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2022年振り返り

明けましておめでとうございます!


皆さま年末年始はいかがお過ごしでしたでしょうか?
僕は新幹線で帰省しましたが、品川駅も新幹線もものすごい人の数でした。


つい先日、原宿へ行ったときも外国人の方が増えており、コロナ以前の人の流動性が戻ってきているのでは?と感じています。


2022年を振り返りたいと思いつつも1年の全てのできごとを取り上げているとどれもざっくりとしたことしか書けないかと思いました。

ですので12月特に印象に残ったことを書いていきます。

12月もダンスレッスン、トレーニングのオンラインレッスン・パーソナルトレーニングとレギュラーの活動はいつも通りに。


異なる点は振付をした舞台の本番があったことです!


12月24、25日に東村山市立中央公民館にてミュージカルサークルS&Dの本公演が行われました。


4月の新歓公演などある中で本公演は1年の集大成となる最も大きな公演です。


学生たちが約9ヶ月間普段のサークルでのレッスン、8月末からスタートし4ヶ月間積み重ねた稽古の成果を発表する場。


コロナ陽性者が増えるこの時期、開幕できるのか幕を閉じることができるのか不安も多くありました。


参加者全員の日頃の努力が実り、無事に千秋楽の幕が閉じるところまでたどり着くことができました。


最高学年の子たちはこの公演を終えるとサークルは卒業、就活を始める子や大学を卒業し社会に出る子もいます。

もしかするともう一生舞台に立つこともない、ミュージカルに関わることがない子もいるかもしれません。

甲子園の高校球児のミュージカル版と思っていただけるとわかりやすいかと思います。


この公演が自分の最後のステージ、このメンバーでやるこの演目はこれが最後。


そういった想いはプロの舞台以上に強いと思います。


そんな背景・ストーリーを持って挑む公演は技術はプロに劣るものの、遜色ないむしろ上回るほどの感動を観ている方の心へ届けます。

カーテンコールにて
スタッフさん含めたみんなで集合写真


千秋楽が終わって数日後、打ち上げが行われました。


打ち上げとは言っても会場は区民センターの会議室。


居酒屋ではない上にお酒も食事もないとても穏やかな会です笑


椅子を輪っかにならべ、ひたすら感謝や感想を述べていきます。


制作も学生のためいろんな係があります。

また各ナンバーにもリーダーがいるためそれぞれへお互いに感謝を伝え、お手紙やプレゼントを渡します。


打ち上げの本来の意味とはこういうことなんじゃないかとあらためて気付かされます!笑

僕は打ち上げのような大人数の飲み会がとても苦手なのでこういった方式はとてもありがたいです!笑

僕も振付師としてみんなからお手紙をいただきました。


このお手紙を僕はいつも自分への通知表のような気持ちで見ています。

ダンスの発表会などでも振付師の方に色紙やメッセージカードを贈るというのはよくあります。


僕も今まで何度か書いてきました。

正直メッセージがあふれ出てくる書きやすいときもあればそうでない時もあります。


気持ちが入り乗っているときはどんどん言葉が出て来ます。

自分の範囲をはみ出してしまいそうで小さな文字で書くこともあれば、あまり思いつかず当たり障りのないメッセージを大きな文字で書く時もありました。


もちろん人によって文字で表現することが得意な人も不得意な人もいるので一概には言えませんが、基本的にはそのナンバーを通して大きく感情が動く経験をした人は熱く思いのこもったメッセージが書ける印象があります。

ですので僕は自分の振付を通して何かを感じ、大きく感情が動いた子は熱いメッセージをくれるし、それは文字から十分に伝わってくると思っています。


お手紙を眺めるとシンプルに「ありがとうございました!」だけの子もいればしっかりとどういうところが自分にとって良かった、どんなことで感情が動いたか書いてくれる子もいます。


僕はしっかり熱いメッセージのあるお手紙には、書かなきゃいけないから書いてるわけではなく本当に僕に想いを伝えたくて書いてくれているんだなと感じ、すごくうれしくなります。


またそんなメッセージには僕の長所や磨くべきところが凝縮されていて自分を写し出す鏡にもなっていると思って本気で読みます。

今回約60人の出演者がいました。


たくさんの熱いメッセージがあり、きっと僕の想いや考えを振付・構成・演出という形で受け取り、稽古の時間また本番を通して色々感じてくれたんだなと思いました。


公演では毎回アンケートをお客様にもお願いしております。
以前は紙のみでしたので現地で書ける文字数にはかなり制限がありました。

今はGoogleフォームを使って回答もできますのでスマホからじっくりと書いた感想も送られてきます。

作品からいろんなことを感じ取ってくださりとても長文の熱いメッセージをくださるお客様がたくさんいらっしゃいました。


作品を1度見ただけでこんなとこまでわかるんだ!と思うような感想やこんな解釈もあるのかなど真剣に見てくださったことがわかる感想ばかりでとても嬉しくなります。


そして振付について書いてくださるお客様がいるとやはり嬉しくなります!


