【日本緊急一時帰国】東京隔離生活最後の日に思うこと(後半)

福岡小倉に向かう新幹線の中で書いています。

いつもは飛行機なのですが、今回は新幹線で帰っています。乗客同士距離も取りやすいですし。

東京駅まで久しぶりに電車に乗りましたが、マスクはしていますが距離もとらず乗客の方々が普通に座っているのを見てひとり立って乗りました。

新幹線も乗客がとても少ないですね。一車両に10名くらいかな。

清掃の方が乗る前に清掃してくださったのですが、特にひじ掛けやテーブル等をアルコールで拭いたりしてる人はいませんでした(私だけか)

駅で新幹線で飲む飲み物やお弁当を買ったときに思い出したのですが、ヨーロッパ(スペイン)はスーパーなどでの買い物の際もキャッシュは受け付けてくれなくなっていました。全てカード清算。手に触れたりキャッシュについているウィルスが広まるのを防ぐためですね。もともとキャッシュレス化が進んでいるので普段の生活でもキャッシュを使うことはあまりありませんでしたが、それくらい徹底しています。

さて、前半の続き後半について。

羽田空港に到着してから

三枚のフォームに記入をしてとりあえず飛行機を出ました。

この時点で国内線にも乗れないということを知らなかったので、14日間の滞在場所は福岡の実家の住所を記入しました。

10日間完全に殺菌徹底監禁生活をバルセロナで送っていたため、熱せきなどの症状はなく、飛行機の中でもマスクはもちろん座席にもアルコール消毒をし手洗いもして乗っていたため自己申告書にも健康状態を記入しました。

パスポートチェックに検疫のサーモグラフィーを通るところがありますが、今回は21日からできたコロナの水際対策の新しい決まりに従い、検疫の特別デスクが設置されていました。

海外から入国する人はすべて記入した紙をもって検疫デスクの前にならび、ひとりひとり以下の内容をチェックされました。

① どこから来たのか?危険指定地に14日以内に入国したか

② 14日間の監禁生活をする場所はどこか?確実に連絡の取れる連絡先は?

③ 国内線、電車、タクシー、バス、すべての公共交通機関はNG。滞在場所までどのようにいくか?

私は福岡まで帰る予定だったので、その時点で福岡に行く国内線をキャンセルして下さいといわれました。

私にある選択肢は

① 福岡から家族に自家用車で運転して羽田空港まで迎えに来てもらう

→ 私には70代の母ひとりしかいません。当然不可能。

② 羽田空港からレンタカーを借りて自分で福岡まで運転して帰る

→ 運転できません、免許も当然ないし、もし免許があったとしても12時間ほどかかる道のりをひとり運転して帰ることは難しかったと思います

③ 羽田空港から歩ける距離のホテルを14日間自分の名前で予約しそこで滞在

どの選択肢もで自己負担で国のサポート等はありません。

申告書にはこの注意書きが書いてありました。

虚偽の申告をした場合、懲役6か月以下か50万円の罰金

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もし同じ飛行機の中から感染者が見つかった場合、トラッキングしますとのことでした。

国内線をキャンセルして、どうするか、どこに滞在するか、その滞在場所までどういくかを再度考え記入してデスクに戻ってくださいと言われ、とりあえず、母へ電話し福岡へすぐには帰ることができなくなったので、どうするか友達に相談してからまた連絡すると伝え、友達たちへヘルプの電話をしました。

幸い、大学時代からの親友たちが一緒に考えてくれ、とりあえず羽田空港内のホテルに一泊して、次の日にレンタカーを借りて羽田空港まで迎えに来てくれて一週間は彼女が実家へ帰り、私のためにお部屋をあけてくれることになりました(涙)

福岡の住所から東京の友人の住所へ記入事項を変更し車で迎えに来てもらう旨を伝えたところ、この紙をもらいました。

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バルセロナはまだ危険指定地ではなかったので、PCR検査は受けられませんでした。検温等も特にはなく、自己申告のみ。


