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20代のうちに絶対に読んでおきたいビジネス書12冊

先日、次のようなツイートをしたところ、それなりに反響がありました。

個別にも何人かから「本のレビューをもっと詳しく」とリクエストいただいたので、記事にまとめてみようかと。

なんで、この12冊なのか?

では早速本の紹介に・・・と行きたいところですが、
「なんで、この12冊?」と疑問に思う方もいらっしゃるかと。

オススメ本の選定基準

そこで、まずは「オススメ本の選定基準」について認識を揃えておきましょう。
すでに読んだことある方は、読み飛ばしていただいて問題ございません。
では、私なりの「オススメ本の選定基準」とは何か?

それは「わかりやすさ×深さ」のモノサシです。

わかりやすさを測るためには、以下の2点をチェックしていきます。

  • 本の内容が「体系的」に分解・整理されているか?

  • 中学生や高校生でもわかる表現で書かれているか?

一方の深さを測るためには、以下の3つのツッコミに耐えうるかをチェックします。

  • 他の本に無い「あっと驚く洞察」がなされているか?(So what?)

  • 主張の論拠は十分か?ツッコミどころが多すぎないか?(Why so?)

  • 明日からすぐ実践できるほど具体的な内容か?(How?)

当然この2点では、Amazonをサーフィンしていてもわからないので、
1冊1冊書店でパラパラ読みしながら、選別しております。

以上の「オススメ本の選定基準」は、拙著『投資としての読書』でも詳しく解説しています。

よろしければ、ご一読いただけると、とてもとても嬉しく思います。
もう一度いいます。ぜひ、読んでください。(しつこい)

20代に読んだ1500冊のなかから、未だに本棚に置いている12冊

そうやって、20代は1500冊以上のビジネス書を読み漁りました。
ほとんどはメルカリなりブックオフに売ってしまいましたが、
未だに本棚やKindleに生き残っている本があります。
それらの本は、繰り返し何度も読み直している本なわけですが、どれも素晴らしい本でして。

外資コンサル時代に先輩に教えてもらった本もあれば、MBAの教授に教えてもらった本もあります。
これらの本を、自分だけにとどめておくのも勿体ない。
なので、今回思い切って12冊とも公開することいたしました。

いずれも自信をもって「超良書」と言い切れます。
なので安心して読んでみてください。

『もっと早く、もっと楽しく、仕事の成果をあげる法』

この本は、私に「仕事の学び方」を教えてくれた本です。

仕事はコツで覚える。
コツとは「ここさえ押さえておけば、誰だって70点は取れるであろう、本質的かつ具体的なポイント」のこと。
この「コツ」をテーマに、「ハタから見ると、さして苦労していないのに仕事が上手くいっている人の秘密」を教えてくれます。

では、コツとは具体的にどのようなものか?
筆者は跳び箱を例に説明してくれます。

例えば、跳び箱を飛ぶときのアドバイスとして「もっと遠くから助走をつけなさい」「踏切の位置はここにしなさい」「手をついたときは肘を真っ直ぐにしなさい」など、具体的な方法をたくさん教わります。
しかし、筆者に言わせると、これらのノウハウは全て「コツ」ではありません。

跳び箱のコツ、それは「両腕で体重を支える感覚を覚えさせること」なんです。
床に座り、両脚のあいだに両手をつき、両腕で身体をちょっと浮かせてみる。この感覚さえ押さえれば、あっという間に跳び箱を飛べるようになるそうです。

たくさんのノウハウを五月雨式に試すよりも、たった1つの「コツ」さえ試せば70点が取れる。これが、仕事を「コツ」で覚える最大の効用です。

では、どうすれば、仕事を「コツ」で覚えられるのか?
そのヒントが、本書には散りばめられています。
仕事をコツで学ぶ方法。この方法は早く知っておけば知っておくほど、リターンを享受できる期間も長くなります。

『問題解決の全体観 上下巻』

20代で必ずといっていいほど手に取る本の一つ。
それは「問題解決」の本でしょう。

しかし、問題解決の本は無数に存在します。
Amazonで「問題解決」と調べると10000件以上ヒットします。
いったい、どの本を読めばいいのやら・・・

ちなみに、私も100冊近く問題解決系の本を読みました。
そのなかで、一番オススメの本を特別にお教えしましょう。

問題解決の全体観』です。

たぶん、知らない人のほうが多いはず。
私自身、何100回以上は書店に足を運ぶのですが、一度もこの本が置いてあるところを見たことないんですよね。
なので、Amazonで買うしか、ほぼ手に入れる手段がない。これが、イマイチな点1つ目。

