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身体と心を考える 聖地熊野の漢方薬屋3


体内時計と高血圧


 
 以前「時間医学」について興味があり、その関連本を読みました。一日の時間によって病気の発生頻度が異なり、例えば喘息の発作や胃潰瘍の発生は深夜から明け方に集中することが多く、脳血栓は朝方に、急性心筋梗塞は午前中に多くなる傾向にあると言われ、それを研究している学者もいるというお話しです。
 

体内時計の狂いが健康に影響


 10年以上前ですが日本経済新聞に、京都大学の教授らのグループがマウスを使った研究で、日常の生活リズムが乱れると高血圧症状がでることを明らかにしたとの話が掲載されておりました。体内時計が狂うと、副腎で血圧を上げるホルモンを作る酵素が過剰に働くそうで、昼夜交替制のシフトで働く人々の中に高血圧症が多い理由が推測できるというものです。
 教授らは遺伝子組み換え技術で体内時計が働かなくしたマウスに、塩分が多い食餌を与えたところ、体内に塩分と水を溜め込むホルモンを作る酵素の活動が活発化、血圧上昇ホルモンが過剰に働くようになり、結果、高血圧が引き起こされることになったとのこと。このホルモンの分泌は、副腎でつくられる酵素が関係しており、酵素は、体内時計により朝は低く、夜は高いよう調整されていたのが、体内時計が働かないマウスだと、ずっと高いままだったそうです。人間でも、生活リズムが乱れると、体内時計のリズムに狂いが生じ、またマウスで問題になった副腎の酵素は人間にもありますので、同様のシステムが働いている可能性が高いと言えます。

医師や看護師の白衣も 


昼夜逆転の生活は、血圧のみならず正しい睡眠のリズムを奪いますし、大きくは自律神経の乱れが生じるために、他にも倦怠感や頭痛、耳鳴り、食欲不振、めまい、肩こり、冷えといった症状をも引き起こす可能性がた高いことはよく知られています。白衣を見ると血圧が上がる「白衣性高血圧」も、白衣の看護師さんや医師を見ることによって生じる交感神経の緊張が引き起こすものです。これらには、多くは入眠剤、精神安定剤などの処方が出ますが、当店では、漢方では「おたね人参」や動物生薬の入った「天好」、「牛黄清心元」「敬震丹」など、また「忘憂草」が含まれる保健食品を用いることが多いです。

「漸進的筋弛緩法」って?

また最近ネットで見つけた記事ですが、「どんな兵士でも120秒以内に96%が寝落ちする…あまりの効果に米軍も採用したコストゼロのリラックス法「漸進的筋弛緩法」のすごい効果」https://president.jp/articles/-/70881では、意識して手足などに力を入れたり抜いたりして緊張と弛緩を交互に行う方法だそです。また記事中には布団の硬と睡眠の関係にについても書かれており、興味深く読みました。興味をある方はそちらをご参照ください。

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