見出し画像

大切な経験となった、はじめてのロゴづくり。

コワーキングスペースのベースキャンプ名古屋で働いていたときからお世話になっている、会員の二村さんよりロゴ制作のお話をいただき、作成しました。

作成したロゴはこちらです。

画像1

画像2

今回初めてのロゴづくりだったことと、お世話になった方のロゴを作らせていただけたのがとても嬉しくて、作成の過程を残しておきたいと思い、noteに書いています。

もしロゴを初めて作る方や、ロゴづくりに興味のある方にとって、なにかほんの少しでもご参考になれたら嬉しいです。

「Ivy do」の由来

まずは、二村さんから教えていただいた屋号の「Ivy do」についてご紹介したいと思います。

「Ivy」は、二村さんの大好きな「アイビールック」が由来です。また、「Ivy」は植物の「つる、ツタ」の意味があります。屋号には、上品なトラディショナルスタイルの王道である「アイビールック」と「つる、ツタ」の意味を持つ「Ivy」にされたそうです。

「do」は、二村さんが尊敬されている先輩方の屋号が、みなさん「○○堂」のお名前が多いので、ご自身の屋号にも付けたいと考えていたとのこと。「実行する、遂行する」の意味をもつ動詞の「do」と「○○堂」をかけています。

ロゴについて

【シンボルマーク】

画像3

●形のこと
もとの形は「吹き出し」です。二村さんは、対話、コミュニケーションをとても大切にされている方なので、それをイメージできるものにしました。

吹き出しが重なる部分は、二村さんとお客様が対話を重ねていくことを表現しています。そして2つの吹き出しが重なる部分は「アイビーの葉の形」にしました。

アイビーの葉の形にした理由は、屋号の「Ivy」とかけているのもありますが、この吹き出しが重なる部分は「対話を重ねて知り得る、お客様が目指したいところ、本質であるお客様が本当は解決したい」とても大切な部分だと考えました。

この大切な部分をお客様とツタのように前進していく、伸ばしていく、という意味を込めて、アイビーの葉の形にしました。

●ロゴ(文字)のこと

画像4

二村さんからいただいたヒアリングからロゴに求めるイメージとして「上質」「オーセンティック」「誠実」「クラシック」「由緒正しい」の言葉をいただきました。

そのため「Ivy do」の文字は、歴史のあるクラシックな書体をもとにしています。シンボルマークがあるため、文字はシンプルに、装飾を加えないようにしました。

●色のこと

画像13

「上質、オーセンティック、誠実、クラシック、由緒正しい」のイメージから、ロゴのメインカラーは紺色にしています。また、調べていくとアイビーファッションは、紺のブレザーにメタルボタンが定番スタイルとのこと。アイビーファッションの定番とされている、紺色×ゴールドの配色にしました。

***

ここからは完成までの過程を書いていきたいと思います。

①ヒアリングの前に準備したこと

1. ロゴのヒントとなりそうなブログにすべて目を通した
日頃から見ていたのですが、二村さんのブログをもう一度すべて読み直しました。特にお気に入りの製品を紹介されている時は、そのブランドと製品についてのサイトと情報を検索して「なぜそのブランドや製品が好きなのか?」を確認していました。
ブランドの歴史やストーリー、製品を知ることは、その人が大切にしている考えや価値観とつながる部分があるからです。今回、お気に入りのブランドを知ったことでロゴの書体選びの参考になりました。

2. ブログとSNSを読んで、イメージを書き出す
二村さんのブログやSNSで発信されている内容は、ヒアリングの質問を考えるときに大変参考になりました。また、ヒアリング後にも、私が書きだしたイメージと、実際の二村さんからの回答を照らし合わせ、同じだった言葉やロゴの材料となりそうなキーワードを集めました。

画像14

②ヒアリング

屋号である「Ivy do」の由来を聞いた上で、二村さんのお考えや、お仕事についてさらに詳しく聞かせていただきました。今回、ヒアリングはすべてテキストで行いました。

二村さんへヒアリングをした内容は下記です。質問事項をwebでもいろいろと調べたのですが「ヒアリングの内容がすべて紹介されている記事ってないなあ」と思ったため、今回すべて載せたいと思います。(ご本人からも紹介することをご了承いただいています)

●ヒアリングで教えていただいたこと(合計18問)

