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グループLINEに「つながらない権利」を主張するスタッフ

こんにちは、北村(@PLAN-B)です。

以前、チーム連絡のLINE疲れ、、という記事を書いたことがあるんですが、

先日、通ってるジムに設置されているテレビを何気なく見ていると、

情報番組内で、「つながらない権利」という特集が扱われてました。


簡単な内容としては、

休日や勤務時間外に、メールや電話に対応しないなど、
仕事の情報に一切つながらなくてもよい権利、ということで、、

ちゃんと、1000人を対象におこなった調査も添付されていて、

「就業時間外の緊急性のない業務連絡について」

就業時間外でも対応したいと思う 18.6%
対応したくないが対応するのややむを得ないと思う 46.7%
連絡があっても対応しないと思う 15.2%

と、約65%の人が連絡がくれば対応すると回答している、

というものでした。


動物病院でチーム内のコミュニケーションにLINEを用いている病院さんは
とても多いです。


動物医療という特殊な仕事である以上、

緊急性や、命に関わる情報も含まれる中で、
時間を問わない対応は必要不可欠なものになってしまうという前提の上で、、

ただ、やっぱり、この情報のやり取りが、
スタッフの皆さんにとっての「ストレス」になっている可能性があることは否めない、、、ですし、

先の調査にあるように、
社会一般的に、こういったことを毛嫌いする風潮が市民権を得てきていることを感じます。


今回の記事では、

慣習に従わせることで得るものと失うもの
情報共有ルールの整備とメリハリ
影響力のある率先者

こんな内容をシェアさせていただきます。

慣習に従わせることで得るものと失うもの


病院内、チーム内での情報共有について、

ルールを設けているか、いないか、

僕の支援先においても、現状まだまだルール化が進められていないと感じます。

症例の共有から、チーム内での新たな決まり事の共有、
はたまた、遅刻・欠勤の連絡まで、

特にLINEを使っている病院さんが多いんですが、

ひと昔前まではいわゆる「連絡ノート」的なものでやりとりしていたことまで、今はグループLINEで共有する。

確認しているかいないかは、「既読」か否かで判断する、

そんな慣習がチーム内でできあがっていないでしょうか。

院長先生を起点に考えると、

夜間対応までされていると、もう24時間、時間の感覚があまりないわけですよね、、

それこそ、寝てても病院のことを考えてる状態の先生が多い訳ですから、

皆に伝えないと忘れる、と、
フッと思いついたらLINEで共有しておく、なんてこともあると思います。

一方で、院長先生ご自身に「緊急性」という視点でヒアリングを進めると、

共有している情報の8割以上は「緊急性はない」というご認識でした。

自分が忘れないようにLINEに入れておくだけで、

スタッフはいつ見てくれても構わない、、というもの、、

でも、受け手のスタッフからすると、

特に仕事用のLINEアプリ、LINEWORKSなどは、誰が未読で、誰が既読がわかってしまうので、
届いた情報は見ないわけにはいかない、というモードで確認してる方が多いようです。

また、院長以外の上長、リーダーやチーフクラスの方も、
チーム内での情報共有にLINEを駆使されています。

院長先生の気づかないところで、グループLINEを作ってやりとりしていたりして、

なんなら過度なぐらいに情報共有を求めるリーダーさんもいたりします。

こういったことが明確ではないけど、
見ないといけない雰囲気、「慣習」みたいなものになってしまっていると、

スタッフさんのメンタル(精神)コスト(負担)が、情報が届くたびに消費されていく、
悪い意味で小さな積み重ねとなって、ボディブローのように取り返しのつかない方向に導いていってしまう、、

あまりよいものではなくなっていってしまうのではないかと危機感を覚えます。

情報共有ルールの整備とメリハリ

改めて問いたいのが、やっぱり情報共有のルール化です。

例えばですけど、

LINE等でチームでやりとりする情報について、

  • 情報を少なくとも「緊急性あり」「緊急性なし」に分ける

  • 優先度が低いものはLINEなどでは共有しない

少なくともこの2点が整備されているだけで、
情報量は圧倒的に少なくなります。

逆にそれでも届いたLINEについては、
本当に重要なものとしてポジティブに確認してもらえることになります。

そして、何より、なんとなくの雰囲気、慣習ではなくて、
ルール化されることで、メリハリができます。


それでも既読スルーする人が出てくるとは思いますが、
ルールを遵守してほしい、と個人の価値観を批判することなく
胸を張って指導できる状況になります。


たくさんのスタッフさんが離職する状況を見てきて、
離職されるスタッフさんと話をしてきて、

最近では、これ、といった嫌な理由で辞めるスタッフさんよりは、

これといった理由がないけど、ふわっと退職される方、
しかも数年単位で働いてくれていた、貴重な戦力だった方が辞めるケースが増えているように感じます。

退職理由なんて、本音と建前がありますから、真意は本人しかわからないと思うんですが、

僕はこういったじわじわと生活を仕事一辺倒にさせてしまう情報のシャワーも、関係しているように感じます。

影響力のある率先者

ただ、こうした情報のやりとりまでルール化することについては、
どうしても院長先生目線では、ヌルいと思われてしまうと思うんです。

それこそ、本当に24時間仕事をされていて、昼も夜もない、

逆に夜の方が少しまとまった時間が取れて、頭を整理できるし、
伝えたいことを皆に伝えられるということもあるかもしれません。

ただですよ、

スタッフさんの離職が招くものは、
その何倍の苦労やメンタルコストの消費を院長先生に強いてきます
し、

情報の伝え方は、それこそ工夫次第でどうにもでもなると思うんです。

なので、

病院の中で一番影響力のある、院長先生が率先してルールを遵守していただきたいです。

一度できてしまった慣習は、よくも悪くもなかなか抜け出すことはできません。

新しい習慣を作るぐらいの意気込みで、
スタッフ皆を巻き込んで進めなければ、浸透していきません。

チーフやリーダーの中には反対してくる方も出てくるかもしれませんし、
病院への貢献度が高い分、無視できない影響力を持っているとは思うんですが、、、

先に挙げたような社会一般の調査情報を用いてもらうなどして、
院長先生が皆を納得させていただきたいですし、

LINE疲れを起こさないような情報共有のあり方を、皆で工夫していただきたいです。

LINEはとにかく文章が残ります。

スクリーンショットもできて、画像として残せますし、
なんなら、その文章内容(画像)をスタッフ間で共有したりもできますし、
やっています。

便利な分、怖いですし、そのやりとりに親御さんが出てきたケースもあります。

ぜひ、ポジティブに取り組んでいただきたいものです。


今回の記事では、

LINE疲れ、つながらなくていい権利が市民権化している
院長先生よりも、チーフやリーダーが時間を問わず情報共有を強要していることも、、、
メリハリのあるルール整備と、院長先生自らが率先して遵守してほしい

こんな内容をシェアさせていただきました。

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