2019映画ランキング(トップ10)

10位 ブランク・クランズマン

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黒人警察官とユダヤ人警察官のコンビがKKKにおとり捜査をする映画。サスペンスフルな映画のバランスを崩してまで最後に強めの主張をするスパイクリー監督のこれが映画だ!という姿勢がかっこいい。憎たらしい白人おじさんを演じさせたら右に出るものはいないポール・ウォルター・ハウザーがまたま憎たらしい。

9位 ハッピーデスデイ


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大学のマスコットキャラのお面を被った人に殺されハッと目が覚めまた同じ1日に。犯人を知ろうとするも何度も死んで同じ日の朝に戻ってしまうというタイムループものとしては決して新しくない発想になのに、後ろからスッとお面が現れた時の怖さはいつも新鮮で、犯人も全くわからなかった。普通のホラーならすぐに殺されるようなキャラの主人公が何度も殺されていくうちに成長していくし応援したくなる。とにかく面白かった。

8位 エクス・リブリス ニューヨーク公共図書館

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フレデリック・ワイズマン監督によるニューヨーク公共図書館のドキュメンタリー。本を貸し出して、管理保存修復をするという日本の図書館が想定するようなサービスだけでなく、各土地にある分館や作家や詩人の講演会、ガルシアマルケスの本をテーマに読書会、インターネット環境がない人たちにモバイルWi-Fiの貸し出し、電子書籍での貸し出しサービス、クラシックだけでなくブラックミュージックなど様々なジャンルを含む音楽コンサートなど”公共”の意味を追及する図書館の理想的な姿に近づこうとする図書館員の努力が凄まじい、ほんと日本全国の首長さんや国会議員や官僚はこれ見て!というようなドキュメンタリー映画です。

7位 ドクター・スリープ

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マイク・フラナガン監督が天才なことは知っていたけども!こんなに難しい案件を成功させてしまうとは。スティーヴン・キングの”ドクター・スリープ”の映画化でありながらスタンリー・キューブリックの”シャイニング”の続編でもあり、マイク・フラナガンの個性も死んでない奇跡的なバランスの映画でもうずっと感動しっぱなしだった。レベッカ・ファーガソンのこの世のものではない感も最高。お酒の扱いも大満足。映像美も素晴らしい。

6位 シャザム

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子供の大人になりたいけどなりきれない未熟さや自立したくてもできない様々な障害に立ち向かう勇気をくれるヒーローの力が自分に宿り、決意を持ってシャザムと叫び雷に打たれヒーローに変身する!本当に身近なヒーローの意味に感動する大傑作。実の母親との場面は特に素晴らしかった。そしてラストのみんなで杖を持ってビリーと声を合わせるギャグのところは、ああみんなにとってこの子はビリーなんだなとしみじみした。え?聞こえない!みたいなコメディを軸としながら大人になる決意とヒーローになる決意が重なり新たな家族の絆が芽生える本当に綺麗なヒーロー映画。大好き。

5位 マーウェン

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家の庭で自らの生活をもとにしたストーリーの人形写真を撮り続けるおじさんがフィクションのストーリーに没頭する理由。大の大人が…と気持ち悪がられそうなところを、フィクションに没頭するのは素晴らしいことだよね!と描くロバートゼメキスの、人形を撮るCG映像のこだわり具合がまた彼と同類な気がしてホッとする。自分の生活を守るためのヒーローストーリーを自ら生み出していくセラピーのような話でありながら現実世界の人間がみんな彼に甘いわけでもなく、彼が傷つく場面は本当に胸が痛んだ。ロバートゼメキスの映画にタイムマシンが出てくるという上げ要素もありつつ、でも終わってみると心が少しあったまる、見終わった後しばらくしても何度も思い出してしまう映画でした。

4位 マローボーン家の掟

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この作品がめちゃめちゃ好きなはもう好みでしかないんですけど、まずキャストが最高じゃないですか?ミア・ゴスとアニャ・テイラー・ジョイという21世紀最高のスクリーミングクイーンが共演、ミアが顔を歪めて叫ぶシーンのインパクトも素晴らしいけどアニャの真相に気付いて口を手で押さえながらの彼女の大きな瞳の雄弁なことといったら!60年代風ファッションの似合い具合も最高。アニャの勝ち(個人的な好みです)。ジョージ・マッケイとチャーリー・ヒートンはこの作品世界と相性抜群な顔。植生さえ世界観に合っていた。ホラー映画とも言えるだろうがもっと静かで悲しいサイコホラーといった独特の映画で、めちゃめちゃ好みなんですこういうの。

3位 スパイダーマン スパイダーバース

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アート映画のような凄まじいコミックのアニメーション化を成し遂げつつ世界中で愛されるような大衆性を獲得した点がこの映画の凄いところ。黒人初のスパイダーマンらしく黒人文化をしっかりと描きながら様々な世界線からきたスパイダーマンもそれぞれの文化を担っていることを感覚的に分からせるアニメのすごさ。スパイダーバース以前以降に3DCGアニメの歴史が分けられてしまうような劇場アニメ史のマイルストーンとなる作品。そしてヒーロー映画、ヒーローオリジン映画としても王道のストーリー。

2位 アベンジャーズ エンドゲーム 

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ゲームオブスローンズやスターウォーズのスカイウォーカーサーガなど世界最大級のフランチャイズが次々と終わりを迎えた2019年、どれも熱心なファンを数多く抱えるため最終章は賛否両論が激しかった。だが、MCUのインフィニティサーガの終わりを告げる今作は世界中の熱心なファンのほぼ全てがありがとー!!と言うしかないような完璧な作品を作り上げてしまった。いったいいつからこのエンディングを考えていたんだ?と思うような見事な展開に入りつつファンサービスも万全。ラストカットまで美しすぎる終わり。アベンジャーズ… のあのシーンではもう画だけで泣いてしまった。

1位 ワンス アポン ア タイム イン ハリウッド

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2時間半があっという間。シャロン・テートといえば戦後映画史における最も悲惨な事件の被害者として有名だけど、彼女もハリウッドで生きていたんだよ!と訴えるタランティーノの熱さ。ディカプリオのセリフ言えない…セリフ言えた!の可愛さ、ブラピの脇役らしい素人ですよ…みたいな顔!マーガレット・クアリーのヒッピーガール、ジュリア・バターズの大物感あふれる子役女優、みんな魅力的でみんな1969年のハリウッドでいきいきと生きているキャラクター。タランティーノ最高!シャロンテートの運命に緊張しながら、それが一気に解放されるエンディングも興奮。何度も何度も映画館で見たけど、エンドロールの映像もいつも笑ってしまう。最っ高のお伽話。

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