【ご自身について
・二村さんが大切にしていることは何ですか?
・イヤだと感じることは何ですか?
・二村さんが嬉しい、楽しいと思う瞬間は?
・どのような想いで独立をされましたか?
・これから叶えたいことはありますか?
【お仕事について】
・お仕事のお客様(ターゲット)はどのような方が多いですか?
・二村さんのお仕事を一言で表すと?
・ご自身が強みだと思われていることは?
・これからのビジョンをぜひお教えください!
【ロゴについて】
・ロゴから連想して欲しい言葉は?
・どんな印象を持たれたいですか?
・ロゴタイプ(文字だけ)、もしくはロゴマーク(文字+シンボルマーク) どちらがご希望でしたか?
・ロゴで使用したい色、もしくは大切にしてきた色などはありますか?
・ロゴを作る目的は?
・ロゴの用途は何がありますか?
【屋号について】
・屋号の「ivy do」の文字は大文字、もしくは小文字ですか?
・「do」の呼び方について
・「ivy do」の「ivy」と「 do」の間にスペースは入りますか?

ご多忙にもかかわらず、ありがたいことに二村さんからはクライアントさまへの熱い想いや、学生時代に体験したエピソードとともに、7000文字(!)を超える回答をいただきました。

③気になった言葉と文章を抽出

次にいただいた回答から、よく出てきた言葉と印象的だった文章をピックアップしていきました。

・まっとうなことをしたい。

・あなたがいて良かったと言ってもらえる仕事をしたい。

・若い人に希望を持ってもらえる人間になりたい
・解析の基礎がわかった上で、解析で出てきたデータを使った提案ができるのが自分の価値であり、ここのクリエイティブ性は負けたくありません。

・アクセス解析やウェブ広告が好きですし、何よりテレビ、紙含めた広告全般が好き
・今まで以上にクライアントファーストで結果を出したい
・ウェブだけで事業が上手くいくこともありますが、もっともっと会社全体が良くなれば言いと思っているので、できる限りのことはします。
・あと、当たり前ですが、逃げないです。向き合ってみて、できるものはできる。できないものはできないとします。
・何を王道や本質と定義するかが難しいところではありますが、現状では、「人に良いこと」を大事にしています。


(二村さんからの回答より)

回答には二村さんのブログのタイトルにもなっている「自分の人生、きっと自分が主人公」となる体験のお話や、仕事をする上で大事にされている考え、想いを書いてくださいました。

二村さんからお返事をいただいた時も、このnoteを書くために読み返している今も何度も元気をもらい、気づかされることがたくさんあります。

④作る前に「どんなロゴにしたいか」を整理

画像8

まず作るときに、軸となる「こんなロゴにしたい」と考えたことを書きだしました。「ロゴを使用することで、どんな気持ちになってほしい?」をもとに考えました。

・使う人(二村さん)にとって、話したくなるようなロゴを作る。
・「二村さんだからこそ」「二村さんらしい」ロゴを作りたい。
・ロゴの意味は、パッと見ただけでは気づかれなくてもいい。 
 
→二村さんがロゴの話をすることで、聞いた方が「へぇ!」「なるほど」「確かに」と楽しさ感じてもらえるようにしたい。
・名刺交換の際など、会話・コミュニケーションのきっかけになれるものにする。

使用する方にとって愛着を持ってもらえるような、ロゴについて聞かれたときに、話したくなるようなワクワクするロゴを作りたいと思いました。

⑤ロゴを考えていく

●「本当にこのロゴがベストなのか?」大きくなる違和感から気づいたこと
当初、考えていたロゴは、Ivyにつる(=事業・webのアクセスが伸びていく)の意味を込めて、シンプルで文字が主体となるロゴを考えていました。

画像14

印象として、王道、正統派なイメージがあったためです。しかし、いくつかロゴの案を書きだしているうちに少しずつ違和感を感じていきました。

なぜ違和感を感じたのか。理由を考えていくと「二村さんが使うからこその、意味のあるロゴにしたい。」そう思っていたはずなのに、「このロゴは二村さんじゃなくてもいいのでは?」と気付いたからです。