一週間は東京の友人の部屋で監禁生活をさせてもらい、後半は彼女のおうちから歩いて行けるAirbnbに一週間滞在しました。

監禁中は友人が用意してくれていた食材と差し入れしてくれたものでお料理をしたりデリバリーでしのぎ外にはまったく出ず過ごしました。

東京ロックダウンの可能性もあったので、一週間の監禁生活が終わった時点で友人たちがレンタカーで福岡まで運転してくれ福岡へ帰るという話も出たのですが友人たちにもさらに迷惑をかけるし、金銭的にも負担が大きいため無理はせずAirbnbに泊まりました。

スペインで監禁生活をしてから日本へ帰国し神経質に消毒していたので体調は問題なかったのですが、精神的にストレスを感じていたことと時差ボケ(8時間ヨーロッパのほうが遅く、途中サマータイムが始まったので7時間になったりと体内時計が狂いました)とオンライン授業が夕方から始まり5時間21時30日まであったこと、課題がでるのでグループ電話をして課題をやったりと夜のほうが脳が動いてしまい、朝3時~5時まで寝られない2週間でした。もともと乗り物の中では寝られないし眠りも浅いから余計なのですが。

私は本当に恵まれていて友人が助けてくれたから乗り切れましたが、実際地方在住で東京に身寄りのないひとはどうするんだろう。国内線をキャンセルしてというのも当日だとキャンセル料全額+仕事もあるのにホテルに家族全員で14日間滞在というのを自己負担でとなると正直こそっと無理やり公共交通機関に乗って帰ってしまった人たちがいるんじゃないかと思います。

数日前にニュースで水際対策強化のため自衛隊を入れ、国が宿泊施設を用意しヨーロッパ含む危険指定地から帰国した人たちを監禁するという話や帰国者支援をするという話が出ていましたが、遅い。

東京含め日本全国で感染者数が増えた原因が海外からの帰国者といっていますが、国のサポートなく自己負担で自力で地方へ公共交通機関を使わずに帰るか、ホテルで監禁生活してくださいと言って無理なことは無理だし、結局個人のモラルの問題と責任感に任せる形になってしまいます。

私は友人が助けてくれたこと、ずるして虚偽の申告をして万が一何かが起こった時に逮捕されたり罰金となった時にさらに周りに迷惑をかけてしまうこと、万が一保菌していて移動中などに誰かに移してしまう恐怖、実家に帰って母に移してしまう恐怖などいろんな不安があり東京に残り14日間監禁隔離されることを選びました。

水際対策も経済サポートもやるなら徹底的にやらなければ。マスク2枚、お肉券とか言っている場合ではありません。

バルセロナでロックダウンが始まってから、日に日に状況がひどくなり感染者も死亡者も増え続け、医療崩壊が起こり、外に出ることは許されず、万が一ほかの病気になっても病院にも行けない状況、なによりいまのスペインの状況で病院へ行くこと自体が一番危険。友人はいるといえど、みな留学生なので、ヨーロッパの学生は帰国、遠い国からきている友人は残っていまだ監禁生活を送っていますがお互い励ましあえても頼ることはできない状態。

私はとにかくストレスでまた婦人科系の病気を再発している可能性を感じていて、日本から入国拒否を受けないうちに、まだスペインから飛行機が飛んでいるときに帰国したかったのと、もともと異常なほど神経質なお部屋のオーナーさんからプレッシャーを受けながら24時間常に同じ空間にいることがつらく早く日本へ一時帰国することを決めました。

いつ戻れるかわかりませんでしたが、2週間前のスペインの状況、その前を走っていたイタリア、ドイツ、フランス、スペインの後に状況が深刻化したイギリスなどの状況をみても1か月後に完全に状況が回復し普通の状態に戻るとはとても考えづらかったため決断しました。

終わりが見えないことと、日本や中国のように状況がよくなって油断して普通の生活に戻った時に再度波がくることも考えられるし、どこを解決とするのか。

経済的な影響はこれからさらに出てきます。今回は世界中なので、日本がだめだからアジア、ヨーロッパがだめだから中南米、中国がだめだからアフリカと言えず逃げ場がないのが今までの天災や経済危機に比べ苦しいです。見えない力が私たちの手の届かないところで動いて起こっていることのようにも思えるし、自分がコロナウィルスに感染していなくても触って手についた菌で誰かの命を奪う恐怖だとか、気を付けて手洗いうがいをしアルコール消毒をしてもだれかに何かに触ったことで感染する可能性があること、考えすぎてもどうにもならないことである一方でしっかり考え行動しないとヨーロッパのようにあっという間に手遅れの状態になってしまいます。

