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海洋プラスチックの話

コンビニやスーパーでレジ袋が有料化されてから、僕はエコバッグを使うようになりました。でも、たまにエコバッグを忘れます。その時は小さければそのままいつも担いでいるリュックに入れるけれど、大きいものだとレジ袋を買っています。やっぱり罪悪感はあります。

プラスチックの海という映画が、11月13日から公開されています。

以前からFacebookでフォローしていた海洋プラスチックで作るインテリアブランド「bouy」。そのブランドの投稿でこの映画を知りました。そして、その1時間後にはアップリンク渋谷へ行き、映画を観てきました。我ながらフットワークが軽い。

スターバックスが紙ストローに切り替えるきっかけになった、ウミガメの鼻にプラスチックストローが突き刺さっている映像は、記憶に新しいけれど、なにやら海洋プラスチックが問題になっているということは、僕もなんとなく知っている。

それくらいの気持ちで見に行ったわけだけど、観ててほんとにつらい気持ちになった。特に僕がプラスチックの成形メーカーで働いているということも相乗りして、めちゃめちゃ申し訳なくなってくる。(地球ごめんなさい)

この映画は、海洋学者や、環境保護団体の海洋プラスチック問題に立ち向かっていく内容にジャーナリストが寄り添うドキュメンタリーです。

映画の概要を紹介します(公式サイトより引用)

シロナガスクジラに魅せられ、幼い頃から追い続けていたクレイグ・リーソン。世界中の海でプランクトンより多く見つけたのはプラスチックゴミだった。美しい海に、毎年800万トンものプラスチックゴミが捨てられている事実を知り、海洋学者、環境活動家やジャーナリスト達と共に、自身が監督となり世界の海で何が起きているのかを調査し撮影することを決意する。調査の中で明らかになるのは、ほんの少しのプラスチックしかリサイクルされていないこと。
海鳥の体内から、234個のプラスチックの破片が発見されるなど、海に捨てられたプラスチックで海洋生物が犠牲になっていること。そして、プラスチックの毒素は人間にも害を及ぼすかもしれないこと。撮影クルーは世界中を訪れ、人類がこの数十年でプラスチック製品の使い捨てを続けてきた結果、危機的なレベルで海洋汚染が続いていることを明らかにしていく。海と共に生きる全人類必見のドキュメンタリー。

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具体例をいくつか紹介すると、

フィリピンにあるゴミの山(スモーキーマウンテン)では、数年前に捨てることをやめたのち、その山の上でサトウキビなどの穀物を栽培しており、その横では売れるプラスチックを採掘している人がいる。プラスチックのゴミは集積しているといろんな反応が起きてメタンガスが発生。そのガスの影響で温度が上昇し、山のいたるところで煙が立ち上っています。その煙を吸いながらプラスチックを採掘している人は、やっぱりガンや肺気腫で亡くなる人もいるという話。

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環境先端都市であるオースティンは、大手の石油関連企業がある街でもあり、街としてレジ袋の禁止やそのほか環境に優しい都市を目指した政策を行っている。その街で、ジャーナリストはいくつかの店舗でプラスチックの包装容器無しで食べ物を頼めるかという検証を行う。結果は、ほとんどの店では容器がプラスチックで、代替できる紙皿などで提供できる体制をとっておらず、環境先端をうたっているオースティンでも100%プラスチック無しにはできていない。という話。

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その他、プラスチックをプランクトンと間違えて食べ死んでいくクジラ。ひなに与えるエサとしてプラスチックを飲み込み死んでいく水鳥達。クラゲと間違えてポリ袋を食べて死んでいく赤ちゃんカメたち。などなど。

このnoteを読み始めてからここまでの時間で、世界では約76トンのプラスチックごみが海に捨てられています。

人間は、食べ物とプラスチックの区別ができます。(マイクロプラスチックは食べちゃってると思うけど。)

動物は、食べ物とプラスチックの区別ができません。

動物で環境を壊そうとして生きている種はいません。環境を壊そうと生きているのは人間だけです。

日本で生活をしていく上で、プラスチック製品なしではもはや生活できない環境になっていると思います。レジ袋なんて正直微々たるもので、お肉のスチレン容器や、ペットボトル、トイレットペーパーの包装袋、挙げたらキリがないです。

そうなんだけども、消費者がそういう商品を買わないという選択肢を徐々にしていって、その声がマジョリティになった時、やっと企業側も「代替品を考えないと弊社の商品を買ってもらえなくなるぞ」という危機感で、紙袋や紙容器が普及しだすんだと思います。悲しいけど結局ね。

この映画を観て、一人ひとりが意識するだけで良いんだと思います。知らないことが罪。ちょっとでも知っているだけで、普段の生活の中で、映画の内容が脳裏をよぎる瞬間が出てきて、行動が変わる。そのサイクルがどんどん大きくなって、最終的には大きな環境問題が解決できる。

いきなりプラスチック製品を使う生活をやめるなんてできない!っていう気持ちもわかるし、僕もそうなんだけど。2050年にはプラスチック製品の生産量が今の3倍、海洋生物の量を海洋プラスチックゴミの量が上回るらしいです。ヤバいです。恐怖しか感じません。将来スキューバダイビングはゴミの中を泳ぐのが当たり前になっちゃうかもしれない。(「将来」って言っても、僕の0歳の次男が今の僕の年齢になる頃の話だからね~)

映画の最後には、世界各国で進められている海洋プラスチックゴミ問題を解決できる技術や取り組みが紹介されています。

ブロックチェーンで廃棄プラスチックを仮想通貨に換える「プラスチックバンク」。ゴミをお金に換えて、作物を売るよりも収入が高いなんて素晴らしい。地球上にあるゴミだけで億万長者になれるかもしれないってことだもんね。

僕らの環境意識を向上させることもめっちゃ大事だと思うけど、この映画を観てて思ったのは、これから人口が増えて、先進国になろうとしている今の発展途上国や後進国。これらの国々のことを考えてあげないと、日本でいくら頑張っても、海外からのゴミがいっぱい海岸線に流れつくということになっちゃう。(世界中の海は繋がっている。)


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