ではご依頼をいただいた二村さん「だからこそ」と「らしさ」とは何だろう?あらためてロゴの意味について、考え直しました。

●「らしさ」について考える
ブログと回答を読み直しながら、もう一度二村さんのイメージ、キーワードとなる言葉を書きだします。

・コミュニケーションを大切にされている
・ヒアリングに、7000文字以上の回答とエピソードを伝えてくださった
・お客さんに対して「できること」と「できないこと」を誠実に伝えている

コミュニケーションを大切にされているのは、二村さんのブログで書かれてもいますが、実際にお会いしたときも感じていたことです。

これらの言葉からあらためて見えてきたことは、二村さんは「どんな人に対しても、ちゃんと向き合ってくれる」でした。

『目の前の人に対してちゃんと向き合い、対話(コミュニケーション)を大切にしている』
このイメージからもう一度、ロゴを考え始めました。

画像13

画像13

やがて「対話」の表現として、一つの吹き出しのマークを思いつきます。

さらに対話のイメージから、吹き出しを向かい合わせにします。その二つを重ね、いくつかラフを描いていくうちに、アイビー(Ivy)の葉の形が見えてきました。

画像8

最初に紹介をした、アイビーの葉の形に込めた意味と、このロゴ案を二村さんに提案したところ、気に入っていただけて採用。何度か色と形の調整を重ねて、完成へと仕上げていきました。

画像11

私にとっても大切なロゴに。

「ロゴに込める想いはなにか?」を考える試行錯誤は、悩みながらもとても楽しいものでした。ロゴづくりを始めてから、普段の生活で目にする多くのロゴには「どんな意味が込められているのだろう」と考える時間も楽しかったです。

そして何より、お世話になった方のロゴを作らせていただけたこと、おまかせくださった二村さんには感謝しかありません。私にとっても大切な経験とロゴになりました。この場を借りて、あらためてお礼を申し上げます。

使用いただく二村さんにもまわりの方にも、愛されるロゴとなりますように。また、このロゴが会話など何かのきっかけになれるように、と心から願っております。

最後に、ロゴ作成で参考にしたサイト・書籍

画像13

●サイト
ロゴの作り方の全て。初心者に見てほしいデザインのコツ・考え方のまとめ|ひとり広報
私のように「ロゴづくりについて、右も左も何もわからない…!」という方に。本当におすすめです。

●書籍
ロゴデザイン・ラブ! -僕の失敗と成功、みんなの話からわかるブランド・アイデンティティのつくり方
ロゴづくりの大切な考え方や心構え、方法とプロセス、「優れたロゴに欠かせない基本要素」を教えてくれます。特に制作事例は、クライアントさまからの要望も書かれており「そこからこういう考え方をした」と簡潔に説明されていて、わかりやすかったです。

この本から、ロゴ作りに大切なことは「オリジナルの根となる大切な部分がある。それを見つけていく」という考えを教えてもらいました。

たのしいロゴづくり -文字の形からの着想と展開
おもに書体のイメージからのロゴづくりの方法が書かれています。たとえば、書体の一部をカットしたり「一部に色をつけることで効果的なロゴになる」などです。

欧文、和文ともに書体のもつイメージが紹介されているので、書体選びの参考になります。書籍の後半には、NHKのBSチャンネルのロゴなど実際のロゴづくりのメイキングが掲載されているため、デザインの工程を確認でき、大変参考になりました。

●SNS
Pinterest
 ロゴデザイン、アイビールックの情報収集に使用していました。

追伸

二村さんは、主にWeb解析のお仕事をされていて、以前はベースキャンプ名古屋などでWeb解析のイベントを開催されていました。

Webやアクセス解析にご興味のある方は、もしまたイベントが再開されましたら、ぜひご参加ください。以前、二村さんがコワーキングスペースで開催されたイベントの様子はこちらを参考にしていただけたら幸いです。

また、私がお世話になっていたコワーキングスペース「ベースキャンプ名古屋」は名古屋駅から徒歩5分と駅からも近く、作業環境、設備ともにとても素晴らしいスペースです。(ハーマンミラーのワークチェアがものすごく快適なのでおすすめ!)

会員のみなさん、スタッフのみなさんも優しい方ばかりなので、初めてコワーキングスペースを利用される方にも、快適に作業していただけると思います。
現在、ビジター利用事前予約が必要とのことですが、ご自宅だとなかなか作業が進まない、捗らない方はぜひぜひ!

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。 あなたにとって、幸せな、素敵なことがありますように!