黒い繭

曇り空に
黒い繭を吐く。
軽い綿のような感触で
中身は血液が入っている。
そこから赤い糸が抽出されて
私は君に繋がろうとする。
空っぽの魂が
沢山の空洞を通して
真っ赤に溶けながら
生きる意味になろうとする。
けれど糸は必ず切れ
雨は降り始める。
糸は散り散りに溶けて
誰にも繋がらない。
それと知っていながら
私は繭を吐く。

#詩

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