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僕たちは「自尊心を傷つけない」ことを大切にする。

在宅で暮らしている女性の利用者さん。お腹の調子が優れなく、下痢が続いている。19時、21時、23時と下痢が出て、夜間オムツのため、排泄ケアにて、オンコール。 しきりに「申し訳ないねえ。私のせいで。」とはなされる。

その時に僕は「この行為はただ単に排泄ケアをしているわけではない。目の前の人の自尊心を傷つけないために、守り、高めることをしているんだ」と気づいだ。

僕は「申し訳ない」と言われたら、申し訳なくなんか思う必要ないと思う。だって、みんあお腹痛くなるし、下痢になる可能性もある。申し訳ないことではなく、ごくごく自然なことなんだと思う。たまたまその人が、ご自身で歩くことができず、排泄ケアが必要になっただけだ。

できること、できないこと、はあって当然だし、困っていたら助ける。だからこそ、申し訳ないと思わせない、本人の自尊心を傷つけないようにするためには、僕たちの立ち振る舞い1つ1つに意味がある。

たとえば、話すトーンを落とし、できるだけ動作はゆったりと。嫌なそぶりは1mmも見せない。申し訳なさそうなときは、明るい話題を出したり、いつも助けてもらっていることを伝えながら。

やっていること自体は、排泄ケアではある。しかし、排泄ケアだけではない。

僕たちがするのは、排泄ケアだけでなく、目の前の人の気持ちを感じ、ケアすること。 一つ一つの仕草、言葉、全てを意識して、相手に安心感を届けていく。 この行為自体が、「ほどほど幸せに暮らす」につながると思っている。
                           

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