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地方(名古屋)でアクセス解析の会社を経営してきたけど、一体どんな仕事してきたんだという話

このブログは
いちばんいやらしいWebマーケティングの教科書 Advent Calendar 2022
の19日目に寄稿します。

今年はたっくん無双なので、もう、神として崇めておきます。
言ってしまえば、たっ神。

昨日はとある企業のCMO 柳澤さんです。きっとマンゴー病のマーケティングを担当されているのだと思います。
ものすごく良記事で、ぼくもこんな成果出して記事書いてみたい憧ればかりです。

ということで、トップを狙いながらも、まいどまいど血と涙と埃にまみれた、炎の熱血友情ハードSF宇宙科学勇気根性努力セクシー無敵ロボットスペクタクル大河ロマン!!!!!を追求した記事に仕上げられたらと思います。

書き終わったら、7,000文字超えたので、ぼくの大学院のどのレポートよりも文字数多くなりました。てへっ。


どんな会社?

アクセス解析を中心にマーケティング支援をしている会社とお答えしています。
また、業務内容が広いので、中小企業のマーケ担当者を担う仕事です。とも言っています。
会社を経営と言っても副業でお手伝いいただいている従業員が3名なので、フリーランスとそんなに変わらないと思っています。

会社の由来等は女神様が書いてくださいましたので、割愛します。
ロゴと名刺は女神様にご依頼しております。
こんな気持ちでお仕事してくださるなんて、ただただ感謝しかありません。

独立して仕事をしてきた中で尊敬している方は何名かいますが、
みなさんから共通して言われているのは、
「幅広い業務をやったほうがよい」
です。

一つのことを深掘りするのはもちろん大事ですが、どこかで頭打ちしてスキルが伸び悩んだり、幅広い業務をこなすことで事業全体を回すことができたり、単なる外注として仕事するよりも企業に深く入ることで組織全体の改革をしたりと、企業の成長を考える上でできることを増やしていくような感じでしょうか。


企業の成長に合わせて自社のサービスを提供する

こんな考えで仕事しています。
クライアントさんからの初めてのご相談は、だいたい集客に関してです。
集客がある程度ついてきたら、今度は人材採用や広告費削減フェーズに移る。人材採用が困れば、こちらで採用マーケを担当して必要な職種の応募を獲得しますし、広告費削減すべきであれば、コスパ悪い広告を削ったり、自社でマーケのインハウス部門を自走できるようにマーケ担当者の採用~教育まで行います。

以降、おおよそこんな感じの流れで。という雑であれですが、雑なまま進めていきます。
この仕事をコンサルと言われるのであればそうかもしれませんが、コンサルと名乗ったことは一度もありません。
たっくんも書かれているように、コンサルって多いですよね。他者様が頑張って作り上げているビジネスを外野から改善するなんて、そんな簡単なものじゃないと思います。

企業の課題を把握

何をしたいのかを把握することが大事だと思っています。
よく、売上を上げたいと言われて相談いただきますが、そうではなくて実は採用のが優先順位高いケースもあります。
これに関しては過去にウェブ解析士協会から取材いただいた時にお答えしていますので、この取材記事をもって回答とさせていただいます。

大切なのは、自社が提供できるサービスから逆算するのではなく、クライアントさんが抱えている課題を色んな方向から出してみて、優先順位をつける。出発点は自社サービスではなく、クライアントさんの課題。

アクセス解析

過去に記事を書きましたので、ここは割愛します。
一つ言えるのは、解析に携わっていたからこそ、以下に出てくる仕事ができたのだろうと思っています。

アクセス解析だけではできることってほんとに限られてますので...
お仕事させていただく際にアクセス解析をすることもあれば、しないこともあります。柳澤さんも書かれていたように、サービスを見直すのが良かったり、たっくんが書かれているようにデータを盲信するようなことになれば誰も救われない可能性もあるので、絶対にアクセス解析が必要。とならないことが良いのではないでしょうか。

