ユーザーの困りに合わせたカテゴリー検索を設計しよう
デザイナーの伏木です。
LITALICO Advent Calendar 10日目の記事です。
現在、社内のWebサービスに対してUI/UXをメインに関わらせていただいてます。
テーマは最近手がけていたカテゴリー検索機能についてです。
普段からよく見かける機能ですが、サービスの性質やユーザーの持つ課題によって見せ方に違いがあるなと感じる部分があったので自分なりに分析していたことをまとめました!
カテゴリー検索とは
このようにジャンルやニーズごとにカテゴリー分類し、それぞれを細分化した構造を用意することで自分のニーズや困りに近しいものを選択して目的のコンテンツを探し出しやすくするという検索体験のことです。
どういう時に利用したくなるのか
様々なサービスで見かける機能ですが、そもそもユーザーはどんなタイミングで利用したいと思うのかみなさん考えたことはありますか?
基本的には「困りやニーズを満たすコンテンツを求めてはいるがそれが何かは明確になっていない」という状態に使われると思います。
困りの解決策が明確であればGoogle検索やフリーワード検索の方が圧倒的に使い勝手が良いです。
一方でレコメンド機能や通知、お知らせメールなどの開発側からの外的なきっかけによって利用するものではなく、ユーザーが能動的に自分から欲しい情報を探そうとしているタイミングでこの機能が役立つのかなと思います。
カテゴリー検索の見せ方
基本的にはコンテンツ(商品や記事など)を構造的に分類して探し出しやすくするという体験がこの機能の役割となっています。
ですが、見せ方として大きく2パターンあるのかなと感じており、その違いについて実際のサービスを元に比較してみました。
①メルカリ
・ヘッダーに設置
・階層構造は3段階
・一度に最下層まで降ることもできるし、途中の階層を選択することも可能
→自分の困り感の抽象度に合わせて選択が可能
・トップページのメイン画面に設置
・階層構造は2or3段階
→一気に最下層には下れず、抽象度の高い大カテゴリーから徐々に深掘りしていく
・内包されているコンテンツ
→大カテゴリーによって用意されている体験が違う
見比べても両者の見せ方にかなり差があるように感じました。
そこでまずは流入してくるユーザーの課題を比べてみましょう。
ユーザーの抱える課題
メルカリ
『そろそろアウターが欲しいと思っていたから良さそうな出品がないか探してみよう』
『おしゃれな時計欲しいけど新品は高いからメルカリでないか見てみよう』
弁護士ドットコム
『ドライブ中にトラックに追突されたけどどんな対応が必要だろう』
『婚約者と離婚したいけど、何から手をつければいいの』
主観ではありますが流入してきそうなユーザーをイメージしてみました。
こう見比べるとユーザーの課題に対する解決方法はどちらも明確ではないものの、弁護士ドットコムの方は課題の粒度が大きい印象を受けました。
届けるコンテンツ
メルカリ
出品された商品
弁護士ドットコム
記事 / Q&A / 診断テスト / チェックテスト / 解決のためのガイド集 …etc
メルカリは求めているジャンルは違えど困りの性質は同じなので、届けるコンテンツは単一です。ですので、構造としてもとてもシンプルな設計となるのかなと感じます。
一方で、カテゴリーにもよりますが弁護士ドットコムは困りの性質が複数あり、様々な解決への切り口が必要とされるため記事などのコンテンツだけでなく解決に導く機能なども複数用意されていました。
検索体験
メルカリはやや中級者向けだと感じます。カテゴリー名をヒントにニーズを満たす項目を認識して選択することが必要とされます。
一方、弁護士ドットコムは順番に深掘りさせる構造となっておりやや初級ユーザー向けに感じました。そもそもどれを選べばいいのかわからないという困りを持つユーザーがいたとして、期待に添えないカテゴリーを選択させてしまいユーザー体験を損ねてしまうことを防ぐためだと考えられます。
他サービスを2つのタイプに分類
2つのタイプのカテゴリー検索を紹介しましたが、他のサービスでも相性の良いものを紹介します。
メルカリタイプ
主にECサイトなどはこのタイプが多いように感じます。この機能はあくまで補助的な役割となりそうです。
弁護士ドットコムタイプ
こちらはWEBメディアでも就職や転職、結婚などのジャンルにおいて見かけました。上記のジャンルのように人生に何度もあるようなイベントではなく、何から手をつけようか路頭に迷うようなユーザーが一定数いるようなサービスで相性が良さそうに感じます。
メルカリタイプと違いリッチに設置され、解決のための様々な切り口からユーザーをサポートする役割を担っていそうです。
まとめ
カテゴリー検索自体は構造的に探しやすくするという機能です。
ですが、あったほうが良さそうという理由で制作するとあまり使われない機能となってしまうので、ユーザーがどんな困りを持って利用するのか考えた上で体験を作れるといいですね。
サービスの性質や導入タイミングによって必要性や見せ方は最適解を考える必要がありますのであくまで参考にしてもらえればと思います。
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