日の米国戦も2回表に先制されるとその裏に逆転し、その後は細かな継投によって米国打線に安打を許しても勢いでしのがれることを防いだことは、日本代表の投手陣の層の厚さを示すものでした。

特に9回表に登板し、ロサンゼルス・エンゼルスの同僚であり、現在の大リーグを代表する優れた打者でもあるマイク・トラウト選手を3ボール2ストライクから空振りの三振として勝利を決めた大谷翔平選手は、どれほど優れた作家や脚本家が思い描いても実現できない劇的な場面を現実のものとしました。

大谷選手は投打のいずれでも優れた活躍を示しました。そのため、今大会のMVPに大谷選手が選ばれたのは当然のことであり、文字通り次元の異なる活躍は世界の野球の歴史に特筆大書されることでしょう。

その活躍を期待していても、このように現実のものにするとは、大谷選手の力量の高さは無限であるかのようです。

ところで、WBCの決勝戦で日本と米国が対戦するのは、今回が初めてでした。

1936年に現在のプロ野球の前身である日本職業野球連盟が結成された際、その綱領の中には「我が連盟は日本野球の健全且つ飛躍的発展を期し以て世界選手権の獲得を期す」という一文がありました。

この綱領は大リーグのワールド・シリーズを制覇した球団と日本職業野球連盟の優勝球団の対戦を念頭に置いたものであり、手本としての大リーグに追い付き、対等な立場で世界の野球界の頂点を目指すという気宇壮大な目標でした。

その後、日米野球の形でワールド・シリーズの優勝球団が来日することはあっても、シーズン後の余興的な試合であり、日本側の意気込みの高さに比べれば、真摯さの点で隔たりがありました。

一方、形は異なるとはいえ今回こうして日米の代表がWBCという大会で頂点を競い合ったことは、先人たちが思い描いた「世界選手権の獲得」が87年の時を経て実現したことを意味します。

それだけに、この優勝は過去2回の栄誉に比べて勝るとも劣らないものであり、日本の野球の歴史にとって重要な出来事なりました。

同時に、全力を尽くして各試合に臨んだ対戦相手がいたからこそ日本代表選手も本来の力を発揮できたのであり、全ての試合は今回の優勝にとって不可欠でした。

その意味でも、毎回最高の試合を行った、日本を含む全ての代表選手たちの健闘を讃え、最大限の敬意を表する次第です。

<Executive Summary>
Celebrating Japan's Victory in the WBC 2023 (Yusuke Suzumura)

The All-Japan Team won the victory over the USA in the Final Game of the World Baseball Classic 2023 on 21st March 2023. On this occasion, we celebrate their best efforts and achievements and all players' honest attitude for the final victory.

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