確かめる

最近、昔好きだった映画を見返している。

ツタヤで借りたり、プライムビデオで見たり。
見始めると、細かなところは忘れていたりするのだけど、好きだった理由みたいなものは、同じように存在していて、あ、これ私好きそうだなー、と、改めて思ったりする。そして見終わるとやっぱり好きだと、思い直す。

過去の自分を、確かめている。過去の自分の価値観を、確かめている。そして、同じものをまだ持っているなと、確かめている。

私は何かを好きになると、満足するまで、それこそ飽きるまでのめり込む。そうしていろいろと消費し尽くすと、あるときふと飽きてしまって、別のものに興味が移る。
そのあとは、何であんなに好きだったんだろうと、人に持論を熱く語るほどに何が好きだったんだろうと思うほど興味をなくし、そのうちに、好きで詳しかったはずのことをすっかり忘れて、かつて好きだったなという気持ちだけが残る。

何でも、何でもそうだ。

映画に限らない。音楽も、本も、研究も。

だからどれも全然後から使える知識にならないのだけど、それでも過去の片鱗に触れると、一生懸命に好きだったんだなと、過去の自分に感心してしまうくらい、好きの感覚を思い出す。ぶり返す。

消えたロウソクを、何本もとっておいているみたい。

たまに灯すと、意外と明るいのだ。

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