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男性の育休について


1、男性育休に関する私の肌感覚

イクメン。
この呼称が定着してきた世の中になった。
男性の育児参加が、一定程度進んできたと肌で感じる今日この頃。
かくゆう、私も育休を取った。昨年第一子が生まれた際に、1か月程度。また、先週に第二子が生まれたため、同じく一か月程度取得する予定だ。
私は、現在34歳。育休をとるのが、どちらかというとスタンダードとなっており、職場の雰囲気もそんな感じ。

しかし、ある友人と会った際には、私の感覚とは違った印象だった。
「え、育休とるんだ。すげーな。うちの会社が取れないし、生活できなくなるから、俺は育休とらないわ」
まさか、そんな反応だとは思わなかった出来事だ。
当然育休をとるのが、大多数だと思っていたが、そんな私の認識が誤っていた。

こんなきっかけで、今回再度育休を取るにあたり、男性の育休について、考えてみることにした。何となく世の中の流れ的に取るのではなく、しっかり現状を把握して育休をとりたいと思った。

2、男性の育休取得の状況

はじめに、男性サラリーマンの育休取得状況はどうだろうか?
私は、大多数の企業で実施されていると思っていた。しかし、実際はどうだろうか。
今年の6月に経団連が発表した「男性の家事・育児に関するアンケ―ト調査結果」によると、2022年の男性の育児休業取得率は47.5%。前年の取得率は、29.3%。大きく上昇した。
経団連に所属している企業のうち、半分程度の企業において、男性が育休を取得している。
私の想像よりは少ないが、劇的に変わりつつある感じだと思われる。
2023年4月から法改正(改正育児・介護休業法)により、労働者が1,000名を超える事業主は、育児休業等取得の状況を1年に1回公表することが義務付けられる。こういう世の中の流れもあり、来年度は、今以上に増えることが見込まれる。

育児休業取得率(出典:「男性の家事・育児」に関するアンケ―ト調査結果(経団連))

3、男性の育休取得期間

それでは、男性の育休期間はどれくらいだろうか?
同アンケート結果によれば、育児休業平均取得期間は43.7日(約1.5カ月)。また、1ヵ月以上取得している企業は約6割(59.9%)となっている。
女性よりかは間違いなく短いが、男性もそれなりの期間育休をとっていることが分かる。

育児休業取得期間(男性)(出典:「男性の家事・育児」に関するアンケ―ト調査結果(経団連))

4、男性育休の社会的なメリットとは?

この男性育休の取得推奨において、社会的なメリットは何だろうか?
男性も育休を取得し、育児に積極的に参加し、女性の社会進出を後押ししようという文脈はよく聞く話。確かに、女性の育児の負担を減らすこともマクロ的な目的としてはある。
特に、目下人口減少が進み、生産人口が減少傾向である日本社会において、女性が会社で持続的に働くことは、必要である。
女性も含め、少ない生産人口を十分に活用できる社会を作るべきだろう。子供がいるからという理由で、自身のキャリアを諦めるという選択肢しかない社会は、息苦しいし、不自由だ。

一方で、ミクロ的な観点から考えてみた場合の社会的なメリットは、妻の「産後うつ」への対策である。日本産婦人科医会によれば、産後うつは、気分の落ち込みや楽しみの喪失、自責感や自己評価の低下などを訴えるもので、産後3か月以内に発症することが多い。しかも、10%程度の確率で罹患する。
良き夫として、しっかりと妻を支えることも重要。我々男性はしっかりと心に刻んでいたい。

5、男性育休の企業側のメリットは?

それでは、企業側はどのようなメリットがあるだろうか?
女性もしかり、男性の育休取得の推進は、その企業の人繰りを難しくする。実際、経団連のアンケートにおいても、男性の育休推進の課題として、「代替要員の確保」を上げる企業は約83%であった。一見、デメリットしかないように思える。
しかし、色々な媒体で紹介されている資料を見ていると大きく2つほどメリットがありそうだ。このメリットは、育休取得を推進することによる補助金関係以外のメリットについて、考えていきたい。

まず、1つ目は、「企業イメージの向上」である。
男性の育児休業の取得ができる職場であることのアピールは、「働きやすい職場」であるという印象を与える。
2017年度の日本生産性本部が実施した「新入社員 秋の意識調査」によれば、男性の新卒社員の79.5%が育休取得を希望している。
つまり、男性の育休がとりやすい職場かどうかは、男性が職業選びにおいても一つのポイントとなり、高い男性の育休取得率のアピールは、採用活動にも良い影響を与える。

2つ目は、「離職率の低下」が挙げられる。
現在の男性の育児参加に関する意識は高い。仕事面だけではなく、男性の育休取得を推進する姿勢は、福利厚生的な側面で職員の満足度を高める要素となる。
一部の企業では、育休期間をある一定程度取った場合に育児休職支援手当を支給している企業もある。そのような企業への職員の帰属意識は高まると考えられる。

6、男性育休について思うこと

様々な観点から男性の育休のメリットについて調べた。
全体の世の中の流れとしては、今後男性の育休は増えていくだろう。企業側にもメリットも一定程度あり、補助金や法整備もなされてきた。
我々男性として、育児の参加は不可欠な世の中だ。一家の大黒柱としての役割は女性に譲る家庭も増えていくだろう。様々な家庭のあり方が存在するのがスタンダードであり、多様な社会というものだ。
育児を通じて、人間としての深みを深める。子供からハッと気づかされることもある。
例えば、なんで○○なの?という問いに対して、答えに窮する。何となくそれが正しいと思っていたからだ。素直な視線で世の中を問うのが子供であり、ハッとさせられる。
これが、子育ての難しさであり、面白さだ。

「これからのパパ」は、「これまでのパパ」より、このような積み重ねの時間が長くなる。
仕事もタフだろう。多くのパパは30代だ。仕事も責任が増えてくる時期。その上で、育児もやる必要がある。仕事で疲れているとは言い訳できない。それは妻も同じだ。
世の中のパパよ、気張っていこう。


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