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2022年4月の記事一覧
モノローグ台本『透明人間ナルシスト』
『透明人間ナルシスト』作:渋谷悠 原案:京サリ
あるナルシストが透明人間になった。
全人類に愛されるためには、陰りのない純真無垢な存在でなくてはならない。
理想の自分を追求していたら、陰りがなくなり過ぎて、
純真無垢を通り越して透明になっていた。
死んだ時は自分のことを記憶から消してほしいと格好をつけていたら、
まだ生きているうちに視界から消えてしまった。
ひっそりいなくなりたいと吹聴していた
モノローグ台本『バイバイの光』
『バイバイの光』作:渋谷悠 原案:月見里りた
(このモノローグは歌詞として書きましたが、朗読しても演じても、また一部、あるいは全部にオリジナルの曲をつけてもOKです。)
⒈
殴られたりしたわけじゃない 我慢できる範囲だった
他のいじめより酷くない 我慢できる範囲だった
布団に入ると聞こえてくる 黒いやつらの止まない声
目を瞑っても 耳を塞いでも わたしを責め続ける
やめちゃえば? 死んじゃ
モノローグ台本『Close!』
『Close!』作:渋谷悠 原案:小駒ゆか
制限時間は1分、砂時計で測ります。
子供たちはカードを持っているチームと、それを当てるチームに分かれます。カードには何かに分類できるような絵が描いてあって、動物とか食べ物とか、乗り物、建物、文房具。授業中に単語として教えているものが殆どですね。片方のチームが It is food. It is round. みたいなヒントを出して、もう片方が Is
モノローグ台本『秤』
『秤』本文作:渋谷悠 原案:寺嶋裕希
あなたが正しさに溢れ、迷うことを忘れてしまった時「そこ」に導かれる。
昔から知っているのに、詳しくは思い出せないような建物、の裏。
天気がよくてもジメジメしていて、どこに辿り着くか分からない階段、の先。
捨てられた生き物たちの魂が吸い込まれる敷地、の中。
そこであなたは「それ」と対峙する。
「それ」は人のようで人ではない。影、鏡、獣、煙、はてな。
「それ
モノローグ台本『それはまるで、蛾の標本』
『それはまるで、蛾の標本』作:渋谷悠 原案:紗南
(経理スタッフ、電卓を叩いている)
「これ、経費で落ちないんで再提出してください」
って言ったんですね上司に、スマートに無駄なく電卓を叩きながら。
すると上司が私を見てこう言ったんです。
「鈴木さんって、スマートで無駄がないよね」
不思議なものです。スマートになりたくて無駄を省く努力を重ねてきたのに、いざ言われるようになると…あれ?
「鈴木