中南米のアジア人差別の実態レポby1年放浪中

こんにちは!自転車で世界一周中、ゆーせいです
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この記事では、中南米を一年ほど自転車で周遊する私が実際に感じるアジア人差別についてお話ししようと思います。中でもよく聞くのは「チノ」「チーノ」という言葉です。この言葉が中南米でどういう意味を持つのか、あくまで私の個人的な体験に基づく私の理解をお伝えすることで、皆さんの旅行の際にお役に立てれば幸いです!初めに言っておきますが、中南米においてアジア人差別は確実に存在します。

今回は無知・偏見・差別の三つの軸から中南米にいる人々のアジア人・日本人の見方について解説したいと思います。今回の動画では、中南米の一側面にスポットライトを当てていること、全ての人がそうではないことを強くご留意ください!
では話の本題に入っていきましょう!

①無知/無教育


まず、中南米の人々はアジアの地理に疎いです。アメリカの北にカナダが南にメキシコがあることは知っていても、日本がどこにあるのかはもちろん、島国であることすら知りません。自分の世界とは関係のない国の地理に疎いのは仕方のないことです。皆さんのうち、コスタリカやコロンビアがどこにあって島国かどうかを即答できる人が果たして何人いるでしょうか?

そして、少なくない人々が日本は中国の一部だと勘違いしています。そして当然、そういう人々は中国語を話せるんだと勘違いしています。
これもある種仕方のないことかと思います。例えばハワイやグアムをアメリカだと思っていない人が少なからずいると思います。また、カナダ人は当然英語をペラペラだと勘違いしているかもしれませんが、フランス語圏に住むカナダ人の中には英語を少ししか喋れない人もたくさんいます、我々が彼らに英語で話しかけてしまうように、中南米の人々も私たちに中国語で話しかけてしまうのです。自分の国のことは知っていても他国のことは知らないことは仕方のないことですし、まだ理解ができます。

またもっと、知識の乏しい人は東アジアだけでなく、東南アジアの国々の人々もひっくるめて「チノ」と呼びます。タイ人の友人が「俺もチノってめっちゃ言われるよ」と言っていました。我々からすれば、明らかに別の見た目をしていてもおそらく彼らの中では「チノ」=「アジア人」くらいの括りでしかないのかもしれません。逆に、我々はメキシコ人もブラジル人もキューバ人(そしておそらくアラブ系の顔もスラブ系の顔も)みんなひっくるめて「ラテン系の顔だよね〜」なんて言ってるのでお互い様です。

他方で、知識的な無知とは別に日本人が教育を受けてきた結果、彼らの言動に理解が及ばない現象が起こります。それは見た目で人の属性を判断するだけでなく、それを(日本人の私から見て)無遠慮に口に出していいと思っていることです。誰かにあだ名をつけたり、初対面の人の見た目を捉えて例えば「白人」と呼んだり「毛むくじゃら」と呼ぶことが日本では失礼にあたります。それは我々がそういう教育を受けてきたからです。心の中ではアメリカ人かセネガル人かベリーズ人かわからない状態で「あの黒人」と仲間内で他人を指差すことはあっても、面と向かって「黒人さん」と呼びつけることは、日本ではまずありません。
しかし、そういう教育を受けていない彼らは、全く悪気なく「チノ」というあだ名を付けます。なんなら目の細い子供たちに対して「チナ」と愛称をつけて呼んでいるところにも遭遇したことがあります。そしてそれを聞いた日本人はその言葉を聞いてなんて失礼なんだとイライラしてしまうのです。お互いの無理解からくる不快感が日本人の側に感じられます。

これらが組み合わさって、こういう会話がよく生まれます「おーい、チノ!」「いや日本人です(怒)」「つまりチノ?」「違います、日本人です(怒)」「なんで怒ってるの?」

これを中南米の「文化」という言葉に包含させるのはいささか気が引けますが、お互いの風習を理解していれば無用な衝突は避けられます。

②偏見


次にアジア人や日本人に対する偏見です。彼らは無知なりに乏しい知識で我々をジャッジしてきます。そのジャッジこそ偏見なんです。
当然これは、我々日本人とて例外ではありません。「黒人はなんか怖い」「特殊性癖って気持ち悪い」「宗教信者って洗脳されてる」ありとあるゆる偏見が日本中、いえ世界中に渦巻いています。自分達がよく知らないものを一つに括って判断することはとても楽ちんです。
アジア人に対する全体的な偏見として「細い吊り目」を筆頭に「中南米を見下してくる」「無愛想」などと思われているように感じます。また、日本と中国の区別がついている人の中で日本人に対して抱きがちな偏見として「アニメはみんな見てる」「お金持ち」「TOYOTA」などが挙げられます。

③差別


無知なだけなら、丁寧に地理や言語の違いを説明し、別の国だとわかってもらえれば万事解決なように見えます。偏見も我々を勝手によく見てくれる偏見な時もあります。良く耳にする「日本人旅行者は海外で評判がいい」ってやつですね。この言説は先人たちの努力と海外の人の偏見によって成り立っています。
無知と偏見が良くない方向に合わさって働いた時に「差別」という形で我々に降り掛かります。つまり差別的な言動をしてくる人の頭の中はアジア系の顔=チノ(中国人だろうが日本人だろうが関係ない)=馬鹿にしていい対象となっています。
悲しいかな一定数いるのです。そういう人たちは自転車を漕いでいて、なんの面識もないのに吊り目のポーズをしてニヤニヤしてきたり「チーノチーノ」と訳もなく連呼してこっちを見てにやついてきたり、中指を立ててきたりします。これらは全て想像ではなく体験談です。
仮にアジア人全体に対する差別ではなく中国人に対してだけの差別だったとしても、許せません。彼らは「どこの国から来たの?」と険しい表情で聞いてきて、私が日本人だとわかると厳しかった顔がやわらぎ、「(中国は嫌いだけど)日本は好きだ!」と言ってくるのです。残念ながらそのカッコを私は見逃すことができません。そうやって言ってくる人の何人が本当に中国人に嫌な目に遭わされたんでしょう。おそらくアジア人に会うことすら初めての人たちばかりのはずです。偶然にも私が日本人で、彼らの偏見フィルターを通した時に優遇されがちな側にいるから日本人であると堂々と言えますが。もし私が、中国人だったらどんなに悲しい想いになるでしょうか。どこで生まれたかだけで人柄まで判断されるなんてあんまりです。もし自分が中国人なら初めて会ったどこの馬の骨かもわからない人に、いきなり嫌いだと言われるくらいなら別の国の生まれだと自称するかもしれません。

まとめ


残念ながら事実としてこのような差別は中南米の国々に残り続けています。この動画を見ている視聴者の皆さんが中南米を旅行する際には、この現実を頭の片隅に入れておいてもらいたい。日本人はおそらく面と向かって「チノ」と呼ばれることに耐性が強くないと思います。そういうこともあるかも知れないという心構えで旅行できれば、心の動揺も少なく楽しい中南米旅行ができるかと思います!

最後に、念押ししておきたいのは、以上のような考えの人も「一部に」いるということです。当然ながら、中南米と言っても広く、多くの人が住んでいます。優しい人もいれば優しくない人もいるのはどこに行っても同じこと。一側面だけを見て全体を判断しないようにお願いいたします。現に中南米で何度助けられ、差し入れをいただき、優しくされたか数え切れません。私は一回のショッキングな出来事より10回の心温まる体験を大事に覚えられる人間でありたい。そう思います。

以上ゆーせいでした。

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