イタリアやスペインはすでに景気が悪く、今回のコロナ危機で国が破綻してもおかしくないほどのダメージを受けていると思います。バルセロナのあるカタルーニャ州は独立運動をしておりスペイン政府と仲が悪かった背景に加え、今回のペドロサンチェス首相のコロナ対応が遅れ十分に国全体に支援がいきわたっていないことに対して訴えを起こすという話もでていました。本当に国の生き残りをかけてみんな不安の中生活をしています。

ロックダウンの前日たまたま入ったレストランにお客さんがほぼゼロで、店員さんと話をしていた時、

「明日から2週間レストランを閉めないといけない、そのあとイースター休暇に入るから実際はすくなくても1か月お店が閉まってしまう。この状況だとその先も見通しがつかないから、失業してしまう」

と、悲しそうにいっていました。

福利厚生の授業の教授曰くスペインは失業した国民へ月あたり最大900ユーロを支給するということを発表したそうですが、バルセロナは家賃が高くシェアアパートでも月に400-500ユーロは支払わなければいけないため、家族がいる人の場合は現実的にはかなり厳しい状況になるとのこと。

どこを解決とするのか、通常に戻すポイントとできるのか。

スペイン、イタリア、フランスなどはあいさつでHugをしほっぺにキスをするのですが、その素敵な習慣がこれからなくなってしまうのか、どうなんだろう、そしたらとってもさみしいですね。

家族でも近づき話をしたり、ふれることができないいま。これからは好きな人とか、友達だとか、家族とのスキンシップの在り方も変化するのかな。

今回は差別についても考える機会にになりました。

私は直接接したことはなかったのですが、ヨーロッパではアジア人に対してコロナウィルスの問題が中国で発生した時点で差別的な発言や態度を受けることが増えたようでした。

私のクラスメイトで台湾系のエクアドル人の女の子がいるのですが、彼女のお母さんがバルセロナからエクアドルへ帰国する際に同じ飛行機を待っていた女性から、見た目が中国人だから、ジャケットで口と鼻を隠され、こっちに近づくなと言われたそうです。

タイでは日本人というだけでタイ人に嫌な顔をされたとか、バルセロナにはイタリア人がたくさん住んでいるのですが、イタリア人のひとたちもほかのヨーロッパの人々から嫌な顔をされたという声も聞きました。いま日本は中国人やヨーロッパから帰国者などに対して検査がすべての人にできない問うこともあり、保菌している可能性が高いということもあり差別的な意識を抱いてしまうと思います。

もはや世界中にひろまっているのでどこが安全で、だれが安全なのかもわかりませんが、いま国を超え人との関わり方が問われていると思います。

オンラインでどうひとがつながっていけるかというテーマを考えるタイミングだったり、一つと言えどバラバラな世界の国々がひとつの大きな問題と戦う上でようやく一つになれるチャンスであったりもすると思うし、特に日本人の危機感の在り方が問われていますが、日本にいて世界中の問題を自分の問題として捉えるマインドセットを持つチャンスだとも思います。

ひとが外へ出ず、街にも山にも海にも人がいかないため、海や川の水質がよくなって魚が増えたり、環境はよくなっているそうです。

移動中に見た桜が当たり前の生活ができない今、先が見えず不安な毎日を過ごす中、本当に美しくて、この美しい日本と日本の資源と文化が生き残ることを祈りました。

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スペインだけでなく、ヨーロッパの中もたくさん旅行したいなと思っています。ビジネススクールの様子、バルセロナでの生活、学んだこと感じたことを記録していきます!

タイにて10年間在タイ日系企業向けにタイ人の紹介を経験,安定したキャリアを一旦お休みして自費留学。1年間スペインバルセロナのビジネススクー…

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