もう1つのイマイチな点は、上下巻に分かれているあげく、1冊あたり3000円もする点。

・・・しかし、これらのハンデをチャラにする、というか、これらのハンデが一切気にならないくらい有益な本でもあります。

では、どのあたりが、特に素晴らしい本なのか。
いくつかあるのですが、1つは、タイトル通り「問題解決の全体観」をつかめる点です。

巷の問題解決本を開くと、たしかに「MECE」「ロジックツリー」「フレームワーク」「仮説志向」などの思考ツールの使い方が丁寧に解説されています。しかし、問題解決に必要な「頭の使い方」「心構え」「進め方」をすべて網羅した本は、『問題解決の全体観』シリーズくらいじゃないでしょうか。

具体的には「問題にはどんな種類があるか?」「問題を解くためにはどんなプロセスで考えればよいか」「MECE・ロジックツリー・フレームワーク・仮説志向の出番はいつなのか?」「問題解決を進めるうえでの心構え(作業と仕事の違いなど、本質的な心構えまで)は何か?」「実務で問題を解決するときは、どんな進め方をすればよいか?誰をどんな順番で説得するのか?」など、問題解決に関わる論点がすべて網羅されています。問題解決本があまり出回っていなかった2008年時点で出版された点を踏まえると、驚きを隠せません。

他にも、いくつも魅力がありすぎるのですが・・・
百聞は一見に如かず。まず騙されたと思って、上巻だけ読んでみてください。
たぶんというか確実に、下巻を読みたくなります。
そして、二度と問題解決の本を買わなくて済むようになるはず。

『アイデアのつくり方』

『アイデアのつくり方』は、MBAに通っているときに予習で行き詰ったときや、コンテンツ作りの仕事が増えてきたときに大いに助けてくれた本です。

本書の驚くべきところは、著者のジェームス氏が書いたページ数はまえがきも含めてわずか50ページ前後である点です。
しかし、その50ページには、アイデアを生み出すための本質だけが無駄なく凝縮されています。

まず本書では、アイデアをつくる原理が2つ書かれています。
第一に、アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせであるということ。
第二に、新しい組み合わせを作り出す才能は事物の関連性を見つけ出す力に依存するということ。

今となっては、1つ目の話はイノベーションの方法論として、2つ目の話も「アナロジー思考」という名前で、世の中で大活躍しています。
しかし、この本がアメリカで刊行されたのは1940年のタイミングです。この時点で、アイデアづくりの本質を見抜いている点に驚きを隠せません。

詳しくは本書をご覧いただきたいのですが、この本で語られている発想法は、以下の流れで定義されています。

  1. 資料を収集する

  2. 資料をかみ砕く

  3. 絶望状態に陥る

  4. 問題を全て放棄する

  5. アイデアが訪れる

  6. アイデアを現実に連れ出す

このうち、最も私に影響を与えたのが、「問題を全て放棄する」という行為。
行き詰るところまで考え込んで、いったんその問題を手放してみる。
そして、サウナに行って、リラックスして、ぐっすり寝る。
その間に、無意識が勝手に情報を整理してくれる。
翌朝、風呂掃除をしてからシャワーを浴びていると、ふとアイデアが降ってくる
・・・みたいなことが、本当に起きました。

それ以降、この本は私にとって、発想法のバイブルとなりました。
「ウソでしょ」と思う方、一度この本を読んでみてください。
そして、素直に書かれていることを試してみてください。
最初は、問題を手放すのが怖くて仕方ないと思います。
しかし、それでも勇気をもって、実践してみると、いつもと違う発想が浮かぶはずです。

『仕事の教科書』

本書を読み終えたときの最初の感想は・・・「この本、誰にも教えたくないな」でした。
それくらい「こんな方法論まで種を明かしていいの?」と思える仕事術がたくさん記されていました。