ですが僕が最も嬉しくなるのはメインキャスト・アンサンブル関係なく役やキャラクター、また役者のファンになったことが書いてある時です。


僕の振付の目標はダンスを上手く踊ることや正しく踊ることではありません。


登場する役・キャラクターまたそれを演じる役者を好きになってもらうこと。ファンになってもらうことです。


感想に「~の推しになりました!」と書いてある時はガッツポーズです!!


またそれが僕が関わったことによって推しになったなと確信した時は笑みがこぼれます!


ミュージカルにおける振付師の僕の仕事は脚本・演出・音楽があってスタートできます。


なので僕1人の力ということはどんな時もまずありません。
基本的にはそれぞれの良さを膨らませることが仕事です。


ですがその中でもこれは僕の考えた構成がパチっとハマり、良さが最大限に生かされたからこそ推しになったでしょ!と思える時があります。


そんな時は僕の目標が達成された時です。


また役は演じる役者によって捉え方、表現が全く変わります。
同じ役でもどう演じると良く見えるかは人によって違います。


これは僕が初めてお芝居をがっつりやった時に初めて知った衝撃的なことでした。

再演の作品だったため以前の映像がありました。
僕は振付を覚えるように台詞の言い方やリズムなどすべてを真似し、身体に入れてから稽古場へ行きました。

ダンサーの感覚でいうとまずはしっかり動きの真似をして同じようにできることを目指すのがセオリーです。


ですがお芝居の稽古場では全く違いました。

演出家は僕に「君はこうやった方が可愛く見えるからこうやって!」と言っていました。

映像で見たのとは違うぞ?と思いつつ、言われたことをすぐ表現するのは振付を覚えるのと似ていて得意なのでやってみました。

そうするとやっぱ君はこの方がいいね!となっていきます。



「てかこの役って可愛い感じで作って行った方がいいの??」


そんな考えてもみなかった観点にも気付かれさつつ、演出家が指し示す方向性の意味を考えながら演じ方のアイデアを考えていきました。

するとこの役は以前の人は少し滑稽な感じで演じていたが、僕はそうではなくそれを可愛さと捉えてそちらを全面的に出した方が良く見えるのか。


そこで、
「そうか!僕は以前演じてた人と顔も声も背も何もかも違うから僕がより良く見える表現は別にあるんだ!」と気付きました。


お洋服のコーデやオーダーメイドで作るのと同じですね。


全く同じお洋服を着ても顔・体型・雰囲気が違えば似合う・似合わない、見た目や受ける印象が全く変わってきます。

それに気付いてから僕は振付をする時にも役者の特徴を捉えながら作っていきます。


特にメインキャストは1人だけでやる動きも多いのでこの人は背が高いから、手が長いから、ダンスは苦手だからあえてあまり動かない方が良く見えるなど考えて作っていきます。

まさにオーダーメイドで作っていくということです。


また向いてないことを無理に練習してやろうとするよりも、できることでより良さを膨らませることを考えます。

ですが初めは向いてないのか経験が少なくてできないだけなのかわからないのでその見極めもしていきます。


なのでまずは様子見に1度本人へ投げてみて、それからのアウトプットを見て変えていくということもよくします。

今回の公演でいうと初めて関わる子が多かったのでその見極めにいつも以上に時間を要したということはあります。


ですので次回一緒にやるときは最初からよりピンポイントで狙っていけそうな予感があります。


このようにオーダーメイドで振付を作っていきながらどうしたらその役をキャラクターを好きになってもらえるか。
アイデアを構成・振付に盛り込んでいきます。


そして僕は作品を作る上で《ステークホルダー》が誰なのか?
またその人にどう思って欲しいか?を深く考えアイデアを練ります。


ステークホルダーとは《企業の経営における直接的・間接的に影響を受ける利害関係者》のことです。


こんな言い方をするとすごく難しく感じますよね。

ざっくり言うと直接でも間接的にでも《関わってる人たちみんな》ということです。


ミュージカルにおいてはまず客席にいらっしゃるお客様、そして演出家、プロデューサー。

実際に振付を渡す役者、ダンサー。

これらが主なステークホルダーです。
実際には制作さんや劇場、稽古場を運営する方々やさらに広げるとお弁当の業者などもステークホルダーになると思います。


日本的に言えば三方良しというようなことでしょうか。

プロの公演では演出家が自分の表現したいと思っている世界観・絵をダンスで表現できているか?を第一に考えます。

それがお客様にもっともプラスになると考えるからです。

なので演出家が「あー!それそれ!」と振付した絵を見て、頭に描いたことが目の前に具現化され心が動けば大成功。


ですが今回のような学生の公演や発表会では第一に優先すべきは演じる役者自身です。


実際に参加費を払っているのが役者自身だからです。


これがプロの公演とは大きく異なる部分になります。

いかに役者が楽しめるのか?
そしてやって良かったと心から思えるか?