もちろん、アクセス解析を否定しているわけではなく、アクセス解析が全てと思わないことが大事だという意見です。


マーケティング全般

ということで、解析だけしていてもだめだと考えているので、これこそ総合格闘技的に考えていきます。
企業の多くは露出するために、とにかく面を取りに行く方針で進めます。
もちろんテンプレートのようにできるわけではないので、企業ごとに合わせて進めますが、それでもある程度の露出を担保しないと集客はできないので、無理しない程度に面を取りに行きます。

これこそ、経営資源とにらめっこと言いますか、
・予算はあるのか
・問い合わせが増えた時に対応できる人材はいるのか
・サービスの空き枠や在庫はあるのか
など多方面から考えて、決断していきます。

ぼくはECはあまりやらなくて、ローカル(店舗型)ビジネスが多いです。
そのため、特にサービス業とかですと問い合わせ獲得後のサプライチェーンはほとんどの場合において極めて短いです。ECだとここが大変そうだなあと思ってみています。サービスは供給できて初めて良い循環が生まれると思っていますので、ちゃんと供給まで考えておきたいです。


KPI管理

重要な指標はどこなのか目星をつけます。その指標はどういう定義で取得されているのかなども考えます。
もちろん全ての企業に一律でこれが良いと言えるわけではないので、一緒に考える必要はあります。

企業のフェーズによっては細かなKPI管理よりも、とにかく売上を上げることに専念する。そのためには各数値の定点観測よりドバッと勢いで進める。という企業もあります。これも別に悪いわけではなく、企業文化の違いかなあと思います。

また、そのKPIとして決めた数値がGAをもとにしていたとして、GAを使っている人からするとちょっと?になるような指標であったとしても、修正するケースもあれば修正しないケースもあります。
途中で指標を変えるとデータの連続性がなくなるので、それによるデメリットのが大きい場合もあります。データの正確性とデータの連続性、どちらを優先するのかは、企業ごとに判断すれば良いと思います。


受注管理

リード獲得が目的のウェブサイトの場合、問い合わせが来た後に受注に繋がっているのかが重要になります。
受注率まで追っていくには、クライアントさんに都度データ入力だったり手間がかかってしまうことが多いので、リソース的に追い切れるかどうかを見て進めていますが、個人的には受注率まで終えると良いかなあと思っています。
リソース的に追い切れる場合は、マスタデータになっているものを共有いただきながら、案件の受注率の把握や問い合わせから営業マンごとの受注率を把握したりしています。

KPIと見出しを分けたのは、ウェブ屋さんが言うKPIってウェブ上で完結するものが多い印象なので、そうではなくてビジネスの現場での数値のが大事なケースって多いと思ったからこそ、あえて見出しを分けました。
これができるのは、自分の過去の営業職の経験が大きいかなあと思います。
たっくんの記事にある通りかなあと。


採用マーケ

売上がついてきたら人的リソースが足りなくなるのはある種当然の流れではあります。
そのため、採用も頑張ってこちらで行います。もちろんうちは求人とか採用とかの会社ではないのですが、できることはやります。

採用の問い合わせを獲得するまでがうちの仕事ではありますが、場合によっては、ぼくが全く関わらない職種の方でも面接に同席するケースもあります。仕事のスキルではなく人間的な視点からの良し悪し、面接官が同席した場合にその面接官へのフィードバックなど、できることは何でもします。


従業員の労働環境の把握

採用マーケをやるからこそ、ここに目がいきます。
採用をすると、そのスタッフがいつまで働いてくれているのか、働く職場環境でもう少し改善できることはないのか。など、色んなことを考えるようになります。
だからこそ、大きな規模になれば、スタッフの平均勤続年数を計測したり、労務周りをデジタル化するにあたりツール導入を担当したり、インセンティブ制度の再設計など、解決できる問題があれば基本的には解決する方向で動きます。一人で動くのではなく、クライアントさんと協力しながら作り上げていきます。


経営理念の作成

企業が大きくなってくると、経営理念というかスローガンというか行動指針というか、そういったものが合ったほうが話が早いケースもあります。個人的には、企業にとって経営理念は必須かと言われるとどっちでも良いという答えなんですが、それでも、作ったほうが良いときがきたら、作成するのが良いと思います。

