石破茂内閣による衆議院の解散総選挙はいかなる意味を持つか

本日、衆議院が解散され、総選挙は10月15日(火)の公示を経て10月27日(日)に投開票されることになりました。

今回の解散総選挙は10月1日(火)に内閣総理大臣に就任した石破茂首相が、国民の注目が高く、前任の岸田氏文雄政権の支持率を上回っている状況を捉え、一面においては自民党内に限られる総裁選挙ではなく総選挙によって政権の正統性を確保するとともに、他面で衆議院選挙での勝利によって脆弱な党内の権力基盤を確固たるものにしようと考えていることに基づきます。

確かに、来年10月で衆議院議員の任期が満了となるため、判断が遅れれば解散の時期を逃し、追い込まれる形で総選挙に臨まなければならなくなります。

言うまでもなく野党も十分に準備を整えて総選挙に臨めば、自民党がこれまでのように安定多数を確保することが難しくなり、場合によっては獲得する議席数が過半数を下回ることがあるでしょう。

従って、野党が候補者の選定を完了していない現段階で総選挙を断行することは、選挙を有利に進めることを目的とするなら、合理的な判断であると言えるでしょう。

一方で、いわゆる政治資金問題にかかわる候補者を公認するか否かで自民党内の方針が定まらなかったことや石破茂首相が総裁選の当選後から言動が慎重になり、決選投票の直前の演説で主張した「自由と真実の自民党」の実現や人々が期待している自民党の改革をどこまで遂行するか覚束ない状況となったことは、有権者の投票行動に影響を与えかねないものです。

この場合、過半数を維持するものの安定多数を下回ったり単独過半数を獲得できなくなり、総選挙後に党内で石破首相の指導力に対する批判が高まり、最終的に退陣に追い込まれる可能性も否定できません。

それだけに、今後の選挙期間の各党の動向が注目されるとともに、石破首相がどのように指導力を発揮して自民党を把握してゆけるかが大いに注目されます。

<Executive Summary>
What Is the Meaning of the Dissolution of the House of Representatives? (Yusuke Suzumura)

Today the Ishiba Cabinet dissolves the House of Representatives and the General Elections will be held on 27th October 2024. On this occasion, e examine the meaning of this policy for the future of Mr Ishida and the LDP itself.

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