本書には、ざっくり次のような仕事術が記されています。以下は、私の読書メモです。

中でも、印象的だった学びはこちら。

仕事の速さは「着手するタイミングがどれだけ早いか」で決まる。

これまで私は、仕事を速くするためには、「なるべく最短距離で仕事をする」か「処理速度を格段に上げる」か、2通りで考えていました。

まず、「なるべく最短距離で仕事をする」について。
これは、目的から逆算して最短の段取りを組む、という意味です。
ただ、この方法は、経験値に依存する部分もあるので、若手や転職したてのときなんかに実践するのは、なかなか難しい。

次に、「処理速度を格段に上げる」について。
これは、ショートカットキーや便利な関数・ツールをとにかく習得しまくる、というアプローチです。
私はこのアプローチで、仕事が速くなった気でいました。


で、本題はここから。

今回の『仕事の教科書』が教えてくれたのは、「仕事に着手するタイミングを、とにかく早めなさい」ということ。
そのためにも、

  • 「すぐやる」「すぐ出す」「すぐ答える」

  • 作業を振られたら、0.01秒でもいいので、いったん着手する

これは、意外と盲点でした。
確かに、すぐに着手すれば、すぐにその作業の難所にも気づくことができる。
難所に早く気付ければ、ヘルプも早いタイミングで出すことができる。
ヘルプを早く出せれば、そのぶん早くヒントを得ることができる。
・・・いいことづくしです。

つい「処理速度」ばかりに速くしようとしていましたが、それよりも「タイミング」を早めたほうが、スジが良い。
これは、仕事を速くするために、一番簡単かつ効果的なコツかもしれません。

このように、「ハッ」とさせられるエッセンスがギュッと詰まっている、まさにタイトルどおり「仕事の教科書」です。
「もっと早く出版してほしかった」と強く思った一冊でした。

『世界で一番やさしい会議の教科書』

20代、というよりは、もはや全社会人の必読書にしたい。
それだけで、日本の生産性が2倍くらいになるんじゃないか。
・・・と思わせてくれるくらい、「効率的な会議術」についてこれ以上なく深くわかりやすく教えてくれる本がこちら。

本書は、会議について「準備」「導入」「進行」「まとめ」の4段階で語っています。
「準備」ひとつとっても、たっくさん学びがありまして。

  • Purposeでは、会議の終了条件を具体的に定義する必要がある。「どういう状態になったら"会議終了!"と言えるのか?」を言語化する。例えば「〇〇についての解決策が洗い出されていて、優先度・担当者・期日まで決まっている状態」など。

  • Peopleでは、「終了条件を満たすために必要な参加者は誰なのか?」を過不足なく洗い出す必要がある。参加者は多すぎると「内職者」が増え、少なすぎると「○○さんがいないから決められないね」とグダグダになる。

  • Process/Propertyでは、「議題(終了条件に向けて何を議論するのか?)」「議論の進め方(具体的にどう議論を進めるのか?)」「必要なモノ(何を用意しておくか?)」「時間配分」を事前に考案しておくとスムーズに進む。

とりあえず、「会議の終了条件を確認する」という方法を実践してみるだけでも、効果絶大です。
私も同僚に本書をオススメしましたが、読んだ人が運営している会議は、いずれも議事録がちゃんと用意され、議事録の冒頭には「会議の終了条件、会議での決定事項、ToDo」がまとまるようになりました。

この本には、個人のスキル、そして組織の会議を確実に変える力があります。
「んなアホな」と思った方、第1章の途中まででいいので、本屋で立ち読みしてみてください。

たぶん、その30秒後にはレジに並んでいるはずです。

『コンサルが「最初の3年間」で学ぶコト』

この本は、間違って2回買ってしまうくらいいい本です。

この本については、以下のポストでも語りつくしているので、よろしければご覧ください。

一応、この記事でも簡単にご紹介しておくと、本書には、104の濃い技術が詰まっております。
1つひとつがプラクティカルかつコミカルで、読み応え抜群です。

しかし、一番印象に残った技術を1つあえて選ぶとすると「議事録進化論」のところ。
この議事録進化論には、本書で語られている「たかが構造化vsされど構造化」「TASKバカより論点バカ」などの技術が凝縮されております。
104個の技術のなかで、議事録進化論の記載が一番長いので、それくらい筆者も気にしているテーマなのでしょう。

議事録を制すものが、仕事を制す。
まずは、議事録のページを開いてみてください。
あまりの解像度の高さにビックリするはずです。

では、さらに熱量を上げまして、後半6冊も紹介していきます。

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4,806字

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