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雪ど化粧


 素顔は抱擁されている仮象だ。
 雪と化粧は背景と鏡像を馴染みませる、
 一連の即興的ダンス、
 仕草と協奏する結晶の様だ。

 素生は常に脱ぎ捨てられる素描だ、
 雪融け象は孕み合う、再生を膨張し、
 回転し続ける応答の暗部の乱舞、
 降り頻る影を振り切れず、且つ、追い付かれない呼応だ。

 人が奏でる事は自明では無く、
 楽譜はどれだけ精密でも音では無く模様だ、
 そして、楽器は自ら歌わない。

 素顔とは化粧性によって再発見される仮象である。

 君は微笑其のものだ、踏み鳴らすステップ其の音だ、
 其の隙間に微睡む微妙なニュアンスの息吹。


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