人の縁を結び続ける沖縄にあるゲストハウス『結家』
「おすすめの宿を紹介して!」
日本40都道府県以上、海外20ヶ国弱を旅した筆者がよく聞かれる質問だ。
どう答えようか、いつも本当に難しくて頭を抱える。
「おすすめの宿」はたくさんある。
だが、人によって「良い」価値観は異なるし、そもそも「おすすめ」の定義もばらばらだからだ。
当然ながら、その人が宿に何を求めているかによっても「おすすめ」は変わってくる。
ゆっくりと余白を楽しみたいのか。
おもしろい生き方をしている人に出会いたいのか。
それとも、ロケーションが抜群で高級な宿を求めているのか。
だからこそ、この手の質問は難しい。
そんななかでも、今回は条件を絞って、旅好きな20代の人にぜひ訪れてほしいゲストハウスを1つだけ厳選して紹介する。
なお、余白を求めていたり、静かに落ち着いて泊まりたい人にはもっともおすすめできない宿となっている。
そう、沖縄県にある
「なきじんゲストハウス結家」だ。
(以下、結家。)
(以下、結家)だ。
海沿いに位置する、旅人の聖地「結家」
まるでアニメや映画で出てきそうな、細いしげみのなかの道を進んでいくと突如あらわれるゲストハウス結家。
結家は目の前が海という絶好のロケーションに位置し、いつでも好きなときに美しい海に行くことができる。
目の前の海はもちろん誰でも自由に入れるのだが、まるでプライベートビーチかのように周りは険しい岩肌に囲まれているため、結家の宿泊者以外は簡単に入れないような構造となっている。
まるで沖縄の美しい海を貸し切ったような最高のロケーション、たまらない。
そんな結家は、日本1周中の旅人はもちろん、バックパッカーや元旅人の社会人など、いろんなバックグラウンドを持つ旅人が訪れる聖地だ。
実際、自分が宿泊した2023年3月も、日本1周中の旅人がチラホラ宿泊していた。平日にも関わらず、20人以上もの人が宿泊していた。
遠方から結家を目的に沖縄に来る人も珍しくない。
もちろん筆者も、結家を求めて沖縄へ旅をしにいったうちの1人だ。
いろいろと話を聞く限り、結家は「行く」というより「帰る」場所なのだそうだ。
それくらい多くの旅人に愛され、自分の居場所としてのコミュニテイを形成している。
学生からフリーターから社長まで。肩書き関係なくみんなが1つになれる家
筆者は3月の平日に2泊したのだが、宿泊している人たちがとにかくおもしろい。学生やフリーター、日本1周中の旅人はもちろん、会社を経営している社長まで集まっている。
ともあれば、元自衛隊として命を落としかねない国家作戦に参加した経験を持つ素敵な大人まで。
お酒片手に話を聞いているだけで、本当におもしろい。
結家の最大のハイライトは、結家の恒例行事となっている「ゆんたく」。
ゆんたくとは、沖縄で"おしゃべり"の意味を持つ。
毎晩20時から始まるごはん会のようなもので、結家の名物おかみである、結ねえがその日のテーマを決めてみんなで話し合う。
ゆんたくの参加費はなんと無料。その代わり、なにか1品を作って持ち寄るユニークな形式のごはん会だ。
もちろん、料理ができない人は既成品を購入して持ち寄ってもOK。
ゆんたくを通じていろいろなバックグラウンドを持った人と話す時間は、たまらなく貴重で幸せなひとときだ。
日々の肩書き関係なく、ほっと肩ひじの力を抜いて優しくなれる時間。
晴れた日の夜には、満天の星空が顔を出す。波の音を聞きながら、ゆっくりとみんなのバックグラウンドに耳を傾ける。
そんな、優しくてあたたかいなきじんゲストハウス結家に、また僕は帰りたい。
旅人も社会人も学生もフリーターも。すべての人に、1度はぜひ訪れてほしいおすすめの宿だ。
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