【追悼文】ミハイル・ゴルバチョフ氏について思い出すいくつかのこと

現地時間の8月30日(火)、旧ソ連の最高指導者でソ連の初代大統領となったミハイル・ゴルバチョフ氏が逝去しました。享年91歳でした。

ゴルバチョフ氏の事績や、国際社会とロシア国内での評価の違いなどは広く知られるところで、改めて縷説するのもはばかられるところです。

ところで、私がゴルバチョフ氏の名前を初めて目にしたのは、ソ連の最高指導者であったユーリ・アンドロポフの逝去を受けて後継者問題を取り上げた、1984年2月11日の日本経済新聞の記事でした[1]。

当時小学校1年生であった私の朝の日課の一つは、新聞受けから届けられたばかりの新聞を取ることでした。

このとき、「アンドロポフ」「ゴルバチョフ」という名前の響きの新鮮さに興味を持ちつつ読み進めた記事は難しい内容だったものの、末尾に「チェルネンコ氏やウスチノ氏なら次期政権へのつなぎ、ロマノフ氏やゴルバチョフ氏の場合は長期政権」という趣旨の内容が書かれていたことは、何故か記憶に強く残りました。

その後、チェルネンコ政権を経て1985年にゴルバチョフ政権が誕生するのを見て思い出したのがこの時の記事で、新聞記者の取材力と情勢を見通す情報収集能力の高さを実感したのでした。

様々な意味で20世紀の世界史を叙述するうえで欠かすことのできない人物であったゴルバチョフ氏のご冥福をお祈り申し上げます。

[1]アンドロポフ書記長死去 後継者にロマノフ氏ら浮かぶ. 日本経済新聞, 1984年2月の場合は日朝刊4面.

<Executive Summary>
Miscellaneous Memories of Dr. Mikhail Gorbachev (Yusuke Suzumura)

Dr. Mikhail Gorbachev, the Last President of the Soviet Union and a Nobel Peace Prize Winner, had passed away at the age of 91 on 30th August 2022. In this occasion I remember miscellaneous memories of Dr. Gorbachev.

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