書評 #70|セリエA発アウシュヴィッツ行き〜悲運の優勝監督の物語
衝撃を覚える作品名。「セリエA」と「アウシュヴィッツ」の二つの言葉は僕にとって水と油のように交わらない。しかし、時代によって常識が変わることも事実である。第二次世界大戦が席巻した当時のヨーロッパにもサッカーは存在した。しかし、サッカーも、サッカーに携わる人々も、人種差別主義という名の圧倒的な力にひれ伏し、価値観をも覆された。それは世界各地であらゆる差別が横行し、戦争が続く現在も繰り広げられる日常だ。世を魅了し、喜怒哀楽を発露させるサッカー。その魅力と、それが平和の上に成り立