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とある社長さんに聞いた話

おはようございます。
伊藤です。

最近は往診に呼んでいただく機会も増えた。

往診はどうしても時間単価が高くなってしまうのだが、無茶苦茶忙しいクライアント様からは喜んでいただけているのではないか。

そんなクライアント様の中に、一際大活躍されている社長さんがいる。

今は月に2回から3回呼んでいただき、施術させていただいているのだが、この方の話はやはり大変勉強になる。

今回は、1店舗の社長さん、10店舗の社長さんの考え方の違いについて、お伺いしたお話を記録していこうと思う。


1店舗の社長の店舗はこだわりが強い

1店舗の社長の店舗は細部までこだわりが強い。
借金をして人生をかけて開業した店なわけだから、何もかも自分で判断して、自分でコントロールしようとする。
何かあれば社長に聞けばすぐわかる。
社長が把握していないことはない。

すべての判断を社長の鶴の一声で行う。
そんなスタイルだ。

メリットはスピードの速さ。こだわりの強さ。

社長のマンパワーで全てを決めるためスピードが速く小回りが効く。どんどん変化しながら大手が参入していない隙間で戦える。


デメリットとしては

代替わりするとお店のクオリティが落ちてしまったり、雰囲気がガラッと変わってしまったりする。
社長が体を壊したりすれば終わり。誰も完璧には引き継げはしない。

また、同じクオリティの商品を出してくる大手が現れたとき、スケールメリットが使えないため価格競争では勝ち目がない。

また、私が思う一番の問題点は、部下が育ってきても活躍できる、挑戦できる場所を用意してあげられないことだ。
よっぽど高利益な業態でない限り、1店舗で挙げられる利益などたかが知れている。

給与は利益から分配され、責任範囲に応じて決められる。
目安は自分が挙げた利益の3分の一が還元されること。

責任をそこまでもたない2番手以下はたいして稼がせてあげられないだろう。
店舗ビジネスは店長クラスにならないとサラリーマンの月給を超えはしない。
これはどの業態も同じことだろう。

他店舗の経営はどうか。

他店舗経営のメリット

①人不足に陥りづらい。
拠点がおおければ抱えている人も多くなる。
大人数の雇用もリスクはあるが、1人抜けた時のダメージは小さく抑えられる。
また、それは被雇用者側も分かっているため、無茶な交渉や労務トラブルにもなりづらい。

②余裕ができてきたらバックオフィスを作り、分業化していける。
1店舗の経営だと、利益もバックオフィスが作れるほどあげるのは難しいだろう。
他店舗になると、1店舗1店舗の利益がそこまで大きくなくても、数あればバックオフィスなども作れるようになる。
事務作業や、裏方を任せられるため、現場はよりスムーズな仕事が可能になる。
また、営業が苦手な人材でも、バックオフィスに回るなど、働き方にもバリエーションが生まれる。

③スケールメリットを効かせやすい。
仕入れなども大量発注で値引き交渉ができる。

④人材の数が多くいるため、システム化していける。
社長や役員が何から何までやらなくても、システムさえ作ってしまえば、あとは指示と確認、フィードバックを行い、システム化(自動化)していける。
社長に時間ができれば、その時間でさらに社長は勉強し、違う分野に進出したり、会社をより強くする時間に使える。
結果として従業員やメンバーも、働き方に多様性が生まれたり、より働きやすくなったりしていく。

⑤優秀な人材を採用しやすい。
以上の点からも、優秀な人材は小さな会社にはなかなか入ってこない。
他店舗のメリットの一つは優秀な人材が集まりやすいところにもある。

⑤ついてきてくれる仲間に次のステージを用意してあげられる。
他店舗経営のノウハウができてくれば、活躍できる仲間には、次のステージを用意できる。
分店を出して、経営側に回らせてあげることもできるし、現場の星として活躍してもらうこともできる。部長や指南役などのポジションも作れるかもしれない。
1店舗のスタッフでは個人利益の3分の一が給与なので、そこまで大きくは稼げないが、店舗を任せられる長の立場になれば話は別だ。
店舗の純利益から%で還元することもできるだろう。
店舗の売り上げをしっかり伸ばせば年収1000万でも2000万でももはや夢ではない。
成長次第では無限の世界に仲間入りだ。

他店舗経営のデメリット

①経費がかさみ、利益がでなくなると苦しい。

②「自分ごと」で考えるメンバーが減り、サラリーマン気質の人間が増える。

③非生産スタッフを抱えれば利益は出辛くなる。
バックオフィスなどのメンバーは直接利益は生み出さない。
最近の傾向では営業ではないポジションを希望する人が増えているが、直接利益を生み出さないポジションであるということは自覚が必要である。
非生産スタッフは生産スタッフや現場の動きを円滑にし、業務に集中させてあげること。
トラブルを起こして現場の仕事を増やしたり、気楽な仕事ができる。などとは考えないことだ。

④細部までは経営者のこだわりが行き渡らなくなってくる。
会社が大きくなればなるほど、細部に行き渡るメッセージは少なくなっていく。
最後に残るのは会社の理念と行動指針だけ。

理念と行動指針がないと大きな組織は烏合の衆となる。

⑤経営者や幹部は1店舗経営の在り方のままでは絶対に務まらない。
他店舗経営に進むには、経営者のマインドが1店舗経営のマインドのままではだめだ。
強すぎるこだわりを捨て、理念とミッションを持ち、行動指針を定め、シフテムを作り浸透させる。
任せられるセクションはどんどん任せて時間を作る。
他店舗になれば、1店舗のように身軽ではない。
社長の鶴の一声で一枚岩としてぱっとは動けないのだ。
1店舗経営の会社に比べて、伝言ゲームのタイムロスがある分、情報収集を積極的にどんどんやって先読みしていかないと時流にすぐに飲み込まれ、簡単に沈没してしまう。
強い者が生き残るのではない。変化できる者が強いのだ。
経営者は時間を作り、誰よりも勉強し、人間性、知性共にアップグレードしていかなくてはならない。
それ以外に生き残る道はない。

どちらがいい悪いではない。

やりたいことや、成し遂げたいことによっても違うだろう。

私は、個人から初めて、1店舗経営を経験し、他店舗に移行していきたい。

単純に勉強になりそうだからだ。
大は小を兼ねる。
大きい方がいろいろな経験と苦労ができるはずだ。

私がフォーカスしているのは、あくまでも成長。

難しい課題に打ち当たるたびに、燃える。

試練は乗り越えられる人にしか来ないのだから。




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