そのため、企業内で経営理念を作れない場合はこちらである程度の叩きを作って、お渡ししたりもします。
もちろん経営理念コンサルタントとか名乗っているわけではないのでプロではないですが、大事なのは、自社内の人たちが階層関係なく、同じような方向で意思決定できることだと思います。軸を通すというのでしょうか。ぼくにもほしい、人生の軸。


インハウスマーケ部門の立ち上げ

先程の売上がついてきた場合に、サービスに直接関わるスタッフの採用に移るケースと自社マーケを強化するためにインハウス部門を立ち上げるケースと分かれます。

1年以上ぼくの部下として一緒に仕事している女性がいます。
ぼくが外部で支援し始めたときと比べて企業規模が大きくなってきたので、そろそろインハウスで一人採用。となったのでこちらの女性を採用していただきました。求人原稿作成や面接、入社後の教育はぼくがやっています。外部の上司という感じでしょうか。

彼女の仕事はデザイン、簡単なコーディング、ぼくの渾身のギャグを真っ先に聞いて失笑するくらいです。ギャグハラという言葉を教えてくれた恩人ですが、そろそろぼくの大喝采のギャグですら無視されるのではとハラハラしています。
とはいえ、仕事のスキルも人間性も含めて、誰に紹介しても自信を持って優秀だと言える大切な人材です。


チームづくりと良いチーム

これだけで1記事書けるのですが、良いチームを定義するならば、1+1=2以上になることでしょうか。
2以上というと2は含むんですね。という声が聞こえそうなので、2.1くらいにしておきます。

2にするにはお互いの業務に干渉せずに仕事をすれば良いのですが、それってそもそもチームの意味はないですよね。
じゃあ単純にお互いのタスクをフォローしあえば良いのかというと、それはそれで、お互いの仕事の比重が変わるだけだったり、作業効率の高い方に仕事を振ることで2以上になったりもすると思いますが、でもそれってチームとして価値があるというより、仕事を振りあうだけの関係性なのかなあとも。

頑張って1+1=3以上とかを目指すには、お互いの関係性が大事だと思っています。
その関係性を作るには、いると言われていないスターバックスラテを買ってあげることです。

と言うのは横においておき、良いことも厳しいことも相手のためを思って率直に伝える。伝えるためには、悪口や傷つけるだけの言葉ではなく、常日頃から人間的に好き(=信頼している)であるからこそ、ここぞという時に厳しいことを伝えられるし、相手から厳しいことを言われたとしても、拗ねるでもなく批判するのでもなく、言葉を受け止められるのだと考えています。
これは、部下だからというわけではなく、クライアント企業の担当者さんも同じだと思っています。

しかし、チーム作りや会議メンバーの構築がうまくいかないケースもあります。
修復できる場合もあれば、修復できない場合もあります。こればっかりは人間同士なのでなんとも言い難いですが、最後は企業のためになっていればそれで良いと思っています。
チームメンバーの成長が企業の成長と一致していればベストで、チームメンバーの成長はしても企業の成長とリンクしないケースもありますので、この場合は非常に悩ましいです。

チームでうまくいくためには、些細なことに対して、ありがとうとごめんなさいを素直に言えることが大事だと思います。古田大先輩のおっしゃるとおり。

ここまできたら、あとは今まで書いた流れをしっかり回すこととそれぞれの精度を高めていくような動きをする感じでしょうか。
最初の窓口になるような集客部分を軸に進めていき、ある程度穴を埋め終わったり作業が落ち着いてきた段階で、経営の上流部分やバックオフィスでフォローできそうな箇所を集客(採用)と同時に進めていきます。
どこで詰まっているのかを見ることができれば、適切に対応して流れをよくすることができる。みたいなことをむかーし神が申されていたような気がします。


その他業務について

やっていること全部書いてあるの?と言われるとあんまり書ききれてない印象ではありますが、大枠の流れとしては合っていると思っています。
なんとなくお察しいただけるかもしれませんが、やればやるほど自分の手が回らないですし、ウェブよりも大事なことが出てくることも多々あるので、その時々に合わせてクライアントさんにとって必要なものに対応するという感じです。
全案件に対して上記全ての業務を行っているわけではないのは、これもまたクライアントさんにとって必要なものを取捨選択しているからです。必要とされればだいたい何でもがんばります。