それを第一に考えます。


場合によっては演出家が見たい絵がたとえ見られなかったとしても、僕がやりたいことをやれなかったとしてもそれが役者が楽しむために必要であれば優先します。


僕は優先順位を常に考え、しっかりと決めてから取り掛かります。

何か迷いが出た時、その優先順位が答えを指し示してくれることはよくあるからです。


またそれさえ固まっていれば自分の意見をしっかりとアウトプットすることができ、考えを知ってもらえるからです。

そうすれば意見をすり合わせ次のステップへ行くことができます。


そして僕が特に学生の公演で大事にしているステークホルダーが役者である学生と同時にそのご両親、ご家族です。


18歳を過ぎた大学生とはいえまだ学生であるため半分ほどはご両親が差した傘の中にいる状態です。

アルバイトで稼いだお金で参加しているから関係ない!と思う学生もいるかもしれませんが、そもそもそのアルバイトができるような基盤はおそらくご両親が築いたものである子が多いでしょう。


そこで学生が楽しむことと同時にその舞台を観にいらしたご両親・ご家族が観劇を楽しみ、

「この公演に我が子が参加して良かった。ミュージカルサークルS&Dに参加して良かった。」と心の底から思ってもらえることを目標にしています。

その上で楽しむというのはただわいわいと楽しむことだけではありません。

舞台上で真に役者自身が楽しみ、また観にいらしたご両親の心が動くようなパフォーマンスを魅せるには辛くとも乗り越えるべき壁もあります。

このオリジナルミュージカルを作っているクリエイティブチームの我々はそれらをわかった上で作っています。


「甘いだけが優しさではない」といった感じでしょうか。


我々もそれらを乗り越えたからこそ見える本当の楽しさや喜び、幸せを感じまたみんなにそれを感じて欲しいと考えています。


そのためには今ここで言うべきだと思えば、厳しいことをあえて言うこともあります。


学生の中にはきっとその時は僕たちが感情的に怒っているだけでは?と思う子もいるでしょうが、実際に本番の舞台上で、またどこかで本当の意味がわかる時が来る。
全部回収できる時が来ると思っています。

また2年前に自分自身が父親となり以前にも増して学生のご家族への想いは強くなりました。

保育園の先生など自分の代わりに我が子に何かを教えてくださる人の存在はとても貴重で大変ありがたいことです。

そんな存在に自分もなれるよう、ただ甘く楽しいだけではなく必要と感じたことは根気よく伝えていくことが大切だと感じています。


またこれはプレイヤー時代と変わらずやはり客席のお客様を楽しませたい。


学生の公演ではご家族がメインのお客様となります。
となると我が子が楽しそうに舞台に立っていることが最もお客様を楽しませるには大切な要素だと考えています。


実際に学生のお母様から今年お手紙を我々クリエイティブチームにいただきました。


今までご両親のお声が直接こちらまで届くことはありませんでした。

ですがこのように伝えていただいたことが我々の想いが作品、演じる学生を通して客席にしっかりと伝わっていたことがわかりました。

お手紙3枚に渡り、想いが伝わってきました。

演じる学生・お客様・ご家族・お友達
関わってくださる皆さまからのお手紙やメッセージから2022年の自分は良い仕事ができたのだなと心の底から思うことができました。


ミュージカルの振付は数字や勝ち負けで結果が現れるような仕事ではありません。


ですので自分がやっていることは合っているのか不安になることも多いですし、自分の主観が間違っているのでは?感覚が鈍くなっているのでは?とわからなくなることもあります。


ですがこのようなお言葉をいただき自分自身を肯定することができました。


S&D Projectの2023年のラインナップはすでに発表されております。

《S&D Projectとは》
https://sandd.themedia.jp

こちらの記事では僕がS&D Projectに関わるきっかけが書かれております!
https://note.com/sanddproject/n/n54baedb060e0

【6月17、18日 】
新作『おどり村と妖の森』トライアウト公演

【7月末 】
『ひとりぼっちの夜』リーディング公演

【9月17日 】
『ひとりぼっちの夜』埼玉一般公演

【12月10日 】
新作『おどり村と妖の森』 ミュージカルサークルS&D本公演


今年はなんといっても2年ぶりの新作の上演がございます!


また9月には初めて埼玉で一般の方向けに出演者募集をし、上演する一般公演もあります。

今まではプロによるトライアウト公演、ミュージカルサークルS&Dの学生公演をやってきました。


一般の方を募集し上演することは初挑戦となります。

S&D Projectにとっても僕にとっても勝負の1年となります。

今年は今まで以上に多くの方に出会い、出演者の楽しむ姿、ご家族・お客様の心動き笑顔になる姿に出会えるよう活動していきます。


長くなりましたが2022年の振り返りは以上となります!


振付、ダンスレッスン、パーソナルトレーニング、オンラインレッスンと関わってくださるすべての皆さまに支えられ素敵な1年となりました!


1月中にはもう1記事、今年の抱負について投稿したいと思います。

ぜひそちらもお楽しみにお待ちください!


読んでくださりありがとうございました!

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