宝塚歌劇団月組公演"Rain on Neptune"

昨日は、宝塚歌劇団月組の公演"Rain on Neptune"をオンライン配信で鑑賞しました。会場は舞浜アンフィシアターでした。

藤子・F・不二雄の『老年期の終り』を連想させる物語の展開は「少し不思議な話」としてのSF作品である"Rain on Naptune"にふさわしいもので、芝居巧者の多い月組ならではの見ごたえのある仕上がりとなりました。

主演の月城かなとの優雅な挙措と歌唱はトップスターにふさわしく、娘役トップの海乃美月も湾岸部に位置する舞浜アンフィシアターという場所と自らの名前をも織り込んだ役柄を端正に演じました。

また、鳳月杏(トリトン)、光月るう(ネレイト)、白雪さち花(ラリッサ)、千海華蘭(アレキサンドライト)のほか、蘭尚樹(少年時代のシャトー)、春海ゆう(ガーネットとプランタンの二役)などが物語の要所に緩急をつける演技と歌唱により、劇的かつ幻想的な作品に一層の彩りを与えました。

さらに、フィナーレは公演場所と作品の特徴を踏まえた心配りの行き届いた選曲と演出が印象的で、意外な曲もあれば宝塚歌劇ならではの華やかさも堪能できたひと時であったと言えるでしょう。

最後にオンライン配信用のカメラを探す月城かなとの様子は、会場だけではなく全国各地で視聴する鑑賞者への配慮を示しており、大変に気持ちの良いものでした。

月城かなとと海乃美月がトップスターと娘役トップに就任してから9か月が過ぎ、公演にも磨きがかかる中で、今後の月組がどのように発展するか一層興味深く思われた、この日の舞台でした。

<Executive Summary>
Stage Review: Takarazuka Revue's "Rain on Neptune" (Yusuke Suzumura)

The Tsuki Gumi of The Takarazuka Revue held a performance Rain on Neptune, staring by Kanato Tsukishiro, at the Maihama Amphitheater on 21st May 2022.

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