国際バカロレアの学びの基盤「知の理論」③

◎新TOKに向けて③

新・知識に関する問い×QFT

 TOKを担当させていただく中でつくづくこう思います。教職に携わるものであるならば、「知識に関する問い(KQ)」を考え続けていない人はいないはず。

「我々はどのように知識を獲得するのか」→「生徒はこの問題をどのように理解するのか」

少しだけ科学の研究に携わったものとしても同じことを思います。

「我々は理解したことをどのように知るのか」→「何が明らかになればこの現象を説明したことになるのか」

 新TOKのカリキュラムでは,問いの本質は不変ですがKQの扱いが大きく変わりました。「生み出す」要素は少し身を潜め、「探究する」ものとしての要素が色濃く出ています。IB曰く、学生の生み出すKQが的を射ておらず、それに続く考察が深まっていないとのこと。探究を優先する方針から、IBに提出するパフォーマンス課題は、IBの提示するKQに基づいた展示を行うものへと変更されました。

 きわめて、合理的な判断であると思う一方で「問い」を生み出すことが大きな力である、と考えている栢野にとって少し残念思えてしまいます。ただ、指導の手引きではKQの4要素が示され、現行のものよりも分かりやすくなったことは否めません。

 もちろんKQを生み出すことが禁じられているわけではないので、KQ×QFTをやってみたいと思います。

「たった一つを変えるだけ」ダン・ロスタイン、ルース・サンタナ(新評論)

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