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エンタープライズ向けサービスのMVPはこうして失敗する。

どうもエンタープライズ企業の調達を刷新したい企業、Leanerの大平です。

エンプラSaaSの雄である会社の創業メンバー兼役員の方と、オンラインランチの機会があり、示唆深かったので許可をいただきメモ公開します。
※この記事ではエンタープライズ企業は略称としてエンプラと書きます

エンプラ向けにサービス開発している方の参考になったら嬉しいです!
拡散していただけると次回のやる気になるのでそれも嬉しいです(重要)!

"SMBのMVP"と"エンプラのMVP"一緒にすんな

当然だが、SMBとエンプラでは、業務のオペレーションや目標・ミッションなどすべてにおいて、個社性がまったく違う。
比較的、SMBでは、個社性が低く。エンプラでは、個社性が高い。

だからこそ

SMBは、MVPが「画一的」で許される。
一方、エンプラは、MVPに「個別性」が求められる。
SMBは、MVPが「境域な要件」で許される。
一方、エンプラは、MVPに「広域な要件」が求められる。

※SMBには「個別性」と「広域な要件」が不要と言いたいわけではない
SMB以上にエンプラは「個別性」と「広域な要件」が求められると言いたい

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エンプラの「個別性」×「広域な要件」を満たすMVPをつくることがなぜ難しく失敗するのか。失敗は大きくこの2パターンのどっちかだ。


失敗パターン①:MVPがミニマムすぎて誰のMVPでもない(最小公倍数型)

エンプラ向けにMVPをつくるうえで1番発生する失敗がこれらしい。
「この機能は、○○さんには必要ない」というのをそぎ落とした結果・すべての企業の最小公倍数をMVPと定義した結果、誰のMVPでもなくなるということだ。
SMB向けにMVPを開発してきたチームが一番陥るのはこのパターンらしい。

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営業は「○○さんからこの機能がないと使えないといわれた!作ってくれ」といい、開発は「とはいえ、●●さんにはこの機能いらないですよね!MVP作りましょうよ!」という議論が巻き起こり大戦争になるパターン。


失敗パターン②:必要な機能をだしすぎて、誰のMVPでもない(最大公約数型)

次の多い失敗がこれ。失敗パターン①のあとに、これになることもある。
「この機能は、○○さんには必要」というのを入れ込んだ結果・すべての企業の最大公倍数をMVPと定義した結果、誰のMVPでもなくなるということだ。正確にはミニマムとはなんだったのかと問いたくなるサクラダ・ファミリアが爆誕するケース。
SIer出身のチームがMVPを開発するときに一番陥るのはこのパターンらしい。

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営業は「○○さんはこの機能が必須。●●さんはあの機能が必須。どっちも作ってくれ」といい、開発は「ミニマムの意味わかります?MVP作りましょうよ!」という議論が巻き起こり大戦争になるパターン。


エンプラのMVP開発に最も大切なものとは…

前述の失敗パターン①・②を避けるために何が一番重要か。
それはMVPの対象とする”円(ユーザーセグメント)”を可能な限り明確に定義することだ。正しくは、営業活動をしながら、チームで明確化していくことだ。
※最初から綺麗に”円(ユーザーセグメント)”を定義することは絶対無理

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大前提として、エンプラは同じペインであったとしても、MVPは「個別性」×「広域な要件」であることを忘れてはいけない。
だからこそ、同じペインであったとしても、”誰のMVP(=どの円)"をつくりにいくかが一番重要で、それがPMFへの最短ルート
つまり、セグメンテーションとターゲティングこそ、エンプラのMVPにおいて、最も難しく、最も重要だと思う。

そしてのどの円をつくりにいくかは、「サービスの渇望度合い(≒ペインの深さ)」と「マーケットサイズ(≒同じような円がいっぱいあるか)」で決めることになる。

もちろん死ぬほど欲せられていて、1つの円(MVP)をつくったときに狙えるマーケットサイズが大きいことに越したことはない。
が、初期のMVPをつくろうというフェーズにおいては、”誰のMVP(=どの円)"を解くかは「サービスの渇望度合い(≒ペインの深さ)」だけでを選んでよい
※なぜなら、初期仮設なんてどうせ外す。マーケットサイズのような絵にかいた餅より、サービスの渇望度合いのような直接誰かから言われて体感できる指標で判断するべきだ


MVPは開発初期の要件定義のことではない…

最後に、MVPは開発の最初の要件定義ででてくる概念ととらえているチームがあるが、それは大きな間違いだ。

MVPは顧客や市場にあてながら磨き続けるもの

であるということを忘れてはいけない。最初からエンプラの「個別性」×「広域な要件」をすべて理解している。はっきりと円が見えていることはない。見えていると思っているなら、それは幻想。幻だ。

ランチ、終わり。



ちゃんとメモとっていた俺えらい。
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