ポンコツ上司にイラっとしない、たった1つのコツ
今回は、ビジネス書相談室vol3をお送りします。
前回同様、ご相談への回答を共有いたします。
①相談者のお名前を仮称に
②誤字は修正
③記事を読みやすくタイトリング
この3点以外は、無加工でやりとりを貼らせていただいています。
ちなみに、「ビジネス書相談室シリーズ」が気になる方はこちらご覧ください。
今回のご相談内容
今回は、カバヤンさん(仮称)からのご相談です。
まずはご相談内容を見ていきましょう。
では、いつもどおり、勝手な憶測を膨らませまくりながら、ご相談に答えてまいります。
優秀でピカピカな上司なんて希少種。出会えればラッキー
まず、この点に違和感を抱いたということは、
数秒話せば終わることは、その場クイックに簡潔に伝える。何ならチャットでササっと伝えればOK
仕事を依頼するときは、背景・目的まで説明する
…といった、ビジネス書に書いてある「本来のあるべき姿」が頭に入っておられるからでしょう。
しかし、残酷なことを申し上げますが「本来のあるべき姿」を遂行している上司や先輩なんて、ほとんどいません。
世の中の大半の上司が
「結論から簡潔に」
「背景・目的まで説明して仕事をお願いする」
…なんてできていたら、そもそもビジネス書は不要です。
むしろ、そういったことができる人が何十年も前から増えないから、同じようなことが書いてあるビジネス書が、今も無限に増殖し続けています。
「結論から話せ」と書いてある本、1000冊くらいあるんじゃないですかね。
で、いろんな調査結果がありますが、「1ヵ月に1冊以上読んでいる人」の割合は約50%。100人いれば50人。
そのうち、本に書いてあることを忠実に実行する人なんてよくて5人に1人。となると、さっきの50人は10人に。
実行したことを継続し、「やったことある」から「できる」に昇華できている人も、5人に1人いれば大万歳。となると、さっきの10人は2人に。
したがって、カバヤンさんがおっしゃるような「ビジネス書に書いてある当たり前のこと(端的に話す、背景目的を伝えるなど)」をできる人なんて、100人に2人、多くても10人いれば良いほうです。
ですので、あえて厳しい表現をすると、カバヤンさんは、上司や先輩に「期待しすぎ」なのかもしれません。
「え、人に期待しちゃダメなの?」
「期待するって良いことじゃないの?」
と思いたくなります。
しかし、人はどういうときにイラっとするかというと
「自分が求めていた期待値を、相手が下回ったとき」
なんです。
期待するから、失望するし、イラっとする
例えば、
「明日まで」と頼んでおいた仕事が、明日になっても終わっていなくて、イラっとする。これは「明日には終わらせてくれるはず」と期待しているから
こちらがプレゼンで真剣に話しているのに、相手はPCで内職していて、イラっとする。これは「真剣に話してるんだから、相手も真剣に聞いてくれるはず」と期待しているから
自分は頑張っているのに、上司から全然評価されなくて、イラっとする。これは「上司は自分がやっていることを見てくれていて、きちんと評価してくれるはず」と期待しているから
普段はパートナーがやっている家事を代わりにやっても、「ありがとう」と言ってもらえなくて、イラっとする。これは「やったことに気づいてくれるはず」「ありがとうと言ってくれるはず」と期待しているから
いつもミルクを飲ませたら泣き止むはずの子どもが、何をやっても泣き止まなくて、イラっとする。これは「この解決策をとれば、赤ちゃんが泣き止んでくれるはず」と期待しているから
…全部「相手は〇〇してくれるはず」と勝手に期待値を高め(自分の都合のいいよう)に設定している。だから、イライラする。
逆に、「〇〇してくれるはず」と他人に期待しない。
そうすれば、そもそもの期待値が低いので、期待値を下回ることもなくなります。
例えば、上司から話しかけられたときも
・どうせ今回もしょうもないことを別室で10分とか伝えて来るんだろうな
・どうせ「はい、これやっといて」って雑に頼んでくるんでしょ
…くらいの期待値に設定しておきます。
すると、ビックリするくらい精神衛生が良くなります。
・・・と、こんな話をすると、「人に期待しないとか、冷めた考えだな」「悲観的じゃないか」と言われます。
人に期待を寄せているときのワクワク感を捨てているわけですからね。
ただ、それよりも、私にとっては「感情の振れ幅が小さくなり、ちょっとしたことでも喜べるようになったこと」の価値のほうが大きかった。
基本戦略は「自分がコントロール可能なもの」だけに集中する
考え方はシンプルです。
「自分がコントロール可能なもの、だけに集中する」これだけです。
・相手の行動はコントロールできない
・だけど、自分の期待値設定はコントロールできる
この考え方を教えてくれた本が、『奴隷の哲学者エピクテトス 人生の授業』です。
こちらが今回、カバヤンさんにオススメしたい本でございます。
本書に登場するエピクテトスさんは、若いころに奴隷として育った経歴の持ち主。
おそらく、日本のどんなブラック企業よりも、筆者はさらに過酷な環境にいらっしゃったことでしょう。
そんな環境の中で、エピクテトスさんがたどり着いた基本戦略が
「我々次第であるもの」と「我々次第でないもの」の境界を見極めて、自分の裁量の範囲内になる物事だけに集中する
これです。
この考え方を知っておくと、ご相談にあった不満も少しは和らぐかもしれません。
以上でございます。
9割くらい私の勝手な憶測で書いてしまい、失礼いたしました。
少しでもカバヤンさんの足しになれば、幸甚でございます。
相談者カバヤンさんからの感想
後日、こんなご返答をいただきました。
「私の中の理想の上司と現実を比較してしまっていた」
これ、わかります。
ドラマとかビジネス書で塗り固められた「理想の上司像」が、どうしても上司に対する期待を生んでしまいますからね。
私もかつて、勝手に「理想の上司像」を作り上げては、勝手に相手に失望しておりました。
私もエピクテトスさんには感謝せねばなりません。
では、今日はここまでにします。
「相談したいかも」という方は、以下のXまでご連絡ください。
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