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「詩 その他」から分離して、詩のテクスト情報を掲載します。
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2023年1月の記事一覧

灯火

灯火

重い気配に息を殺され
軽い世界病を移され
コラージュの祭典回転、発展、
肺死んで配信だ。
血を吐いてくれ
この痛みでしか償いえない
官能を串刺して
灯火を落としてくれ。
いくつもの記憶と予感の残骸が、
いつか雨となってお前を隠したらいい。

黒い繭

曇り空に
黒い繭を吐く。
軽い綿のような感触で
中身は血液が入っている。
そこから赤い糸が抽出されて
私は君に繋がろうとする。
空っぽの魂が
沢山の空洞を通して
真っ赤に溶けながら
生きる意味になろうとする。
けれど糸は必ず切れ
雨は降り始める。
糸は散り散りに溶けて
誰にも繋がらない。
それと知っていながら
私は繭を吐く。
#詩

ドッペルゲンガーのくせに恋をしたり人らしく生きるなんて滑稽だな。みんなバラバラの思い出になって、思い出話とか話すようになる。センチメンタルが嵐と共に降ってくる夜、ドッペルゲンガーに同情したとして、ドッペルゲンガーを愛したりはしない。 #詩

ありきたりな言葉が私の四肢を縛する。愛の告白にどれほどの意味があるのか?言葉は重ねるだけ虚しくなる。美しいリズムの高鳴りも運動も、閉じ込められた塔からでは滑稽なものだ。君は信じるだろうか、あらゆる魂の震えが、カーテン越しの死生のコントラストが、君の描いた風景を思い出させる。 #詩