ずらすことの大切さ

人と同じことをやってもだめなので、軸をずらすことは大事だと思っています。

「広く浅くやるのが大事なのね」
と言われればそれまでなんですが、その広さが大事なのは、業務を広げてみた時に初めて気づく穴があるのであって、その穴に気づいたら時と場合によっては大きく深めて対応しなければいけないこともあります。
「これだからこうだよね」のように一概に言えるようなものではないと思っています。

また、アクセス解析をしているからこそ、SEO・リスティング広告・アフィリエイト・SNS・広告媒体など色んな人と話ができるのだと思っています。アクセス解析だけでは事業に貢献しにくいため、様々な分野の方々と一緒に仕事しなければいけません。これも広く浅く、でも、各分野で専門性を持っている方とは話ができるように。
今回のアドベントカレンダーにも、カミカミの実を食べられたGAの神がおわします。


これでほんとに結果出るの?

素直に言えば、結果を出すのはほんとに大変です。
結果が出ないというわけではなく、出すためには頑張らないとだめだし、頑張ってもうまくいかないこともあります。

数字を作れば成果として出しやすいですが、例えばブログを書いてもらうとしても、クライアントさんの大事な時間という経営資源を使って取り組んでもらっているので、自分がすごいわけではなく、クライアントさんが取り組んでくれたからこその成果です。
でも、自分たちで成果を出すと言いますか、流れを持ってくる意識や行動はすごく大事なのです。

その上で自分の成果はと言われると、中々測りにくいなあというのが本音ですが、担当させていただいているクライアントさんがほぼ解約なくずっと一緒にお仕事させていただいているので、自分の仕事に価値はあるのではないかと思っております。半年やって変わってきたね、1年やってああ、去年に比べて良くなっているよね。って感じで、一歩一歩進めていく感じです。

天地がひっくり返ろうとも、本読んだだけだったり理想論だけではウェブマーケができるようにはならないです。


だからこそ、ずっとやってこれた一番の理由

即答で、クライアントさん・パートナーさん・従業員に恵まれたからです。特にクライアントさんには頭が上がらないです。
独立して4年半近く一度も営業していなく、ほぼ全て紹介やお知り合いの方からのご相談なのでありがたい限りです。数多く引き合いがあるわけではないため、同業に比べても抱えている案件数は少ないと思います。

ただ、クライアントさんと濃くお仕事できるからこそ学ばせていただけることも多く、成功も失敗も共有しながら進めるので、自分も成長できています。成功ばかりではなくて失敗するときもあるんですが、その失敗を許容してくださるからこそ、真摯に向き合って頑張らないとと思います。

また、成長するためには、自分の業務はここからここまで。と決めないことが大事だと思っています。
決めてしまうと、その範囲内でしか仕事ができなく、成長が頭打ちになってしまいます。やったことないことでも相談をもらったらとにかくトライしてみる、専門外のことでも課題になってそうなことがあれば、自分でやってみる。など業務の幅を広げていくのが良いかと。
勤めの場合は難しいかもですが、フリーランスの人や自分に権限がある立場の人ならできるはずです。


そんな感じの仕事をしてきました

我ながら再現性がない仕事をしています。再現性のなさを実感するたびに経営者に向かないなあと常々思いながらも、ゆっくりじっくり一歩ずつ会社が成長していけばよいかなあとか考えながら、経営しています。

IPOもバイアウトも考えていませんが、自分以上に会社のことや自分の考えを継いでくれる人がいたら嬉しいなあと思っています。
何より、会社があることで誰かが喜んでくれるなら、めちゃくちゃ幸せです。困っている人がいたら、助けたい。助けたい、役に立ちたい気持ちと自分の夢や自社の事業が重なっていれば、そんな良いことはないですよね。

今までで一番真面目な記事になってしまいましたが、最後に、マーシャル・D・ティーチから教わった言葉を一言だけ。

人の夢は、終わらないのです。

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