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無意識にマウントをとってしまう質問の魔力

質問力…

こんにちは、北村(@PLAN-B)です。

唐突に言葉を挙げてしまいましたが、
僕自身、質問力を向上させてきたことで、仕事上、どれだけ救われてきたか。

僕が20代の頃は営業の仕事に従事してましたが、

モノを売りつけることに罪悪感を覚えていた自分に、自信をもたらしてくれのが「質問力」でした。

そして、部下を持ち、チームを率いることになった30代の頃は、

マネジメントをする上で、とにかくこの「質問力」が知識やスキルのない自分を助けてくれました。

動物医療の現場においても、
飼い主さんとの間で、主訴を問診する際にも、
インフォームする際にも、
また、スタッフさんをマネジメントする際にも、

この「質問」は意識することがないほど、日常的に頻繁に登場していると思います。


ただ、この「質問力」、、、

ご支援先の現場で、気になる使われ方をするケースがあります。

今回の記事のテーマにもなるんですが、

「質問」→「詰問」になっていないか???

以上を受けて、

質問の性質
問い詰めてしまう、詰問になっていないか
院内に無意識に蔓延るマウントツールにならないように

こんな内容をシェアさせていただきます。

質問の性質


質問はコミュニケーションの中でも、
かなり重要な位置を占めているように思っていて、

コミュニケーションの難しさでもあるんですが、
人って、言葉で思っている真意を話すことは多くないと思うんです。

あまり難しいことを扱う気はないんですが、

表面的に出てくるのが「言葉」だと思うんですが、
その言葉の背景には、感情が存在している、と。


接遇セミナーでよく使う事例ですが、

電話でのお問合せで、

「病院は何時までですか?」

と聞かれた場合、

ほとんどの人が、その時間を答えて電話を切るわけですが、

「〇〇時までですけど、どうかされましたか?」

と質問をすると、

「今朝からうちの子の具合がよくなくて、会社から家に帰って行こうと思ってるんだけど、ちょっと時間がギリギリで…」

という回答が質問に対して出てくるとします。


ただ時間を答えて電話を切るケースと、

具合の悪い子をなんとか急いで診てもらおうという事情がわかったケースと、

病院として、どちらの方が寄り添った対応ができそうでしょうか。

というように、

質問は相手の真意を確認することができる非常に便利なツールで、

質問を2つ、3つ重ねることで、コミュニケーションにおける「主導権=イニシアチブ」を取ることもできます。

優れた営業マンは説明しないで、質問する、という意味もこういうところから来ています。

問い詰めてしまう、詰問になっていないか

少し質問の性質をお伝えしたんですが、

動物病院の現場では、

質問よりも「察する力」を向上させるスタッフさんが多いように感じます。


次にどんなものが必要になる、

今、この状況だから、自分はこう動かないと、

現場で必要とされる人になるために、少しでも居場所を確保するために、

入社してわずか1ヶ月ぐらいの間で、この「察する力」を皆さん格段に向上させていく、


逆にこの「察する力」がないと、現場でやっていけないぐらいかもしれないんですが、

往々にして、そういう職場ってピリピリとした緊張感があるところが多くて、
察する力が診察等、現場の動きを効率よく回すために働いているんですけど、

その真意が「先生のご機嫌取り」のための動機であって、

言葉は悪いですけど、先生方にスタッフさんが「気を遣っている」ところが多いように感じます。

そうなってくると、

院長先生やマネジメント層の方々が、何気なく何かスタッフさんに質問をされる際に、

スタッフさんの心理の中で、

「すぐに」答えなきゃいけない、、、と「反射的」な対応をするようになります。

ここで強調したいのは、「すぐに」「反射的」です。


これも言葉が悪いんですが、

だいたいそういう時の質問=詰問って、先生方のご機嫌がよくないことが多く、

さらには、

言葉が足りていなかったりとか、、
主語が抜けてるとか、具体的でないとかも多くて

でも、スタッフさんは聞き返すことでの機嫌悪化を恐れて、

「すぐに」「反射的に」答えないととリアクションしてしまうと、だいたい、おかしな方向になっていきます。

その事態の行方次第で、

先生方のご機嫌斜め具合をさらに加速させてしまうケースなんてことも少なくないです。

で、スタッフさんは精神的に追い詰められて、

さらに「すぐに」「反射的に」リアクションしていってしまうという悪循環、、、。

院内に無意識に蔓延るマウントツールにならないように

先程、サラッとお伝えしましたが、

質問は相手から「イニシアチブ=主導権」を取ることができるツールです。

イニシアチブ=主導権といえば、

相手より上位に立とうとする=マウントが関連してくるわけですが、

少なくとも意識的にやっている場合は、
その方の人格の問題ということで対処できるんですが、

やっぱり怖いのは無意識的にやってしまっているケースです。

例えば、思うように診察が回らない状況で、

その原因が、少し浮いてしまっているスタッフさんの場合に、

この「質問」=「詰問」はそのスタッフさんのミスを誘発するにも、さらに追い込むにも、かなり有効なツールになります。

冷静な時にはとてもそんなことはされないと思うんですが、

ちょっとした指導ではなく、

わざと「詰問」からの指導になってしまっていたり、そのリアクションで、さらに叱責になってしまっていたり、、、

こういった話は
スタッフさんとの個人面談の中で、ボロボロ出てきます。

該当する先生にもちろん確認していくわけですが、

ご本人は自覚されておらず、また習慣化してしまっているので、ご指摘してもあまり即効性がない。

さらには、該当の先生に「質問」を重ねると、
無意識的にそうさせてしまう、先生ご自身がまた別の課題を抱えていたりと発展したりします。

ただ、表面的に一番害を被りやすいのは、

現場のスタッフさんであって、

チーム内で、詰問されていないか、萎縮してしまっていないか、、、

院長先生やマネジメント層の方々はこの点はぜひ目を向けていただきたいですし、

もし見つかった場合には、

離職者が絶えない、スタッフが定着しない、などのチーム・組織が抱える根本的な課題解決にもつながる有効な手段として、改善に取り組んでいただきたいです。


こういうのは現行犯が一番いいんですけど、なかなか難しいと思うので、

スタッフさんと1on1ミーティング(個人面談)する時間を設けて、
「先輩から指導されて、うまく対応できないことはないか?」

こんな質問をして、それこそ質問を重ねていくと、おおよそ状況が見えてきます。

先輩スタッフさんはもとより、院長先生ご自身もなかなか自覚されていない詰問・・・

とても安心できる職場環境とはいえないので、チェックしていただくことをお勧めします。


今回の記事では、

質問の性質
問い詰めてしまう、詰問になっていないか
院内に無意識に蔓延るマウントツールにならないように

こんな内容をシェアさせていただきました。


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